子どもの「ChatGPT」利用に保護者の約7割“規制必要”…「使いこなせれば面白いツール」「懸念点を知ることが大切」との声も

株式会社CyberOwl

株式会社CyberOwl(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:田中啓太、読み:サイバーアウル)が運営する塾や習い事に関する総合情報サイト「テラコヤプラス by Ameba」(https://terakoya.ameba.jp/) は、全国の小学3年生~高校生の保護者508人に対して「子どものChatGPT利用」について、インターネット調査を行いました。

今話題の「ChatGPT(チャットGPT)」、利用したことはありますか。


「チャットGPTは、AIが会話をすることができるプログラムです。テキストベースで質問や会話をすると、適切な返答を生成します。情報の提供や相談のサポートに使われ、さまざまな話題に対応します。便利なコミュニケーションツールとして活用されています。」  

実は、これは「チャットGPTを知らない人に、チャットGPTとはどのようなものか150文字以内で説明してください」という質問に対してチャットGPTが答えたものです。

チャットGPTは、質問や指示に従って違和感のない文章を作成する機能を備えており、業務の効率化などさまざまな場面での活用が期待される一方で、教育現場ではどのように扱うべきか議論が広がっています。

では、保護者はどのような関心をもっているのでしょうか。「テラコヤプラス by Ameba」では小学3年生~高校3年生の保護者508人に「チャットGPTについて」アンケートをおこないました。


■約3割のみ… 「チャットGPT」利用したことのある保護者


保護者に「チャットGPT」を利用したことがあるか尋ねたところ、「ある」は約3割(30.3%)でした。利用方法は「お試しで」「文章を作ってもらった」「ちょっとした調べものをしてもらった」の3パターンが多いようです。


使ったことが「ない」約7割(69.7%)にも、なぜ利用したことがないのか尋ねました。


「必要性を感じない」がもっとも多く約3割(30.0%)、続いて「使い方が分からないから」(24.1%)。「チャットGPTを聞いたことがない」という保護者が約2割(17.2%)もいることも明らかになりました。

テレビなどの報道でチャットGPTという言葉を聞かない日はないほど話題になり、社会にどのような影響をもたらすか活発に議論されていますが、実際に利用したことのある保護者はあまりいないようです。


■勉強に使用している小学生も…子どもは「チャットGPT」を知っている?


続いて、「子どもはチャットGPTを知っているか」保護者に尋ねたところ、約4割(39.7%)が子どもはチャットGPTを「知っている」と回答しました。

実際に子どもがチャットGPTを使っていたと答えた保護者も。 「目的はなくただどんなものか遊び半分で使っていた」(小学6年生の保護者)「チャットGPTが答えられないようなひねくれた質問を考えては書き込んで、一人でツッコミを入れている…」(高校2年生の保護者)と、大半は“遊び半分”で質問をして楽しんでいる様子です。

しかし、なかには「課題の作文に行き詰まり、アドバイスを貰うために利用したそうです」(高校1年生の保護者)と、さっそく勉強のサポートに利用している子どももいました。


■保護者の約7割「規制は必要」!思考力の低下などを懸念する声…


では、保護者は子どものチャットGPTの利用についてどのように考えているのでしょうか。

まず、子どものチャットGPTの利用に不安はあるかどうかをたずねたところ、「不安」が15.2%、「どちらかと言えば不安」が49.0%となり、約6割(64.2%)の保護者が子どもへの影響を不安視していることがわかりました。

また、どのような点に不安を抱いているのか尋ねたところ、「思考力の低下」や「誤った情報を信じてしまうこと」への懸念を挙げる保護者が多くいました。

しかし、チャットGPTを利用したことの“ある”保護者と“ない”保護者では、子どもの利用へ不安を抱いているかどうかの割合が大きく異なっていました。

チャットGPTを利用したことの“ある”保護者は「不安」(7.1%)「どちらかと言えば不安」(37.0%)を合わせて(44.1%)半数を下回りました。しかし、利用したことの“ない”保護者は約7割(72.9%)が不安を抱いています。

「子どものチャットGPTの利用に規制などは必要だと思うか」という質問でも同様の結果となりました。

全体としては、約5割が「そう思う」(48.0%) と回答。「とてもそう思う」(24.0%)と合わせて7割以上(72.0%)が、子どものチャットGPTの利用には何らかの規制が必要と考えているようです。

しかし、チャットGPTを利用したことの“ある”保護者と“ない”保護者で分けると、利用経験の“ない”保護者は「とてもそう思う」(28.5%)「そう思う」(53.1%)を合わせて約8割(81.6%)となりましたが、利用経験の“ある”保護者で規制などが必要と考えている保護者は合わせて半数の50%でした。

もしかしたら、チャットGPTを利用したことの“ない”人は不安だけが先行している部分もあるのかも知れません。

規制は必要と考える保護者、規制は必要だとあまり考えていない保護者、それぞれの意見をご紹介します。


【「規制は必要」と考える理由】

  • 「チャットGPTは、知らず知らずのうちに著作権を侵害してしまうことがあると聞いたため、きちんと規制をしてほしい。また、なんでもかんでもチャットGPTに任せてしまい、思考力が低下するため、年齢ごとに制限があるといい」(小学3年生の保護者)

  • 「ある程度の知識やリサーチ力がないと、チャットGPTの提供する内容の正誤を判断できない。最低限、その判断ができる知識を得るまでは使用を制限した方がよい」(中学1年生の保護者)

  • 「どんな質問にも適切に回答してくれるチャットGPTだが、どんな回答も適切に行ってしまうため、考える力が育たなくなる。感想文などを聞いて答えてくれるだけでなく、質問者の考えを聞いてくれる機能を追加したり、質問によっては、親の同意を求める規制を導入してほしい。質問内容によっては、アダルトサイトに飛んでしまう可能性もあるため、厳密な年齢制限は規制として導入してほしい」(小学6年生の保護者)

  • 「今でもグーグルに聞けば英文が書け、古文を訳してもらえ、この他にチャットGPTまで使い出したら勉強する必要性がないと思い兼ねないです」(中学2年生の保護者)


【「規制は必要ない」と考える理由】

  • 「使いこなせれば非常に面白いツールだと思ったため。例えば、『この本の感想文をチャットGPTを使って書きなさい。ただし丸写しは禁止。必ず自分の言葉に書き換えること』と授業があったとしたら、読書感想文の書き方がわからないだけで『嫌い』と言っていた子が本に興味を、もつきっかけになったり、語彙力が増える可能性もあると思います」(小学3年生の保護者)

  • 「規制するのではなく、どのように利用していき、どのような懸念点があるかを知っておくことが大切だと思う」(小学6年生の保護者)

  • 「普通であれば悪意ある使い方はしないと思っているので、知らないものを知るツールとしては便利だと感じています。一方で、チャットGPTすべてが正しいわけではないので、鵜呑みにしないよう飲み込まれないよう、『こちら側が使いこなすんだ』という気持ちをもち続けなければいけないと思います」(中学2年生の保護者) 


■プログラミング教室が1位に!子どもの将来のために役立つ習い事は?


チャットGPTの出現など「AI時代」への変革の真っ只中の現在。「10年後はAIに代替される仕事も多い」などと言われていますが、保護者はどのように考えているのでしょうか。

今の子どもたちが社会で活躍するころは今と比べて大きく変化すると思うか尋ねました。

「とてもそう思う」(47.7%)、「そう思う」(48.0%)を合わせて9割強(95.7%)となりほぼすべての保護者が変化すると考えていました。

将来子どもが社会で活躍するために役に立ちそうな習い事は何だと保護者は考えているのでしょうか。上位5つとそのように考える理由をご紹介します。


【1位 プログラミング教室…38.2%】

  • 「AIを使いこなすには、苦手意識を取り除くことが必要だと思うから」(小学3年生の保護者)

  • 「AIがどんどん台頭していく世の中なので、それを操作できるプログラムが書ければ、ひとまずは仕事に困らないと思うから」(小学6年生の保護者)

  • 「これからは、AIを使えるエンジニアの取り合いになると聞いたので」(高校1年生の保護者)


【2位 スポーツの習い事…14.0%】

  • 「瞬時に自分で物事を判断し、実行していくということが重要になると思います。ほかの習い事は先生に言われるがままやる可能性のある習い事なのかなと思います。個人競技でも本当に個人で習うことはかなり少ないためチームに所属し社会性・コミュニケーションも身に付きます。AI時代だからこそ人間味のある人が求められると思います」(小学6年生の保護者)

  • 「スポーツをすること自体にAIが入り込む余地がなく、自分自身を育て、人とのコミュニケーション、コミュニティも育つから」(小学3年生の保護者)

  • 「身体作りはどの時代になっても必要だと思ったからです。社会に出るうえで、丈夫な身体がまず一番かと思います。今の子どもたちは昔に比べて、思い切り遊べる場が減ってきてしまっているので、習い事として身体を動かす場が必要です」(高校1年生の保護者)


【3位 塾・学習塾…12.0%】

  • 「自分で考えて答えを出す、という基礎的かつ人間の本質たる思考力を養えるため。思考力が無ければAIに負けるので」(中学1年生の保護者)

  • 「AIにはない人間の素晴らしい発想は必ずあると思うけれど、ある程度高い水準の学力がないとこれからのAIの時代では仕事を確立して生きていけないように思うので」(高校3年生の保護者)

  • 「基礎学力をしっかり身につければAI時代になっても対応できるようになる」(中学2年生の保護者)


【4位 語学教室…10.2%】

  • 「異文化コミュニケーション能力は何にでも使える武器になると思うので」(小学6年生の保護者)

  • 「人と人が実際に話すと感情までもが伝わり、感情の起伏も感じられる。が、どんなに有能なPCでも感情を相手に伝えることはできないから」(小学3年生の保護者)

  • 「よりグローバルになっていくこと、語学とともに様々な文化に触れることで視野が広がると思うから」(小学3年生の保護者)


【5位 アートの習い事(工作や絵画教室)…6.5%】

  • 「AIは、1→100にすることはできるが、0→1にすることはできないと聞いたことがある。アートはまさに0(何もない状態)→1(何かある状態)にすることができる」(小学5年生の保護者)

  • 「AI時代は良くも悪くも没個性化すると思うので、個性を表現する場が必要だと思ったから」(小学3年生の保護者)

  • 「芸術の分野は心の表現・感情の表現だから、人にしかできないことを磨いて欲しいです」(高校2年生の保護者)


■まとめ


話題のチャットGPTですが、小学3年生から高校3年生までの子どもをもつ保護者世帯では、「必要性を感じない」「使い方がわからない」などを理由に約7割がまだ利用したことがないようです。

また、実際に子どもがチャットGPTを利用したことがあると答えた保護者からは「勉強のために利用していた」という経験談もいくつか寄せられました。

子どもがチャットGPTを利用することに「不安がある」「規制を設けるべきだ」と考える保護者の割合は全体で6割を超えていましたが、利用経験の“ある”保護者と“ない”保護者の間では利用経験の“ない”保護者の方が不安を抱いている割合が高くなっていました。

最後にチャットGPTに「子どもがチャットGPTを利用することに不安を感じている小学3年生~高校3年生の保護者にチャットGPTの良い点を150文字以内で丁寧に説明してください」と質問を投げかけてみました。

「チャットGPTの利用は子供の創造力や学習意欲を刺激し、自己表現や問題解決能力を伸ばします。安全な環境で質問に答えてくれるため、新たな知識や理解を深めるのに役立ちます。保護者の監督下で使用すれば、情報の正確性や適切な使用を保証できます。子供の興味を引きつけ、学習の楽しさを促進します。チャットGPTは学習のパートナーとして有益です。」

とのこと。まずは、報道で見聞きするだけでなく、具体的にどのような点が懸念事項となり得るのか実際に利用して確かめてみるのもよいかもしれません。


【調査概要】
調査期間:2023年4月28日~2023年5月22日
調査機関:自社
調査対象:全国の小学3年生~高校3年生の子どもの保護者508人
調査方法:インターネット(クラウドワークス)
調査内容:「ChatGPT」に関するアンケート


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