シリコンスタジオ、機械学習における教師データ3DCG受託案件での評価結果を公開
3DCG画像が実写と同等以上に有益であることをクライアント製造企業のPoCにて確認
エンターテインメント業界を中心に、自動車、映像、建築など、さまざまな業界向けにデジタルコンテンツ関連ビジネスを展開するシリコンスタジオ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:梶谷 眞一郎、東証マザーズ:証券コード3907、以下「当社」)は、機械学習向け3DCG画像の受託案件において、当社制作の画像データが教師データとして実写と同等以上に有益であることを、製造企業A社(社名非公開)のPoC(Proof of Concept、概念実証)における評価結果で明らかにされたことをお知らせします。
A社では、製造現場で必要な部品の画像検出を目的とした機械学習の教師データとして、3DCG画像の有用性を検証するPoCを実施いたしました。
当社はA社より受託し、約1,000点のラベルデータを付与した部品の3DCG画像データを制作、納品いたしました。A社では、YOLO※を用いた評価を実施し、その結果、当社が提供した3DCG画像が機械学習の教師データとして実画像と同等か、それ以上に有益であると判断されました。
A社に限らず、これまで画像検出を目的とした機械学習では教師データとして実写の画像を大量に揃えなければならなかったものの、今回の検証で3DCGが実写と同等以上の有益性が実際に確認されたことにより、今後は3DCGへの置き換えが促進され、大幅なコスト削減と業務効率の向上が期待されます。
※YOLO:リアルタイム物体検出アルゴリズム。v2、v3-spp、V4で検証
尚、A社における評価の詳細は以下の通りです。
1.評価目的:
部品の実画像に匹敵する質感を持つ3DCG画像(目視にて判断)が、機械学習の教師画像として遜色ないかを確認する
2.評価手法:
当社制作の部品2個のCG画像をモデルに学習させ、部品2個および3個の実画像での検出の正解率を評価する
3.評価基準:
CG画像で学習させたモデルの正解率が部品2個、および3個の実画像で学習させたモデルと同等か、それ以上であればCGが教師画像として妥当であると判断する
▼ 当社制作による教師画像としてのサンプル3点
4.評価結果:
① YOLOを用いた評価テスト
② 評価結果
● 学習画像枚数が100枚では実画像に及ばなかった
● 1,000枚では実画像と同等だった
● 正解率の低いケース(部品が隣接する)に絞り、追加100枚を学習させた場合の正解率はいずれも100%となった
当社では、今回の検証で3DCGが機械学習における教師データとして有益であることが実証されたことにより、これからもエンタープライズ領域における3DCGの活用を技術力、企画力、表現力の3つの力で全面的に支援し、企業の業務効率向上とコスト削減、課題解決に寄与してまいります。
■ シリコンスタジオ株式会社について
当社は、世界最高レベルの技術力をもって、創る人と愉しむ人に感動を与えることを目指す企業です。ゲームや映像制作スタジオ向けに加え、自動車、映像、建築など、さまざまな業界向けに3DCG技術等を提供する開発推進・支援事業、クリエイター職の派遣・紹介に特化した人材事業を展開しております。企画、技術、人材、運営など、ゲーム企業が抱えるすべての課題をワンストップで解決できること、および、ゲーム業界で培った3DCG技術等を他業種にも展開できることが強みです。ポストエフェクトミドルウェア『YEBIS』、リアルタイムレンダリングエンジン『Mizuchi』、リアルタイムグローバルイルミネーション『Enlighten』といった、高度な技術をゲーム制作現場に提供するシリコンスタジオのミドルウェアは、これまでワールドワイドで数多くのAAAタイトルに採用されてきました。
https://www.siliconstudio.co.jp/
Idea × Art × Technology
技術力・表現力・発想力を兼ね備えた3DCGソリューションプロバイダー
コンピューターグラフィックス(CG)は、無限の可能性を秘めています。
映像・エンターテインメント分野では表現の幅を拡げ、土木建築・自動車といった産業分野では、可視化やHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)などに活用されています。AI・ディープラーニングの分野においても、学習データとしての活用が進み、その成果が評価され始めています。また、5Gのような高速大容量で低遅延を実現するネットワーク環境やクラウドの活用は、ユーザーエクスペリエンス(UX)にさらなる変革をもたらすでしょう。
私たちシリコンスタジオは、自社開発による数々のミドルウェアを有し、CGの黎明期から今日に至るまでCG関連事業に取り組み、技術力、表現力、発想力の研鑽を積み重ねてきました。それら3つの力を高い次元で融合させ、CGが持つ可能性を最大限に発揮させられること、それが私たちの強みです。
Idea × Art × Technology
私たちはCG業界をリードするソリューションプロバイダーとして、お客さまの課題解決はもちろん、付加価値のあるアウトプットの提供をお約束いたします。
※ 記載されている名称は各社の商標または登録商標です。
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