ispace、ミッション2マイルストーン Success 7「月周回軌道への到達」成功!
約2か月間の深宇宙の旅から帰ってきたRESILIENCEランダー月面着陸に向けたカウントダウン、ついに開始!
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)はMission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”(以下ミッション2)において、2025年5月7日(水)午前5時41分(日本時間)に、月周回軌道投入マヌーバに成功し、RESILIENCEランダーの月周回軌道投入を完了しました。これにより、ミッション2 マイルストーンのSuccess 7を完了したことをお知らせいたします。
ispaceのエンジニアは、東京の日本橋にあるミッション・コントロール・センター(管制室)から、午前5時41分にミッション運用計画に沿って最初の月周回軌道投入マヌーバを開始し、9分間の主推進系の燃焼を完了しました。これにより、ispaceはミッション1に続き、ランダーとペイロードを月周回軌道上へ輸送する技術能力および運用能力を実証しました。
このマヌーバは、ミッション2でこれまで実施してきた全9回のマヌーバの中で最も長時間の燃焼を要する非常にクリティカルな運用で、入念に準備を整えてマヌーバを実施したエンジニア達には、予定通り月の重力圏への軌道投入が確認出来ると、緊張が解け安堵の表情が溢れました。いよいよ、月面着陸に向けたカウントダウンが開始されます。
ミッション2のRESILIENCEランダーは、2025年1月15日(水)15時11分(日本時間)に打ち上げられたSpaceX社のFalcon9によって所定の軌道に投入され、同日、午後4時44分(午前7時44分24秒 協定世界時)にロケットから分離されました。地球周回フェーズ(下図①)を経て2025年2月15日(土)午前7時43分(日本時間)には月表面から高度約8,400㎞の地点を通過し、民間企業による商業用の月着陸船としては史上初となる「月フライバイ」に成功。その後、低エネルギー遷移軌道上(下図②)を約2カ月の長い期間をかけて、地球から最も離れた距離で約110万kmの地点まで到達しました。深宇宙の旅から帰ってきたRESILIENCEランダーは、今後、月周回軌道上で計画しているすべての軌道制御マヌーバの完了を5月28日頃予定しており、ついにミッション2は月面着陸へのカウントダウンを開始しました。
■ 株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田武史のコメント
「まずは、本日、予定通りにRESILIENCEランダーが月周回軌道へ到達出来たことに安堵しております。ミッション1での運用経験を活かし、これまで順調にマヌーバを成功させてきましたが、今回最もクリティカルなマヌーバを成功させ、月周回軌道に投入を完了したクルーの姿をとても誇らしく思います。この勢いをそのままに、引き続き丁寧な運用と入念な準備を進め、
月面着陸成功に繋げたいと思います。」

■ ミッション2マイルストーン
ispaceは打ち上げから月面着陸まで、10段階のマイルストーンを設定しました。各マイルストーンには基準を設け、達成を目指します。基準に基づき評価された結果は、後続する開発中のミッションに適宜フィードバックされます。なお、各マイルストーン達成の進捗状況等は適時に公開を予定しております。


■ ミッション2で輸送するペイロードについて
ispaceはミッション2のRESILIENCEランダーに6つのペイロードを搭載し、輸送します。
HAKUTO-Rのコーポレートパートナーである高砂熱学工業株式会社の月面用水電解装置 株式会社ユーグレナの月面環境での食料生産実験を目指した自己完結型モジュール 台湾の国立中央大学宇宙科学工学科が開発する深宇宙放射線プローブ 株式会社バンダイナムコ研究所の「GOI宇宙世紀憲章プレート」 ispaceの欧州法人ispace EUROPEが開発したマイクロローバー”TENACIOUS” スウェーデンのアーティストによるムーンハウスと呼ばれる赤い小さな家
また、RESILIENCEランダーには、人類の言語と文化遺産を保護したユネスコのメモリーディスクも搭載しています。
ispaceは、日・米・欧の3法人でそれぞれの地域の文化や多様性を活かしながら、1つの統合的なグローバル企業として宇宙開発を進めてまいりました。2025 年 1 月15日に日本法人が主導するミッション2の打ち上げを完了し、最短で2025年6月6日に、月面着陸へ再挑戦の予定です。続く2026年には米国法人が主導するミッション3を実行していく計画で、2027年には、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション4(旧ミッション6)を予定しています。世界中の政府、企業、教育機関からの高まる需要に応えるため、ispaceはミッション3およびそれ以降のミッションのペイロードサービス契約とデータサービスを提供してまいります。
■ 株式会社ispace ( https://ispace-inc.com/jpn/ )について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2は2025年1月15日に打上げを完了し、最短2025年6月6日に、月面着陸へ再挑戦の予定。ミッション3は2026年[i]、ミッション4(旧ミッション6)は2027年に[ii]打ち上げを行う予定。
ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされている。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。
■ HAKUTO-R ( https://ispace-inc.com/jpn/m1 )について
HAKUTO-Rは、ispaceが行うミッション1およびミッション2を総称する、民間月面探査プログラム。独自のランダー(月着陸船)とローバー(月面探査車)を開発して、月面着陸と月面探査の2回のミッションを行う。SpaceXのFalcon 9を使用し、2022年にミッション1(月面着陸ミッション)のランダーの打ち上げを完了。2025年1月15日にミッション2(月面探査ミッション)の打ち上げを完了し、最短2025年6月6日に、月面着陸へ再挑戦の予定。
オフィシャルパートナーである株式会社三井住友銀行により命名されたMission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”には、新たな始まりやチャンスの意が込められている。
HAKUTO-Rはオフィシャルパートナーとして株式会社三井住友銀行、コーポレートパートナーとして、日本航空株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、日本特殊陶業株式会社、
シチズン時計株式会社、スズキ株式会社、高砂熱学工業株式会社、SMBC日興証券株式会社、Sky株式会社、Epiroc AB、株式会社ジンズ、栗田工業株式会社が参加している。
[i] 2025年5月時点の想定
[ii] 2025年5月時点の想定
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