「Cities Changing Diabetes (都市に蔓延する糖尿病の克服)」プログラム 日本での最初のプロジェクトとなる「郡山市における糖尿病対策についての共同研究」の成果論文を発表
糖尿病になっても人生を豊かに送ろうとする前向きな志向が治療の継続を後押しすることが示唆された
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 (代表取締役社長:オーレ ムルスコウ ベック、本社:東京都千代田区) は、2型糖尿病患者における人生の前向きな志向 (将来展望) の保有と継続治療との関連性について「Diabetes Therapy」誌( https://link.springer.com/article/10.1007/s13300-021-01175-y )に掲載したことをお知らせいたします。
2型糖尿病患者の将来展望とは、人生全体を見通してどのように糖尿病と付き合っていくか、そして、どのような人生を作り上げていきたいかを指すものです。そのため将来展望は、一般的な「治療目標」よりも幅広い「何のために治療に努めるのか」という一人一人の価値観を反映しています。
今回の研究では、福島県郡山市に在住する2型糖尿病患者106名に対する、大規模な対面式のインタビュー調査を行い、「何のために治療をしていますか?」等の内容を聴取し、治療の先にある将来展望を調べました。聴取した内容から類似したものをまとめてカテゴリーにし、治療継続状況との関連性を検証しました。
その結果、「2型糖尿病患者であるという自己認識を持って将来展望を描いている」ことが、継続的な治療と統計学的に有意に関連しました (p < 0.001)。内容をより細かく見ると、「社会的自立を保つ」ことや、「治療を自分自身の成長の機会と捉える」などの前向きな視点を持っていることが「当事者意識」の醸成に関わっていました。これに対し、「自己認識を持てない (そもそも自分が2型糖尿病患者であると思えない)」や「破滅的な人生を歩むことが目的化している (暴飲暴食をやめられず、友人などもいない)」といった状態にあると、2型糖尿病患者としての当事者意識を持てず、治療中断とも関連してしまうことが示唆されました。
本論文は、ノボ ノルディスク ファーマ株式会社がグローバルで展開する「Cities Changing Diabetes (都市に蔓延する糖尿病の克服)」 *1 プログラムとして、2018年から福島県郡山市および公立大学法人福島県立医科大学 (医学部衛生学・予防医学講座) と産学官連携で取り組んでいる、「郡山市における糖尿病対策についての共同研究」*2 の内容を論文化したものです。
本論文の責任著者である福島県立医科大学医学部衛生学・予防医学講座の日高友郎 講師は、次のように述べています。「2型糖尿病患者が治療をうまく継続できないときには、将来展望 (何のために治療するのか)を描けていない可能性に留意する必要があります。糖尿病の治療を継続するには、糖尿病になる前からの家族、友人関係、ならびに地域環境が重要な意味を持ちます。したがって治療に希望が持てるように、さらにはこれからの人生を一緒に展望してもらえるような良い人間関係や地域づくりに社会のリソースを使うことも大切になってきます。こうした公衆衛生的な取り組みが、一人一人の健康を改善し、さらには地域全体を健康にします。医師や保健師が保健指導を行う際に今回の成果が生かされ、2型糖尿病患者の継続治療が促進されることを期待します。」
*1 「Cities Changing Diabetes (都市に蔓延する糖尿病の克服)」について
糖尿病患者の3分の2が在住している都市環境における糖尿病の劇的な増加に対応するためのパートナーシッププログラムで、ノボ ノルディスクが世界の各都市で展開しています。市の指導者や省庁、学会、糖尿病協会、健康保険会社、コミュニティグループ、企業などを含む100以上のローカルパートナーが、分野を超えた新たな形の官民パートナーシップで協力し、課題を特定し、新しい健康行動とポリシーを提供し、健康に影響を与える他の課題に関連づけています。
日本においては、超高齢化が糖尿病増加のリスク因子になっているという日本特有の糖尿病増加の要因を踏まえて、2018年から福島県郡山市および公立大学法人福島県立医科大学 (医学部衛生学・予防医学講座) と日本初となる「Cities Changing Diabetes」プログラムに取り組んでいるのに続き、2021年6月より、千葉県旭市および千葉大学医学部附属病院と2番目となる本プログラムに取り組んでいます( https://www.novonordisk.co.jp/content/dam/nncorp/jp/ja/news/media/2021/06/21-19.pdf )。
*2 「郡山市における糖尿病対策についての共同研究」について
本共同研究は、「郡山市を日本一健康な都市にする」という理念の下に、郡山市民の健康増進を図ることを目的として、2018年2月13日に郡山市とノボ ノルディスク ファーマが締結した「糖尿病対策に関する包括連携協定」に基づき、2018年8月1日にデータ統計分析等に医学的助言や指導を得るため福島県立医科大学 (医学部衛生学・予防医学講座) と三者契約を締結し、同年10月より取り組みました。
本共同研究では、郡山市における糖尿病対策の実践的指針を見出すことを基本方針とし、糖尿病治療状況に影響を与える郡山市特有の社会、文化、環境要因を把握することが郡山市においてより効果的なアクションプランの作成につながり、ひいては糖尿病性腎症等の合併症の重症化予防に貢献するものと考え、糖尿病の治療中断に影響を及ぼす要因を探るとともに、15地区の特性を知るための調査 (インタビュー調査、アンケート調査、データベース解析) を実施しました。
ノボ ノルディスクについて
ノボ ノルディスクは、1923年創立のデンマークに本社を置く世界有数のヘルスケア企業です。私たちのパーパスは、変革を推進し、糖尿病および肥満症、血液系希少疾患、内分泌系希少疾患などのその他の深刻な慢性疾患を克服することです。その目的達成に向け、科学的革新を見出し、医薬品へのアクセスを拡大するとともに、病気の予防ならびに最終的には根治を目指して取り組んでいます。ノボ ノルディスクは現在80カ国に約4万5,800人の社員を擁し、製品は約170カ国で販売されています。日本法人のノボ ノルディスク ファーマ株式会社は1980年に設立されました。詳細はウェブサイトをご覧ください。(www.novonordisk.co.jp)
2型糖尿病患者の将来展望とは、人生全体を見通してどのように糖尿病と付き合っていくか、そして、どのような人生を作り上げていきたいかを指すものです。そのため将来展望は、一般的な「治療目標」よりも幅広い「何のために治療に努めるのか」という一人一人の価値観を反映しています。
今回の研究では、福島県郡山市に在住する2型糖尿病患者106名に対する、大規模な対面式のインタビュー調査を行い、「何のために治療をしていますか?」等の内容を聴取し、治療の先にある将来展望を調べました。聴取した内容から類似したものをまとめてカテゴリーにし、治療継続状況との関連性を検証しました。
その結果、「2型糖尿病患者であるという自己認識を持って将来展望を描いている」ことが、継続的な治療と統計学的に有意に関連しました (p < 0.001)。内容をより細かく見ると、「社会的自立を保つ」ことや、「治療を自分自身の成長の機会と捉える」などの前向きな視点を持っていることが「当事者意識」の醸成に関わっていました。これに対し、「自己認識を持てない (そもそも自分が2型糖尿病患者であると思えない)」や「破滅的な人生を歩むことが目的化している (暴飲暴食をやめられず、友人などもいない)」といった状態にあると、2型糖尿病患者としての当事者意識を持てず、治療中断とも関連してしまうことが示唆されました。
本論文は、ノボ ノルディスク ファーマ株式会社がグローバルで展開する「Cities Changing Diabetes (都市に蔓延する糖尿病の克服)」 *1 プログラムとして、2018年から福島県郡山市および公立大学法人福島県立医科大学 (医学部衛生学・予防医学講座) と産学官連携で取り組んでいる、「郡山市における糖尿病対策についての共同研究」*2 の内容を論文化したものです。
本論文の責任著者である福島県立医科大学医学部衛生学・予防医学講座の日高友郎 講師は、次のように述べています。「2型糖尿病患者が治療をうまく継続できないときには、将来展望 (何のために治療するのか)を描けていない可能性に留意する必要があります。糖尿病の治療を継続するには、糖尿病になる前からの家族、友人関係、ならびに地域環境が重要な意味を持ちます。したがって治療に希望が持てるように、さらにはこれからの人生を一緒に展望してもらえるような良い人間関係や地域づくりに社会のリソースを使うことも大切になってきます。こうした公衆衛生的な取り組みが、一人一人の健康を改善し、さらには地域全体を健康にします。医師や保健師が保健指導を行う際に今回の成果が生かされ、2型糖尿病患者の継続治療が促進されることを期待します。」
*1 「Cities Changing Diabetes (都市に蔓延する糖尿病の克服)」について
糖尿病患者の3分の2が在住している都市環境における糖尿病の劇的な増加に対応するためのパートナーシッププログラムで、ノボ ノルディスクが世界の各都市で展開しています。市の指導者や省庁、学会、糖尿病協会、健康保険会社、コミュニティグループ、企業などを含む100以上のローカルパートナーが、分野を超えた新たな形の官民パートナーシップで協力し、課題を特定し、新しい健康行動とポリシーを提供し、健康に影響を与える他の課題に関連づけています。
日本においては、超高齢化が糖尿病増加のリスク因子になっているという日本特有の糖尿病増加の要因を踏まえて、2018年から福島県郡山市および公立大学法人福島県立医科大学 (医学部衛生学・予防医学講座) と日本初となる「Cities Changing Diabetes」プログラムに取り組んでいるのに続き、2021年6月より、千葉県旭市および千葉大学医学部附属病院と2番目となる本プログラムに取り組んでいます( https://www.novonordisk.co.jp/content/dam/nncorp/jp/ja/news/media/2021/06/21-19.pdf )。
*2 「郡山市における糖尿病対策についての共同研究」について
本共同研究は、「郡山市を日本一健康な都市にする」という理念の下に、郡山市民の健康増進を図ることを目的として、2018年2月13日に郡山市とノボ ノルディスク ファーマが締結した「糖尿病対策に関する包括連携協定」に基づき、2018年8月1日にデータ統計分析等に医学的助言や指導を得るため福島県立医科大学 (医学部衛生学・予防医学講座) と三者契約を締結し、同年10月より取り組みました。
本共同研究では、郡山市における糖尿病対策の実践的指針を見出すことを基本方針とし、糖尿病治療状況に影響を与える郡山市特有の社会、文化、環境要因を把握することが郡山市においてより効果的なアクションプランの作成につながり、ひいては糖尿病性腎症等の合併症の重症化予防に貢献するものと考え、糖尿病の治療中断に影響を及ぼす要因を探るとともに、15地区の特性を知るための調査 (インタビュー調査、アンケート調査、データベース解析) を実施しました。
ノボ ノルディスクについて
ノボ ノルディスクは、1923年創立のデンマークに本社を置く世界有数のヘルスケア企業です。私たちのパーパスは、変革を推進し、糖尿病および肥満症、血液系希少疾患、内分泌系希少疾患などのその他の深刻な慢性疾患を克服することです。その目的達成に向け、科学的革新を見出し、医薬品へのアクセスを拡大するとともに、病気の予防ならびに最終的には根治を目指して取り組んでいます。ノボ ノルディスクは現在80カ国に約4万5,800人の社員を擁し、製品は約170カ国で販売されています。日本法人のノボ ノルディスク ファーマ株式会社は1980年に設立されました。詳細はウェブサイトをご覧ください。(www.novonordisk.co.jp)
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