子どもへのオンライン性搾取・虐待に関する調査結果「Global Threat Assessment 2023」がWeProtectから公表
WeProtectグローバル・アライアンスは、子どもたちをオンラインでの性搾取・虐待から守るための世界的なネットワーク組織です。政府、民間企業、市民社会組織などが加盟しており、チャイルド・ファンド・ジャパン(東京都杉並区、代表:髙橋潤)がメンバーとなっているチャイルド・ファンド・アライアンスも加盟しています。
そのWeProtectから、2023年10月17日、「Global Threat Assessment 2023」が公表されました。
オンラインでの子どもへの性搾取・虐待は、その規模、加害者が用いる手口の高度化という点において、世界的な危機として広がっています。WeProtectグローバル・アライアンスは、この「Global Threat Assessment 2023」を2年に一度発表しており、オンラインでの子どもの性搾取・虐待の世界的な状況についての調査結果、対処方法を示してきました。
今回発表された2023年版の報告書では、金銭脅迫をともなう性搾取や、AIによって生成される虐待画像など、新しい形態の搾取・虐待が急増していることが報告されており、セーフティ・バイ・デザインの原則※の取り組み、インターネット規制の世界的な連携、暴力を防止するための公衆衛生施策などが、緊急に必要であることが強調されています。
※企画・設計の段階から、セキュリティ対策を組み込んでおく方法
また、子どもたちへの脅威をより適切に把握し、対応策とのギャップが生まれないようにするためにも、当事者である子どもたちの声を取り入れ、子ども中心のアプローチを採用することが非常に重要であることも示しています。
このほかに、報告書で指摘されている主な点として、以下のようなものがあげられます。
子どもの性的画像や動画に関する通報は、2019年に比べ87%、320万件増加している(全米行方不明・被搾取児童センター)
ソーシャルゲームにおいて、子どもがハイリスクなグルーミング状況に追い込まれるまでの平均時間は45分(Crisp)
7~10歳の子どもの性的自撮り画像が2020年前半と比べて360%増加 (インターネット・ウォッチ・ファンデーション)
ダークウェブのユーザを対象とした調査で、39%が、子どもの性的虐待のライブストリーミングを視聴したことがあると回答(フィンランドのNPO Suojellaan Lapsiaの調査)
報告書全文はこちらのサイトで公開されています(英語)。
https://www.weprotect.org/global-threat-assessment-23/
~チャイルド・ファンド・ジャパンとは~
1975年より、アジアを中心に貧困の中で暮らす子どもの健やかな成長、家族と地域の自立を目指した活動を行う国際協力NGO。フィリピン、ネパール、スリランカを中心に、スポンサーシップ・プログラム(現地の子どもとの手紙のやりとりなどで成長を見守りながら支援するプログラム)などを通して、子どもたちを支援し続けている。活動の柱の一つに、あらゆる暴力からの子どもの保護を掲げ、啓発・アドボカシー活動にも取り組んでいる。チャイルド・ファンド・アライアンスのメンバー団体でもある。
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