トリニティ・テクノロジーが子会社「従業員承継パートナーズ」を設立
〜後継者問題の真の解決に向けて、中小企業の従業員承継を支援するための事業を開始〜
トリニティ・テクノロジー株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役:磨和寛、以下トリニティ・テクノロジー)は、10月28日に子会社「株式会社従業員承継パートナーズ(所在地及び代表取締役同一、以下、従業員承継パートナーズ)」を設立しました。
中小企業の従業員承継を独自の方法で支援することで、新たな事業承継の形を作り後継者問題の解決を目指します。
■国内の事業承継を取り巻く環境
トリニティ・テクノロジーは「人×テクノロジーの力で超高齢社会の課題を解決し”ずっと安心の世界”をつくる」をミッションに掲げ、認知症による資産凍結から家族を守る「家族信託のおやとこ」、おひとりさま高齢者の方を支える「おひさぽ」などの個人向けサービスを展開し、超高齢社会の課題解決に取り組んでまいりました。
中小企業の事業承継もまた、超高齢社会における大きな社会課題となっています。
高齢化が進むことで、2025年までに国内の企業数の約3分の1にあたる127万社が潜在的な後継者不在になると言われています(※1)。
しかし近年、後継者不在率は改善が進んでおり、2023年には後継者不在率が過去最低の53.9%となりました(※2)。
事業承継の相談窓口が全国に普及したほか、M&A仲介事業者を中心とする外部への承継支援などが進み、事業承継が広く認知・浸透されてきたことが、後継者不在率が低下した要因の一つと考えられます。
しかし、M&Aを検討していない中小企業も未だ多く、その理由として「M&Aに対していいイメージを持っていない」が最も多く挙げられるなど(※3)、後継者問題の真の解決にはM&Aだけでなく、様々な角度から事業承継の推進が行われることが必要と考えられます。
■従業員承継とその課題
事業承継は大きく、親族内承継、従業員承継、M&Aの3つに分類されます。
近年事業承継をした経営者の就任経緯の内訳を見ると、2023年は血縁関係によらない役員・社員を登用した「内部昇格(従業員承継など)」が 35.5%で1位、「同族承継(親族内承継など)」が33.1%で2位となっています(※2)。
有力な事業承継の選択肢として使われる従業員承継ですが、以下のような課題もあります。
・株式の買い取り資金を確保するために、後継候補者が借り入れをしなければならない
・後継者が買い取り資金を含めた多額な債務に対する連帯保証を負わなければならない
・後継候補の経済的な負担を抑えるために、現オーナーは創業者利益を獲得しづらい
・従業員として勤めてきたので、経営者としての資質において後継候補に不足しているものがあり不安である
事業承継の課題に関する調査でも、実際に「後継者の経営能力」「後継者による株式等の買い取り」が課題として挙げられています(※4)。
■従業員承継パートナーズについて
従業員承継パートナーズは、これらの従業員承継の課題を解消し、従業員承継をより選択しやすくすることで事業承継及びその後の経営支援をするサービスです。
スキームは対象会社の状況により異なりますが、例えば従業員承継パートナーズが株式の90%を現オーナーから譲受し、従業員持株会が10%を譲受するなどで、株式の買い取りを支援します。
その後、対象会社が創出する利益等を原資に株式シェアを後継者候補に適宜譲渡する等で、従業員承継を10年から15年かけて完遂できるよう支援します。
支援中はトリニティ・テクノロジーが成長企業としてこれまで培ってきたノウハウを活かし、DX・マネジメント・採用などにおいて強力に対象会社を支援します。
従業員承継パートナーズは、一般的な中小規模の投資ファンドとは異なります。
一般的な投資ファンドが比較的短期間で主に事業会社への売却を目指すのに対し、従業員承継パートナーズは長期にわたって対象会社を支援し、従業員への承継を目指します。
■代表メッセージ
(代表取締役CEO 磨 和寛)
当社グループは今まで、高齢社会の課題解決サービスとして
家族信託の「おやとこ」やおひとり高齢者サポートの「おひさぽ」等を展開してきました。
それぞれの顧客には一定割合、後継者不在の中小企業のオーナーがいますが、その方々の事業承継の課題は、なかなか解決できずに今まできました。
そのような中で、私自身は過去に経営していた司法書士法人グループを事業承継しました。
育てた企業カルチャー、働く社員たちを丁寧に守りつつ企業の発展・存続していく未来を考えたとき、M&Aではなく社内の後継者に任せたいと思い「従業員承継」を選択しましたが、後継者による株式買取り資金の確保、創業者利益の確保、後継者の能力担保、経営引継ぎの難しさなど、大きな課題にも直面しました。
私がその経験を通じて「こういったサービスがあれば絶対に使う」という考えのもとで、従業員承継パートナーズのサービスを構想し、本日のローンチまでたどり着きました。
私たちが本サービスを通じて実現したいことは、中小企業のサクセッション(事業承継)を、現オーナーと後継者とが望む形で実現し、その先、承継後の企業活動を「DX」「マネジメント」「採用」等の面から支援しその成長と生産性向上に寄与することです。
国内で7割を超える雇用を担う中小企業の労働生産性が向上すれば、働く人の賃金は上昇し、それが消費にまわることで日本経済は活性化する。
日本社会の明るい未来につながっていく。
私は、そう確信しています。
どんなサービスも、船出は大変なものです。
ただ、「絶対にやり抜く」「未来に価値を生み出す」という信念があれば、素晴らしい事業になると思っています。
引き続き、この国の社会の課題解決のため、当社に結集する素晴らしいメンバーたちと一緒に進んでいきます。
■従業員承継パートナーズ 設立メンバー
代表取締役CEO 磨 和寛
2007年司法書士試験合格。2012年司法書士法人を設立し、国内トップクラスの家族信託の実績を有する士業グループに成長させる。2020年トリニティ・テクノロジーを創業し、エイジテック領域での事業展開をスタート。
自身が経営してきた士業法人の従業員承継の実体験から、事業承継の1つの選択肢として経営者が従業員承継を選択しやすくなることを目指し、従業員承継パートナーズを設立。
取締役COO兼CTO 大谷 真史
東京大学大学院工学研究科修了。BuySell Technologies取締役CTO、M&A仲介会社の創業役員を経て独立。中小企業から大企業まで、様々な業種でITコンサルティングを行う。2020年トリニティ・テクノロジーに参画。DXを活用した経営でローカルから日本を変革するミッションの実現を目指し、従業員承継パートナーズに参画。
取締役CFO 豊嶋 一平
公認会計士。有限責任監査法人トーマツにて各種法定監査、IPO支援、アドバイザリー業務を経験後、ニューラルポケット株式会社へ入社。同社の東証マザーズ市場上場に寄与。その後、執行役員財務戦略統括担当に就任。M&A、資金調達業務などを担う。2023年トリニティ・テクノロジーに参画。
取締役 澤田 隆
一橋大学経済学部卒。日本M&AセンターでのM&A仲介業務を経て、おおぞら銀行グループのABNアドバイザーズ執行役員兼営業本部長に就任。M&A仲介業の立ち上げを行う。M&Aに限定しない、幅広な分野の事業承継を行うため2024年トリニティ・テクノロジーに参画。
監査役 世古 麻鈴
明治大学商学部卒業。公認会計士。有限責任監査法人トーマツでの財務諸表監査及び内部統制制監査の経験、アクセンチュア株式会社でグローバル展開企業に対するコンサルティング経験を経て、2023年に独立。その後 2024年3月にトリニティ・テクノロジーの常勤監査役に就任。
■従業員承継パートナーズの会社概要
会社名 :株式会社従業員承継パートナーズ
所在地 :東京都港区新橋2-1-1 ⼭⼝ビルディング1階
設立 :2024年10⽉28⽇
代表取締役:磨 和寛
会社URL :https://es-partners.co.jp/
事業内容. :従業員承継支援など、事業承継の支援
■トリニティ・テクノロジーの会社概要
会社名 :トリニティ・テクノロジー株式会社
所在地 :東京都港区新橋2-1-1 ⼭⼝ビルディング1階
設立 :2020年10⽉30⽇
代表取締役:磨 和寛
会社URL :https://trinity-tech.co.jp/
事業内容 :
・家族信託サービス「おやとこ」(https://trinity-tech.co.jp/oyatoko/)
・おひとりの高齢者に家族の代わりにずっと寄り添う「おひさぽ」(https://trinity-tech.co.jp/ohisapo/)
・相続手続きサービス「スマホde相続」(https://trinity-tech.co.jp/souzoku/)
・家族信託・相続などの専門家コミュニティ「TRINITY LABO.」(https://trinity-labo.com/)
※1中小企業庁 中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題(2019年)
※2株式会社帝国データバンク 全国「後継者不在率」動向調査(2023年)
※3東京商工会議所 事業承継に関する実態アンケート(2024年)
※4日本政策金融公庫総合研究所 中小企業の事業承継に関するインターネット調査(2023年)
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