病理医負担軽減に向け、呉医療センター・中国がんセンターと共同研究 第2フェーズAI病理診断支援ソフトウェアの実用化に向けた多施設研究を開始
胃がんを対象としたAI病理診断支援ソフトウェアの汎用性確立を目指す
オリンパス株式会社(取締役 代表執行役 社長兼CEO:竹内 康雄)は独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター(院長:下瀨 省二)の病理診断科(兼臨床研究部腫瘍病理研究室)と、2017年から共同研究を行っています。研究の第1フェーズ※1では、病理医の負担軽減を狙いとした感度※2 100%、特異度※350%の精度をもつ胃生検材料を用いたAI病理診断支援ソフトウェアを作成しました。2020年11月より研究の第2フェーズを開始し、呉医療センター・中国がんセンターを含む国内6施設※4の協力の下で本ソフトウェアの検証を行い、2023年までにAI病理診断支援ソフトウェアの汎用性確立を目指します。将来的には本ソフトウェアの製品化により病理医の負担軽減に貢献します。
※1 第1フェーズについての詳細はこちら https://www.olympus.co.jp/news/2018/nr00867.html
※2 陽性を陽性と診断する割合
※3 陰性を陰性と診断する割合
② 収集した胃生検標本のデジタル化と診断検証
③ 匿名化した胃生検標本と病理診断結果の提供と教師データの作成
※4 AI病理診断支援ソフトウェアの研究に参加する6施設
独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター、独立行政法人国立病院機構大阪医療センター、独立行政法人国立病院機構四国がんセンター、独立行政法人国立病院機構長崎医療センター、国家公務員共済組合連合会広島記念病院、 一般社団法人呉市医師会呉市医師会病院
近年多くの病院で病理医が不足するなか、診断の多様化により病理医の負担が増大しており、その対策としてAIによる病理診断支援の需要が高まっています。オリンパスは、2017年から呉医療センター・中国がんセンターとの共同研究に取り組み、研究の第1フェーズでは胃生検の病理ホールスライド画像※5368件をもとに、AI病理診断支援ソフトウェアを作成しています。
※5 病理標本の全体像から細部までをシームレスに観察するため、標本全体を撮影し1枚に見えるよう加工した画像
この度2020年11月から呉医療センター・中国がんセンターを含む国内6施設で研究の第2フェーズを開始し、製品化に向けたAI病理診断支援ソフトウェアの汎用性検証および精度向上を図ります。6施設では病理診断済みの胃生検標本から教師データを作成します。オリンパスでは教師データ約2,000件を学習させる予定で、施設ごとに厚みや色味など病理標本に差異がある場合でも、AI病理診断支援ソフトウェアが同様の判断を下せるように改良を図ります。そして2023年までに多施設におけるAI病理診断支援ソフトウェアの汎用性確立および精度向上により、病理医の負担低減を目指します。
▪研究の背景
近年、病理医不足が言われる中、病理診断件数が増加しています。日本病理学会によると、「がんの治療方針(治療薬)を決定するために、多数切片の鏡検やコンパニオン病理診断の導入など、特に悪性腫瘍手術検体で診断病理医の負担が大きくなっている」※6とされています。実際に、病理診断件数は2005年から2015年にかけて2,143,452件から4,762,188件と約2.2倍に増加、がんの治療方針(治療薬)を決定するためなどに必要な免疫染色件数も、151,248件から426,276件と約2.8倍に急増しています※7。このような背景のもと、AIを用いた診断支援ソリューションを確立することで、病理医の負担軽減に貢献できると考え、オリンパスの科学事業は当社イノベーション推進の取り組みの一環として、呉医療センター・中国がんセンターを中心とした共同研究を進めております。
※6 日本病理学会 “国民のためのよりよい病理診断に向けた行動指針2019”より引用
※7 厚生労働省 大臣官房統計情報部 社会医療診療行為別調査より引用
▪独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター病理診断科について
呉医療センター・中国がんセンターは中国地方における基幹病院の一つであり、病理診断科は多数の病理診断を日々行うと共に広島大学分子病理学教室および呉市医師会病院と連携して地域医療の病理診断も行っています。また、兼務する腫瘍病理研究室としてデジタルパソロジー領域を含む最先端の学術研究を行い、国立病院機構病理協議会メンバーとして臨床病理研究も積極的に行っています。
本リリースに掲載されている社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。
オリンパスのライフサイエンス分野について
オリンパスは1919年の会社創立以来、顕微鏡を製造してまいりました。現在、ライフサイエンス分野の顕微鏡システムは、臨床研究、教育、最先端研究などの用途で使用されており、お客さまの様々なニーズに応えています。詳しくは、www.olympus-lifescience.com/ja/ をご覧ください。
※1 第1フェーズについての詳細はこちら https://www.olympus.co.jp/news/2018/nr00867.html
※2 陽性を陽性と診断する割合
※3 陰性を陰性と診断する割合
① AI病理診断支援ソフトウェアの開発・評価
② 収集した胃生検標本のデジタル化と診断検証
③ 匿名化した胃生検標本と病理診断結果の提供と教師データの作成
※4 AI病理診断支援ソフトウェアの研究に参加する6施設
独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター、独立行政法人国立病院機構大阪医療センター、独立行政法人国立病院機構四国がんセンター、独立行政法人国立病院機構長崎医療センター、国家公務員共済組合連合会広島記念病院、 一般社団法人呉市医師会呉市医師会病院
近年多くの病院で病理医が不足するなか、診断の多様化により病理医の負担が増大しており、その対策としてAIによる病理診断支援の需要が高まっています。オリンパスは、2017年から呉医療センター・中国がんセンターとの共同研究に取り組み、研究の第1フェーズでは胃生検の病理ホールスライド画像※5368件をもとに、AI病理診断支援ソフトウェアを作成しています。
※5 病理標本の全体像から細部までをシームレスに観察するため、標本全体を撮影し1枚に見えるよう加工した画像
この度2020年11月から呉医療センター・中国がんセンターを含む国内6施設で研究の第2フェーズを開始し、製品化に向けたAI病理診断支援ソフトウェアの汎用性検証および精度向上を図ります。6施設では病理診断済みの胃生検標本から教師データを作成します。オリンパスでは教師データ約2,000件を学習させる予定で、施設ごとに厚みや色味など病理標本に差異がある場合でも、AI病理診断支援ソフトウェアが同様の判断を下せるように改良を図ります。そして2023年までに多施設におけるAI病理診断支援ソフトウェアの汎用性確立および精度向上により、病理医の負担低減を目指します。
▪研究の背景
近年、病理医不足が言われる中、病理診断件数が増加しています。日本病理学会によると、「がんの治療方針(治療薬)を決定するために、多数切片の鏡検やコンパニオン病理診断の導入など、特に悪性腫瘍手術検体で診断病理医の負担が大きくなっている」※6とされています。実際に、病理診断件数は2005年から2015年にかけて2,143,452件から4,762,188件と約2.2倍に増加、がんの治療方針(治療薬)を決定するためなどに必要な免疫染色件数も、151,248件から426,276件と約2.8倍に急増しています※7。このような背景のもと、AIを用いた診断支援ソリューションを確立することで、病理医の負担軽減に貢献できると考え、オリンパスの科学事業は当社イノベーション推進の取り組みの一環として、呉医療センター・中国がんセンターを中心とした共同研究を進めております。
※6 日本病理学会 “国民のためのよりよい病理診断に向けた行動指針2019”より引用
※7 厚生労働省 大臣官房統計情報部 社会医療診療行為別調査より引用
▪独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター病理診断科について
呉医療センター・中国がんセンターは中国地方における基幹病院の一つであり、病理診断科は多数の病理診断を日々行うと共に広島大学分子病理学教室および呉市医師会病院と連携して地域医療の病理診断も行っています。また、兼務する腫瘍病理研究室としてデジタルパソロジー領域を含む最先端の学術研究を行い、国立病院機構病理協議会メンバーとして臨床病理研究も積極的に行っています。
本リリースに掲載されている社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。
オリンパスのライフサイエンス分野について
オリンパスは1919年の会社創立以来、顕微鏡を製造してまいりました。現在、ライフサイエンス分野の顕微鏡システムは、臨床研究、教育、最先端研究などの用途で使用されており、お客さまの様々なニーズに応えています。詳しくは、www.olympus-lifescience.com/ja/ をご覧ください。
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