父親の家事・育児参加、4年前と比べ進まず 育児費用・教育費用の不安も拡大 ~第2回 乳幼児の父親についての調査~
株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山市)の社内シンクタンク「ベネッセ次世代育成研究所」では、2009年8月に、0歳から6歳(就学前)の乳幼児を持つ父親5,103名を対象に、父親の子育ての実態、しつけや教育、ワークライフバランスに関する意識や実態をとらえることを目的とした「第2回乳幼児の父親についての調査」を実施しました。この調査は2005年の実施につづき2回目となります。
調査結果からは、「家事・育児に今以上にかかわりたい」と思う父親が増加しているにもかかわらず、実際に父親がかかわっている家事・育児の内容、かかわっているわりあいは、4年前と比べてほとんど変わっていないことがわかりました。また、育児休業の取得もあまり進んでいません。今後の不安としては、上位にお金に関する不安が挙げられており、妻との関係においては、「自分は妻に必要とされている」と感じている父親が減っています。
これらの結果からは、家事・育児に参加したいという気持ちがあっても、実際にはできず、先行き不透明な社会の中で自信をなくして苦しい立場に立たされている父親の姿が見られます。不況といわれる中、国や自治体は子育て支援にいっそう力を入れること、企業は制度づくりだけでなく制度が実際に活用されるようなしくみや風土を確立していくことにより、父親をサポートすることが求められているといえます。
【主な調査結果】
※以下1~5は首都圏の父親4,574名の回答。6は首都圏の父親4,574名と地方の父親529名の回答の比較。
※詳細データはP3以降に掲載しています。
1.「家事・育児に今以上に関わりたい」と思う父親が増えている。(05年47.9%→09年54.2%)
2.父親がかかわっている家事・育児は、4年前と比べてほとんど変わっていない。
4年前に比べて増えたのは「食事の後片付けをする」(05年28.8%→09年33.1%)、減少したのは「子どもと一緒に室内で遊ぶ」(05年46.8%→09年42.7%)で、それ以外に大きく増加・減少した項目は見られなかった。
3.育児休業を取得した父親は4年前に比べてあまり増えていない。 (05年2.4%→09年3.9%)
4.「自分は妻に必要とされている」と感じる父親の割合が4年前と比べて減っている。
配偶者との関係について聞いたところ、「妻と毎日子どもやそれ以外のことについて話している」という人の割合は、7~8割だが、「自分は妻に必要とされている」という人の割合が減っている。(05年35.3%→09年21.1%)※「とてもあてはまる」の%
5.父親が今後不安に思うこと上位3つが、お金に関すること。
父親として今後不安に思うことは、上位から順に、「将来の子どもの教育費用が高いこと」(70.2%)「育児費用の負担が大きいこと」(61.4%)「自分の収入が減少しないかどうか」(48.5 %)。子育ての費用面での負担感や自分の収入に関する不安が、4年前に比べ拡大していることがわかる。
※19の選択肢より複数回答。%はすべて09年。(05年にも同じ設問があるが、選択肢が一部異なる)
6.地方の父親のほうが首都圏の父親に比べて圧倒的に子育てへの参加率が高い。
首都圏の父親と地方の父親の育児参加について聞いたところ、「子どもを叱ったりほめたりする」は、首都圏34.1%地方53.5%、「子どもをお風呂に入れる」は首都圏21.1%、地方41.2%と、地方の父親のほうが圧倒的に育児に参加している割合が高い。 ※「ほとんど毎日する」の割合
【調査概要】
・テーマ :父親の子育ての実態、子育て観、仕事と家庭のバランス、家族との関係など
・時期 :第1回 2005年8月・第2回 2009年8月
・調査方法 :インターネット調査
・調査対象
第1回 首都圏の0歳から6歳の乳幼児をもつ父親2,956名
第2回 首都圏の0歳から6歳の乳幼児をもつ父親4,574名と、地方部の父親529名
※首都圏は東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、地方部は秋田県、岩手県、山形県、福島県、 新潟県、富山県、福井県、鳥取県、島根県、佐賀県
※6歳は、就学前のみを対象としているため、6歳0ヶ月~4ヶ月である。
・調査項目 :子どもと関わる時間(平日・休日)/家事・育児の実態と希望/配偶者の就業状 況/配偶者との絆/子育てストレス/子育ての将来への不安/育児休業制度の活用実態 など
・調査企画・分析メンバー
汐見稔幸(白梅学園大学学長) 大日向雅美(恵泉女学園大学大学院教授)
福丸由佳(白梅学園大学教授)
後藤憲子、高岡純子(以上、ベネッセ次世代育成研究所 主任研究員)
持田聖子(ベネッセ次世代育成研究所 研究員)
※本調査結果の詳細は次のURLでご覧いただけます。
http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/research_09.html
【ベネッセ次世代育成研究所】
日本では少子高齢化、核家族化、女性の社会進出等、社会環境の変化が加速し、家族のあり方や親子関係を含めた子どもの成育環境に大きな変化が起こっています。このような中、ベネッセ次世代育成研究所は、個人や家族の生活視点を大切にしながら、子どもや家族が「よく生きる」ための調査研究を行っています。
■ホームページ■
http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/
これらの結果からは、家事・育児に参加したいという気持ちがあっても、実際にはできず、先行き不透明な社会の中で自信をなくして苦しい立場に立たされている父親の姿が見られます。不況といわれる中、国や自治体は子育て支援にいっそう力を入れること、企業は制度づくりだけでなく制度が実際に活用されるようなしくみや風土を確立していくことにより、父親をサポートすることが求められているといえます。
【主な調査結果】
※以下1~5は首都圏の父親4,574名の回答。6は首都圏の父親4,574名と地方の父親529名の回答の比較。
※詳細データはP3以降に掲載しています。
1.「家事・育児に今以上に関わりたい」と思う父親が増えている。(05年47.9%→09年54.2%)
2.父親がかかわっている家事・育児は、4年前と比べてほとんど変わっていない。
4年前に比べて増えたのは「食事の後片付けをする」(05年28.8%→09年33.1%)、減少したのは「子どもと一緒に室内で遊ぶ」(05年46.8%→09年42.7%)で、それ以外に大きく増加・減少した項目は見られなかった。
3.育児休業を取得した父親は4年前に比べてあまり増えていない。 (05年2.4%→09年3.9%)
4.「自分は妻に必要とされている」と感じる父親の割合が4年前と比べて減っている。
配偶者との関係について聞いたところ、「妻と毎日子どもやそれ以外のことについて話している」という人の割合は、7~8割だが、「自分は妻に必要とされている」という人の割合が減っている。(05年35.3%→09年21.1%)※「とてもあてはまる」の%
5.父親が今後不安に思うこと上位3つが、お金に関すること。
父親として今後不安に思うことは、上位から順に、「将来の子どもの教育費用が高いこと」(70.2%)「育児費用の負担が大きいこと」(61.4%)「自分の収入が減少しないかどうか」(48.5 %)。子育ての費用面での負担感や自分の収入に関する不安が、4年前に比べ拡大していることがわかる。
※19の選択肢より複数回答。%はすべて09年。(05年にも同じ設問があるが、選択肢が一部異なる)
6.地方の父親のほうが首都圏の父親に比べて圧倒的に子育てへの参加率が高い。
首都圏の父親と地方の父親の育児参加について聞いたところ、「子どもを叱ったりほめたりする」は、首都圏34.1%地方53.5%、「子どもをお風呂に入れる」は首都圏21.1%、地方41.2%と、地方の父親のほうが圧倒的に育児に参加している割合が高い。 ※「ほとんど毎日する」の割合
【調査概要】
・テーマ :父親の子育ての実態、子育て観、仕事と家庭のバランス、家族との関係など
・時期 :第1回 2005年8月・第2回 2009年8月
・調査方法 :インターネット調査
・調査対象
第1回 首都圏の0歳から6歳の乳幼児をもつ父親2,956名
第2回 首都圏の0歳から6歳の乳幼児をもつ父親4,574名と、地方部の父親529名
※首都圏は東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、地方部は秋田県、岩手県、山形県、福島県、 新潟県、富山県、福井県、鳥取県、島根県、佐賀県
※6歳は、就学前のみを対象としているため、6歳0ヶ月~4ヶ月である。
・調査項目 :子どもと関わる時間(平日・休日)/家事・育児の実態と希望/配偶者の就業状 況/配偶者との絆/子育てストレス/子育ての将来への不安/育児休業制度の活用実態 など
・調査企画・分析メンバー
汐見稔幸(白梅学園大学学長) 大日向雅美(恵泉女学園大学大学院教授)
福丸由佳(白梅学園大学教授)
後藤憲子、高岡純子(以上、ベネッセ次世代育成研究所 主任研究員)
持田聖子(ベネッセ次世代育成研究所 研究員)
※本調査結果の詳細は次のURLでご覧いただけます。
http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/research_09.html
【ベネッセ次世代育成研究所】
日本では少子高齢化、核家族化、女性の社会進出等、社会環境の変化が加速し、家族のあり方や親子関係を含めた子どもの成育環境に大きな変化が起こっています。このような中、ベネッセ次世代育成研究所は、個人や家族の生活視点を大切にしながら、子どもや家族が「よく生きる」ための調査研究を行っています。
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