台湾運搬機械設備製造業の振り返りと2021年の展望<ワイズ機械業界ジャーナル2021年7月第3週号発行>

〜台湾機械業界の動向が分かる〜

ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の7月第3週号を発行しました。今週号では、運搬機械設備業界、農業・林業機械業界、電力設備業界、伝動部品業界について紹介します。

<210715号内容>
1 台湾運搬機械設備製造業の振り返りと2021年の展望
2 台湾農業・林業機械設備製造業の振り返りと2021年の展望
3 宏于電機(HYEC)、欧日台メーカーとの提携によるスマート配電盤
4 製品付加価値の強化で利益増加を目指す台湾伝動部品メーカー


●今週号記事の一部を紹介します。
<台湾運搬機械設備製造業の振り返りと2021年の展望>
一、産業概況

 2020年上半期、新型コロナウイルス感染症の流行が世界的に拡大した影響で、多くのメーカーが休業して経済活動が停滞した。台湾は初動で感染拡大を封じ込めたものの、従来型製造業は輸出受注が大幅減少したことから、運搬機械の調達需要も縮小した。このため、20年の台湾運搬機械設備製造業の生産額と販売額はいずれも減少した。
 2021年第1四半期に入ると、台湾内需と世界経済の回復を受けて、製造業の受注が大幅増加し、これに伴って運搬機械の調達需要も拡大した。また、政府のインフラ整備や民間の大型建築工事が完成し、エレベーターの設置が進められたことから、エレベーターの需要も大きく増加した。このため、台湾当産業の台湾市場における販売額は成長したが、台湾元高の継続によって輸出が打撃を受けたため、21年第1四半期の台湾当産業の生産額と販売額は小幅成長にとどまる見通しだ。

 2021年第2四半期については、台湾市場における需要はさらに成長するとみられるが、台湾元高の継続と中国市場における需要低迷に加えて、台湾で新型コロナウイルス感染症流行が拡大していることが、市場需要に悪影響をもたらす見込みだ。このため、21年第2四半期の台湾当産業の景気は横ばい維持と予測される。


二、今後の展望
 運搬機械設備製造業の景気は、▽不動産業、▽インフラ整備、▽物流業、▽自動化生産などから派生する需要に影響されやすい。また、世界経済の動きも台湾当産業に大きな影響を及ぼす。近頃、一部国家・地域で新型コロナウイルス感染症の流行が再拡大しているものの、経済への影響は緩和しつつあるため、各研究機構は2021年の世界及び主要国家の経済成長率は大幅成長すると予測している。とくに米国は1兆9,000億米ドルの助成金計画を実施し、補助対象が▽交通、▽再生可能エネルギー、▽製造業に集中していることから、運搬機械の需要が大きく増加している。また、中国では大規模のインフラ整備を推進していることに加えて、2021年は第14次5カ年計画の始まりであるため、運搬機械の需要は成長する見通しだ。
 台湾市場では、台商のUターン投資が工場建設の段階に入った。また、台湾積体電路製造(TSMC)が2ナノ及び3ナノ工場建設計画を進行中で、資本投資額が1兆2,000億台湾元に達しており、自動化設備の需要は拡大すると予測される。また、5月から台湾で新型コロナウイルスの感染確認者数が急増したことから、経営への影響を抑えるため、製造業メーカーの自動化設備に対する需要も増加している。
 総合すると、台湾及び海外市場における需要はそろって成長し、2021年の台湾当産業の販売額は大幅成長すると予測される。また、メーカーが原材料価格の高騰に対して製品価格の引き上げで対応し、これによって粗利益率が小幅増加するとみられ、台湾当産業の景気も好転する見通しだ。



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業種
サービス業
本社所在地
中華民国台北市襄陽路9號8F 富邦銀行襄陽分行大樓
電話番号
-
代表者名
吉本康志
上場
未上場
資本金
7000万円
設立
1996年11月