【映画館でバレエを】ロイヤル・バレエ『白鳥の湖』6.14(金)公開!ヤスミン・ナグディとマシュー・ボールが魅せる、リアム・スカーレット版!荘厳な悲劇のクライマックスに胸を打たれること間違いなし!
主演ヤスミン・ナグディとマシュー・ボールが魅せる、当代最高レベルのパフォーマンス!
荘厳な悲劇のクライマックスに胸を打たれること間違いなし!
舞踊評論家・森菜穂美氏の解説とともにスカーレット版『白鳥の湖』の見どころを紐解きます!
©2022 ROH. Photographed by Tristram Kenton
クラシック・バレエの代名詞となり、日本でも最も多く上演されているバレエ作品『白鳥の湖』。英国ロイヤル・バレエは、『白鳥の湖』『眠れる森の美女』など多数の名作を生み出したバレエ振付氏、マリウス・プティパの生誕100周年を記念し、これまで上演されていたアンソニー・ダウエル版に代わり、30年ぶりに新しい『白鳥の湖』が製作されることとなった。その際、若き天才で弱冠31歳のリアム・スカーレットの手掛けた新しい振付による『白鳥の湖』が初演され、本上演はそのスカーレット版の再演となる。
2024年4月24日に収録された今回のシネマでは、ロイヤル・バレエの新時代トッププリンシパルの二人、ヤスミン・ナグディとマシュー・ボールが主演。昨シーズンの『眠れる森の美女』や、2019年の『ロミオとジュリエット』など、シネマでこの二人の主演が上演される機会も多く、「自然な演技とぴったりと息が合ったサポートが見事で、当代最高レベルのパフォーマンスで酔わせてくれる。」と森氏が解説するように、数々の共演を重ねて築いてきた、二人の至高のパートナーシップにも注目だ。
凛と気高く悲劇的な白鳥の王女オデット、自信に満ちて魅惑的な黒鳥オディールという全く違った二つのキャラクターを好演しているナグディは、「長い手脚による繊細でたおやかな表現、磨き抜かれ安定した高度な技巧にドラマティックさも備えた知性派」だと森氏が説明するように、3幕クライマックスの32回転のグラン・フェッテは3回転も入れて強靭かつエレガントで音楽性にも優れた踊りで観客を魅了する。腕の動きで呪われた運命を語るマイムの美しさも特筆ものだ。また優雅な身のこなしと端正な容姿の英国貴公子・ボールは、愁いを秘めた表情が絵になり、高い跳躍や高速回転など超絶技巧を披露して王子の情熱も見せている。最終幕で愛し合いながらも結ばれない運命を嘆き慟哭するパ・ド・ドゥ(デュエット)は、「二人の卓越した表現力を昇華させた痛切なドラマ性が胸を打ち、涙せずにはいられない。」と本作最大の見どころのひとつとして森氏は注目する。共演には、ジークフリート王子の親友ベンノ役を、軽やかで高い跳躍と美しいプロポーションの韓国出身の注目若手ダンサー、ジョンヒョク・ジュンが演じているほか、日本出身のダンサーの前田紗江、桂千理が花嫁候補である王女たちを魅力的に演じるなど随所で活躍を見せている。
また今回、『アスフォデルの花畑』『スイート・ヴァイオレット』そして『フランケンシュタイン』でもスカーレットとコラボレーションしているジョン・マクファーレンが手掛けた美術のこだわりについて「ジョン・マクファーレンによる黒とゴールドを多用し、重厚にして絢爛たる舞台美術もこの版の大きな魅力である。」と森氏は説明している。荘重な大階段、黄金に輝く壁や玉座が象徴的な3幕の舞踏会の華麗な舞台美術には思わず息を呑むほど。古典作品を現代的にアップデートし、英国バレエ伝統の演劇性を強調した演出の『白鳥の湖』は、あまたある『白鳥の湖』のなかでも傑作の誉れ高く、世界最高のバレエ団である英国ロイヤル・バレエが総力を結集しているスカーレット版を、現地ロンドンに行かなくても観られる臨場感あふれる映画館の大画面で、ぜひご堪能いただきたい。
森菜穂美(舞踊評論家)『白鳥の湖』解説全文はコチラ
https://tohotowa.co.jp/roh/news/2024/06/10/kaisetsu_swan_lake2023/
【STORY】
女王の顧問に化けた魔王ロットバルトが支配する宮廷。誕生日を迎えたジークフリート王子は、女王に明日の舞踏会で花嫁を選ぶようにと命令される。狩りに出たジークフリートは白鳥の群れに出会う。そのうちの一羽が美しい女性オデットに変身すると、たちまち王子は恋に落ちる。だがオデットは、魔王ロットバルトの呪いに囚われており、夜の間だけ人間の姿に戻ることができる。この呪いは、まだ誰も愛したことがなく、不滅の愛を彼女に誓った男性によってのみ破られる。
宮廷の舞踏会には、王子の花嫁候補である4人の姫君が各国から参列する。王子はオデットを愛しているため、この中から花嫁を選ぶことができない。オデットにそっくりなオディールが現れて王子はオデットだと思い込み魅せられる。ロットバルトは、王子をだましてオディールに愛を誓わせる。王子のオデットへの愛の誓いは破られてしまった。ロットバルトは宮廷を乗っ取り、だまされた王子は湖畔へと走る。打ちひしがれたオデットが彼を迎える。永遠に白鳥であり続ける運命を背負ったオデットには、人間の姿に戻るにはただ一つの方法、死しか残されていなかった…
《白鳥の湖》
振付:マリウス・プティパ / レフ・イワノフ
追加振付:リアム・スカーレット / フレデリック・アシュトン
演出:リアム・スカーレット
美術・衣装:ジョン・マクファーレン
作曲:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
照明デザイン:デヴィッド・フィン
ステージング:ギャリー・エイヴィス、ラウラ・モレ―ラ、サマンサ・レイン
スカーレット財団芸術監修:ラウラ・モレ―ラ
レペティトゥール:ディアドラ・チャプマン、ヘレン・クロフォード、シアン・マーフィー、サミラ・サルディ
プリンシパル指導:アレクサンダー・アガジャノフ、ダーシー・バッセル、オルガ・エヴェレイノフ、イザベル・マキーカン、エドワード・ワトソン、ゼナイダ・ヤノウスキー
指揮:マーティン・ゲオルギエフ
コンサートマスター:マグナス・ジョンストン
ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団
【キャスト】
オデット/オディール:ヤスミン・ナグディ
ジークフリート王子:マシュー・ボール
女王:クリスティーナ・アレスティス
ロットバルト:トーマス・ホワイトヘッド
ベンノ:ジョンヒュク・ジュン
ジークフリートの妹たち:レティシア・ディアス、アネット・ブヴォリ
1幕
ワルツとポロネーズ:
ミカ・ブラッドベリ、桂千理、シャーロット・トンキンソン、ララ・ターク
アクリ瑠嘉、デヴィッド・ドネリー、テオ・デュブレイユ、ベンジャミン・エラ
2幕/4幕
小さな4羽の白鳥:
ミカ・ブラッドベリ、アシュリー・ディーン、前田紗江、ユー・ハン
大きな2羽の白鳥:
ハンナ・グレンネル、オリヴィア・カウリー
3幕
スペイン王女:ユー・ハン
ハンガリー王女:ミカ・ブラッドベリ
イタリア王女:前田紗江
ポーランド王女:桂千理
スペイン:ナディア・ムローヴァ=バーレー、デヴィッド・ドネリー、ベンジャミン・エラ、ハリソン・リー、エイダン・オブライエン
チャルダッシュ:カタリーナ・ニケルスキ、ケヴィン・エマートン、シエラ・グラシーン、ヴィオラ・パンテューソ、シャーロット・トンキンソン、マリアンナ・ツェンベンホイ、五十嵐大地、ジョシュア・ジュンカー、ジェームズ・ラージ、マルコ・マシャーリ
ナポリ:イザベラ・ガスパリーニ、レオ・ディクソン
マズルカ:ジュリア・ロスコ―、ジャコモ・ロヴェロ、オリヴィア・フィンドレー、マディソン・プリチャード、ルーカス・B・ブレンツロド、テオ・デュブレイユ
2024年4月24日上演作品/上映時間:3時間25分
6/14(金)~6/20(木) TOHOシネマズ 日本橋 ほか1週間限定公開!
■公式サイト:http://tohotowa.co.jp/roh/
■配給:東宝東和
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