フュージョンエネルギー実用化に向け、Helical Fusionと安藤ハザマが資本業務提携、「ヘリックス計画 公式パートナー」として発電初号機建設に向けた基本合意書を締結
大型プロジェクトを完遂し続けてきたゼネコンの高度な技術と経験で、フュージョンエネルギーによる世界初のサステナブルな発電所を具体化
フュージョンエネルギー(核融合)[1]による「実用発電」の達成および産業創造に向け、株式会社Helical Fusion(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:田口 昂哉、以下「Helical Fusion」)が主導する「ヘリックス計画」の公式パートナーとして、株式会社安藤・間(本社:東京都港区、代表取締役社長:国谷一彦、以下「安藤ハザマ」)が新たに参画しました。あわせて、2030年代の稼働が予定される発電初号機「Helix KANATA」の建設に関し、両社による基本合意書を締結しました。

フュージョンエネルギーは、太陽のエネルギーを地上で再現することで、エネルギーの源泉を資源から技術へと移し、次の巨大産業をつくるポテンシャルを持つ技術です。Helical Fusionが取り組む「ヘリカル方式」は、国立大学や国立研究機関における70年にわたる研究開発の結果、商用発電所に適した特性が評価されている方式*[2]です。Helical Fusionは、日本全国の産業力を結集して新たな巨大産業の創出を目指します。特に、今後10年前後は、将来の核融合発電所の基盤となる技術開発が本格化する、産業化に向けた重要なタイミングです。そこで、2030年代の商用発電所実現に向けた「ヘリックス計画」そのものの達成へ、目的を明確にした公式パートナー制度を2026年4月に発足しました。
安藤ハザマは、電力の安定供給に貢献する電力関連施設の建設事業を推進してきました。燃料費の高騰等、日本は常に電力の供給課題を抱えている中、フュージョンエネルギーはその課題を克服して電力の安定供給に大きく寄与するものです。実現に向けた建設分野での課題に共に取り組むことで、ものづくりを通じて豊かな未来の実現に貢献することを目指すため、公式パートナー参画を決定しました。
Helical Fusionと安藤ハザマは、「日本にもうひとつ太陽をつくろう。」を合言葉に、フュージョンエネルギー産業を創造していきます。
■「ヘリックス計画 公式パートナー」とは
フュージョンエネルギーによる実用発電を達成する「ヘリックス計画」を、Helical Fusionとともに主体的に推進する提携企業を「公式パートナー」と定める制度です。
公式パートナーは、技術・事業上の業務提携、および一定額以上の資本提携を伴い、フュージョンエネルギー産業の実現へ、創造性と粘り強さをもって挑戦する覚悟をともにします。
具体的には、今後進める最終実証装置Helix HARUKA、発電初号機Helix KANATAの製造・建設や、それに関わる取り組みをともに進めます。
2026年4月に発足し、第一弾としてニチアス株式会社、長谷虎紡績株式会社、瀬野汽船株式会社が参画しています。

■安藤ハザマについて


安藤ハザマは、土木・建築工事を中心に展開する総合建設会社です。長年にわたり培った技術力と先進的な施工管理により、安全かつ高品質なプロジェクトを推進。新たな価値を創造することで、人びとが安心して快適に暮らせるサステナブルな社会を実現し、社会とともに成長する企業を目指しています。
■代表者のコメント
株式会社安藤・間 代表取締役社長 国谷 一彦

このたび「へリックス計画」公式パートナーに参画できることを大変光栄に思います。
私たち安藤ハザマは、社会インフラの整備を使命とする建設会社として、エネルギーの安定供給に向けて数多くの電力・エネルギー工事を手がけてきました。これまで培った知見と技術を生かして、フュージョンエネルギーの実現に貢献していきます。
Helical Fusionと協力関係を構築し、共に新たな価値を創造し、豊かな未来の実現に取り組んでいきます。
■Helical Fusionについて
Helical Fusionは、フュージョンエネルギーの実用化を目指す企業です。2021年に、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所(NIFS)[3]における研究成果を活用するかたちでスピンアウトし、創業しました。
日本独自の核融合炉形式である「ヘリカル方式」は、これまでの国立大学や公的研究機関における約70年にわたる研究開発の結果、商用発電所に求められる要件を備えやすい方式であることが評価されています。その知見を生かし、世界に先駆けたフュージョンエネルギーの実用化に向けた「ヘリックス計画(Helix Program)」を進めています。
■代表者のコメント
株式会社Helical Fusion 代表取締役CEO 田口昂哉

ヘリックス計画のゴールは、実用的な発電所の実現であると同時に、このさき長きに亘って文明を支えるエネルギーを人類社会にもたらすことです。
安藤ハザマの皆さんは、これまで100年以上、日本と世界の生活・産業を支えてこられた方々です。
この素晴らしいチームと力を合わせれば、フュージョンエネルギーを通した社会の発展を必ずや実現することができると確信しています。
人類史を大きく動かす壮大なチャレンジに向けて、安藤ハザマの皆さんとともに歩めることに心から感謝しています。
その第一歩として、最終実証装置「Helix HARUKA」、発電初号機「Helix KANATA」の建設に向けて、両社で手を携えて取り組んでまいります。
ヘリックス計画について
■ヘリックス計画とは
ヘリカル型核融合炉は、これまでの国立大学や国立研究機関における70年にわたる研究開発の結果、商用発電所に適した特性が評価されている方式*[4]です。
Helical Fusionは、その知見を活用してフュージョンエネルギーの実用化を行う数少ない民間企業の一社として、ヘリカル型核融合炉による実用発電を達成する「ヘリックス計画(Helix Program)」を進めています。2023年5月には、発電初号機の設計についてまとめた査読付き論文を発表しています[5]。
ヘリックス計画では、2020年代中をめどに二大開発要素「高温超伝導マグネット」「ブランケット兼ダイバータ」の個別実証を完了し、2030年代中には、最終実証装置「Helix HARUKA」による統合実証、および発電初号機「Helix KANATA」による世界初の実用発電を達成する計画です。
現在、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所(岐阜県土岐市)の敷地内にあるHelical Fusion専用スペースにて、最終実証装置「Helix HARUKA」による高温超伝導マグネット実証に向けた製造・建設が進んでいます。核融合装置開発を進める各社のなかでも、詳細設計をもとにした具体的な建設に至っていることは先駆的な事例といえます。Helix HARUKA向けの重要なコンポーネントの開発は、国内各社の協力を得て、着実に進んでいます。



■「実用発電」のための三要件
核融合炉を発電所として商用利用するためには、核融合反応を起こすことはもちろん、①定常運転(24時間365日運転可能な安定性)、②正味発電(プラントの外に電力を供給できる)、③保守性(メンテナンスが可能)という「商用核融合炉の三要件」をすべて満たすことが必要です。
ヘリックス計画では、この三要件の実現から逆算した設計に基づいて開発を進めます。

■全国でパートナリングイベントを開催
Helical Fusionは、ヘリックス計画を最速で確実に進め、日本からフュージョンエネルギー産業を立ち上げていくために、ヘリックス計画のゴールや参画イメージを共有する「パートナリングイベント」を全国各地で開催します。 ※運営協力:株式会社リバネス
<今後の開催スケジュール>※変更となる場合があります。
東北(宮城:仙台)7月
九州(福岡:小倉)8月
中四国(岡山:岡山)9月
北陸(石川:金沢)10月


背景
■フュージョンエネルギー開発の意義
世界の人口は2050年までに約17億人増加すると予測[6]され、生成AIの普及も背景とした世界的な電力需要の急増に対し、既存発電方法のみで応えることは厳しい見通しです。フュージョンエネルギーは、太陽の輝きと同じ原理を使ったCO2排出がなく効率性の高い発電方法であり、海水等から豊富に採取可能な燃料を用いることからも、世界的な課題を抜本的に解決する技術として期待されています。核融合プラント建設および電力市場は2050年までに世界で数百兆円規模にまで成長するとの試算[7]もあり、今後自動車産業のように日本が世界をリードする巨大産業を創出できる可能性がある一方、国際的な開発競争も激化しています。
日本においては、2025年6月の内閣府による「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」の改定により、2030年代の発電実証を目指すロードマップが提示されています。加えて、「重点投資対象17分野」にフュージョンエネルギー(核融合)が挙げられ、同年11月には政府として1,000億円超の予算計上、専門部署の設置、社会実装に向けた600億円規模の「フュージョンエネルギー発電実証推進事業補助金」が作られるなど、政府としての支援も具体化しています。学術研究の段階から、官民をあげた産業化への動きが加速しています。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社Helical Fusion コミュニケーションデザイン室
E-mail:contact@helicalfusion.com
株式会社安藤・間 コーポレート・コミュニケーション部 広報グループ 川井
E-mail: kawai.mari@ad-hzm.co.jp
[1] 太陽の輝きと同じ原理を地上で再現することで得られるエネルギー。二酸化炭素(CO2)排出がなく、海水などから豊富に採取可能な水素の仲間を燃料として用いること、原理的に暴走が起こらず安全性を確保しやすいことなどから、世界的なエネルギーの課題を抜本的に解決する技術として期待されています。
[2] ①定常運転(24時間365日運転可能な安定性)、②正味発電(プラントの外に電力を供給できる)、③保守性(メンテナンスが可能)という「商用核融合炉の三要件」を、全て満たせる見通しを有することから。
[3] NIFSは、世界有数の大型プラズマ実験装置「大型ヘリカル装置(LHD)」において、3,268秒間(約54分間)にわたるプラズマの維持や、1億度を超えるプラズマ温度の達成、そうした運転に不可欠なプラズマの安定制御にかかわる知見などを蓄積してきた、ヘリカル型(ステラレータ)核融合研究を牽引する公的研究機関です。
[4] ①定常運転(24時間365日運転可能な安定性)、②正味発電(プラントの外に電力を供給できる)、③保守性(メンテナンスが可能)という「商用核融合炉の三要件」を、全て満たせる見通しを有することから。
[5] Development of steady-state reactor by Helical Fusion – J. Miyazawa et al., Physics of Plasmas.
[6] 国際エネルギー機関(IEA)年次報告書 「2023年版世界エネルギー見通し」(World Energy Outlook 2023)
[7] FusionX/Helixos report Global Fusion Market Analysis: Electricity, Supply Chain & Construction (https://fusionxinvest.com/data-analysis/analysis/)
すべての画像
