「不治の病の子どもたちに『治るよ』と伝えたい」1型糖尿病患者・家族⽀援のNPO法⼈から4研究機関へ 合計6,030万円の助成
4⽉11⽇(⽊) 贈呈式・記者発表開催
本研究資⾦の財源は、主に佐賀県庁への⽇本IDDMネットワーク指定ふるさと納税です。2023年10月3日~2024年1月31日にかけてクラウドファンディングを実施し、783名の⽅々から3,300万円を超える寄付をいただきました。
▼ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディング
不治の病の子どもたちに「治るよ」と伝えたい―希望する全ての患者が移植を受けられる日を目指してー
https://www.furusato-tax.jp/gcf/2570
当⽇は、オンラインで各出席者をつなぎ贈呈式を開催いたします。取材・報道各社におかれましては、
オンラインによる質疑応答等に対応いたしますので、ぜひご出席いただきますようお願い申し上げます。
【バイオ⼈⼯膵島移植による「1型糖尿病の根治」につながる研究課題4件への助成⾦贈呈式】 開催⽇時 2024年4⽉11⽇(⽊) 14:00〜15:00 ・助成⾦の贈呈 ・研究概要の説明 ・報道機関を対象とした質疑応答 出席者 松本 慎一(まつもと しんいち) 一般社団法人医療用ブタ開発機構 代表理事 浅利 貞毅(あさり さだき)神戸大学大学院医学研究科 特命教授 井上 亮 (いのうえ りょう)摂南大学農学部応用生物科学科動物機能科学研究室 教授 小須田 南(こすだ みなみ)日本大学医学部内科学系糖尿病代謝内科学分野 助教 井上 ⿓夫(いのうえ たつお)認定特定⾮営利活動法⼈⽇本IDDMネットワーク 理事⻑ 会場 オンライン(ZOOM ウェビナー) ※オンラインで各出席者をつなぎ、助成⾦贈呈式を開催いたします。 取材・報道各社におかれましては、オンラインにて質疑応答等に対応いたしますので、 ぜひご出席いただきますようお願い申し上げます。 ※ウェビナーへの事前登録が必要となります。 認定特定⾮営利活動法⼈⽇本IDDMネットワークのウェビナーフォームから お申込みいただくようお願いします。 https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_g5H7_RRTQuOE4wClsj3oQQ |
【バイオ人工膵島移植とは】
1型糖尿病根治の方法として膵臓移植や膵島移植が保険診療となっていますが、日本では「ドナー(臓器提供者)」が圧倒的に不足しています。
このドナー不足を解決する方法として考えられているのがバイオ人工膵島移植です。
バイオ人工膵島移植は、無菌室で育てられた医療用ブタの膵島を特殊なカプセルで包み患者に移植する方法です。
【今回の助成研究】
以下4件の研究に助成を⾏います。
〇研究課題名:
バイオ人工膵島移植のための国産医療用ブタ製造
○ 研究代表者: 松本慎一(まつもと しんいち)一般社団法人医療用ブタ開発機構 代表理事
○ 助成額:3,480万円
〇助成研究の内容:松本慎一代表理事談
ヒト膵島を用いた同種膵島移植は、2020年に保険適応となり、1型糖尿病の新しい治療が確立しましたが、脳死ドナーが少ないこと、また、一生涯免疫抑制剤を飲み続ける必要があるという2つの課題があります。この2つの課題を解決する方法が、医療用ブタからの膵島を免疫隔離膜で保護するバイオ人工膵島の移植です。
バイオ人工膵島移植は、海外ですでに臨床応用され、安全性と有効性のデータが蓄積されていますが、日本には、医療用ブタが存在しないことがハードルになっています。
今回、一般社団法人医療用ブタ開発機構を立ち上げ、医療用ブタを調達することで、日本でのバイオ人工膵島移植が開始できるようにします。
〇研究課題名:
移植用膵島の「量産化」技術の開発
○ 研究代表者: 浅利 貞毅(あさり さだき)神戸大学大学院医学研究科 特命教授
○ 助成額:1,000万円
〇助成研究の内容:浅利貞毅教授談
ヒトからヒトへの膵島移植は、1型糖尿病治療として2020年に保険適用となりました。しかしながら、臓器提供者不足や生涯に亘る免疫抑制剤の服用という課題により、一般的な治療法として普及するには限界があります。これらの課題を解決するため、我々は、医療用ブタの膵臓から膵島を分離し、膵島に拒絶反応を起こさないよう免疫隔離カプセルに封入したのち移植するバイオ人工膵島移植の研究開発を進めています。膵島分離は手作業で行われていますが、十分量の膵島を効率良く移植できるよう、膵島分離専用AIロボットの開発と分離工程のオートメーション化に取組んでいます。また、神戸医療産業都市において、神戸大学、神戸市および関連企業が連携し、一人でも多くの患者様にこの新しい移植医療を受けていただけるよう医療産業化を目指しています。
〇研究課題名:
移植後の患者の健康維持・安全確保のための検査技術の開発
○ 研究代表者: 井上 亮 (いのうえ りょう)摂南大学農学部応用生物科学科動物機能科学研究室 教授
○ 助成額:1,000万円
〇助成研究の内容:井上亮教授談
我々の研究グループでは、医療用ブタで感染が懸念されるほとんどの病原体に対する検査系を確立しました。この検査法は、「PCR」という技術で、移植後の感染症モニタリングにも活用できます。しかし、移植後に感染症をモニタリングする際の検査試料の第一候補は血液です。実は、膵島ではPCRで感度良く検出できても、血液では、感染が進まないと検出できない病原体も少なくありません。一方、感染した病原体に対してヒトの免疫が作る「抗体」なら、早くに血液でも検出しやすいことがわかっています。そのため、移植後の感染症モニタリングには「抗体」を調べる検査系も必要です。本研究では、ブタ病原体に対するヒトの「抗体」を検査する方法の確立を目指します。
〇研究課題名:
移植効率と安全性を確保するための要素技術の開発
○ 研究代表者: 小須田 南(こすだ みなみ)日本大学医学部内科学系糖尿病代謝内科学分野 助教
○ 助成額:550万円
〇助成研究の内容:小須田南助教談
1型糖尿病の患者さん全員が根治を目指したブタ膵島移植を安全に受けられるように、患者さんが他の病気の治療目的に内服する薬に対する反応など、ブタ膵島の特徴を詳細に解明します。
また、本研究では新生児ブタ膵島も使用しますが、新生児ブタ膵島は1週間程度培養することでインスリン分泌能が高くなります。培養法を改良するとともに、ほぼ均一な大きさに再構成したもの(偽膵島)を作り、効率の良い移植につなげます。
さらに、ブタ膵島の研究を進めるために、ブタインスリン分泌細胞を不死化させて、ブタインスリン分泌細胞株を作り、遺伝子操作を用いた研究を効率的に行えるようにします。
本研究により、1型糖尿病の根治療法であるブタ膵島移植の安全性と質を向上させます。
【1型糖尿病とは】
原因不明で突然、⼩児期に多く発症し、現在の医学⽔準では発症すると⽣涯に渡って毎⽇4〜5回の注射⼜はポンプによるインスリン補充がないと数⽇で死に⾄る難病。⼀般に糖尿病として認知され、糖尿病患者の⼤半を占める2型糖尿病に対し、国内での患者数は約10〜14万⼈、年間発症率は10万⼈当たり2⼈程度と希少な病であるため患者と家族の精神的、経済的負担は⼤きい。
【⽇本IDDMネットワークとは】
⽇本IDDMネットワークは、インスリン補充が必須な患者とその家族⼀⼈ひとりが希望を持って⽣きられる社会を実現することを⽬指しています。その当⾯のゴールは、1型糖尿病を「治らない」病気から「治る」病気にすることですが、究極の⽬標は“1型糖尿病の根絶(=治療+根絶+予防)”です。
2005年の1型糖尿病研究基⾦設⽴後、これまで152件、8億3216万円(本研究助成を含む)の研究費助
成を⾏っています。
当基⾦は、患者・家族⾃らが「不治の病を治る病にする」、「不可能を可能にする」挑戦に賛同いただいた⽅々
からの当法⼈への直接の寄付並びに“佐賀県庁への「⽇本IDDMネットワーク指定」ふるさと納税”など、⽇本
全国の⽅々からのご⽀援で成り⽴っています。
【認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク】
〒840-0854
佐賀県佐賀市八戸二丁目1番27-2号
担当:畑中 葵 携帯電話:080-9184-5974
事務局 電話:0952-20-2062 メールアドレス:jimukyoku@japan-iddm.net
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