G7カナダ・カナナスキスサミット:市民社会はSDGsの達成と国際協調主義の推進を求めます

〜石破首相のリーダーシップで「経済先進国」としての応分負担を〜

SDGsジャパン

  1. 私たち、持続可能な開発(SDGs)の達成に向けて活動する市民社会ネットワークは、6月15日からカナダ・カナナスキスで開催されるG7サミット首脳会合に際し、日本およびG7各国がSDGs達成に向けた強固な意志と国際協調主義の復権について合意し、世界の国内総生産(GDP)の約4割を占める「経済大国」として、応分の責任を果たし、気候変動や国際保健、人道支援、債務再編など喫緊の課題に取り組むよう求めます。

  2. 日本政府は、6月10日に「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部(本部長:内閣総理大臣)」会合を開催し、SDGsの進捗に関する「自発的国家レビュー(VNR)」が決定・発表されました。4年ぶり3回目の発表です。日本政府および各ステークホルダーの取り組みを評価しつつ、SDGsに含まれる17の目標ごとに達成状況を紹介し、「課題先進国として、持続可能な経済・社会の実現に向けた自身の取組・知見を国際社会にモデルとして示していく」という今後の方向性も示されています。VNRは本年7月に国連本部で開催される「ハイレベル政治フォーラム(HLPF)」において発表され、国連加盟国をはじめとする関係機関やステークホルダーとの討議が行われ、SDGs達成に向けた取り組みの加速が求められています。

  3. 「自発的国家レビュー(VNR)」の作成に向けて、日本の市民社会は様々な働きかけを行ってきました。約130のNGOやネットワーク団体組織が集い、過去4年間のSDGs国内進捗について、市民の目線から情報収集を行いました。それらをまとめ、ゴール毎の進捗評価および12テーマの提言を含む「SDGsスポットライトレポート2025」を2025年2月末に発出、政府との意見交換やステイクホルダー会合といったVNRプロセスに積極的に参画しています。SDGs推進円卓会議には市民社会からも委員として参加し、6月に発表された政府のVNR報告書に市民社会の視点が盛り込まれました。

  4. G7サミットに向けては、多様な意見を議論に反映させるための仕組みとして「エンゲージメントグループ」が設置されています。市民社会は「Civil7(C7)」として、「気候・エネルギー・環境」「経済正義」「人道行動と平和」「持続可能な開発」の4分野を中心に、政策提言書を作成し、カナダ政府をはじめとするG7各国との対話を重ねてきました。4月14・15日にカナダの首都オタワで開催された「C7サミット」では、カナダ政府高官にC7政策提言書を手渡しました。また、5月28日には日本政府のG7シェルパを務める赤堀毅・外務審議官と面会し、C7としての政策提言を伝えました。

  5. 私たち日本の市民社会組織は、平和で、誰一人取り残されない、人権と尊厳が守られる世界の構築を目指し、日本政府をはじめとするG7各国のリーダーシップに期待するとともに、より一層、活動の成果を向上させる努力を継続してまいります。

【本件に関するお問い合わせ】

日本政府VNRおよび「SDGsスポットライトレポート」について:

 一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク アドボカシー・コーディネイター

 小松 真理子

 03-5357-1773 / komatsu@sdgs-japan.net

C7サミットおよび「C7政策提言書」について:

 特定非営利活動法人国際協力NGOセンター シニアアドボカシーオフィサー

 堀内 葵

 03-6435-2945 / janic-advocacy@janic.org


(参考)

(1)VNRおよび「SDGsスポットライトレポート」について

  1. ニューヨークの国連本部で毎年7月に行われるHLPFでは、4ゴールずつのレビューと、国毎のSDGs進捗を確認するVNRが行われます。2025年は7月14-24日に開催され、ゴール3・5・8・14・17の進捗確認が行われます。日本政府のVNR発表は現地時間22日午後の予定です。国連に登録している各種市民社会のグループMajor Groups and Other Stakeholders(MGOS)では、今年VNRを発表する37の国それぞれに対して市民社会からの質問・コメントを準備しており、日本の市民社会からも参画しています。

  2. SDGsスポットライトレポート2025」は、市民目線でSDGsの日本国内での進捗を評価し、提言をまとめています。日本語版はSDGsジャパンHPより、PDFで無料ダウンロードが可能です。英語版は7月のHLPFを前に、6月末の発出を予定しています。

  3. SDGs市民社会ネットワーク(通称: SDGsジャパン)は2017年に設立された国内唯一のSDGs全般に関するアドボカシーを専門に行う、市民団体のネットワーク組織です。HLPF/VNRにむけて、6月23日には「HLPF直前。SDGsの現在地」ハイブリッドイベントを、また7月のHLPFにはスタッフを派遣し現地からオンライン中継報告を行う予定です。詳しくはHPをご覧ください。

(2)C7サミットおよび「C7政策提言書」について

  1. G7の公式エンゲージメントグループのひとつである 「Civil7(以下、C7)」は、カナダのネットワークNGOである「コーポレーション・カナダ(Cooperation Canada)」のリーダーシップのもと、運営委員会と分野別ワーキンググループが設置さ れ、「C7政策提言書(C7 Communiqué)」の作成をはじめとする政策提言を行っています。

  2. 「C7政策提言書」は、C7に設置された4つの分野別ワーキンググループが中心となって作成され、気候・エネルギー・環境、債務、国際課税、開発資金、人道行動、平和構築、国際保健、教育などの地球規模課題に対する具体的な政策提言が盛り込まれています。

  3. 日本の市民社会組織(CSO)もC7運営委員会およびワーキンググループに参加し、4月14日・15日にオタワで開催された「C7サミット」に出席しました。C7サミットにおいて、カナダのG7シェルパを務めるシンディ・テルモアシューゼン(Cindy Termorshuizen)外務次官補(Associate Deputy Minister of Foreign Affairs)に「C7政策提言書」が手渡されました。また、日本政府を代表して出席した丸山浩平・在カナダ日本大使館次席(特命全権公使)には、日本の市民社会から「C7政策提言書」を手渡しました。

  4. 現在、世界では、孤立主義の台頭、紛争の激化、気候変動による緊急事態、そして不平等の深刻化のために、開発協力の恩恵が覆されようとしています。世界中の国々を脅かすような、より不安定な 世界が生み出されつつあります。地球規模の協力なくして、安全保障も、公正な経済発展もあり得ません。あらゆる政策決定の中心には、人々の尊厳、安全、そして未来が位置付けられなければなりません。G7は単なる議論の場ではなく、有意義な行動の推進力となり、世界秩序と連帯の擁護者となる必要があります。

  5. 2023年のG7広島サミットに際し、日本のCSOは「G7市民社会コアリション2023」を設立し、外務省国際協力局民間援助連携室(現NGO協力推進室)の協力・支援のもと、議長国の市民社会として 政策提言や「C7サミット」の開催、他セクター連携などの活動を実施しました。

  6. C7全体の戦略立案や意思決定を担う12名のC7運営委員(2025年)は以下の通り。G7各国、グロー バル・サウス(南側諸国)のCSOおよびカナダの先住民組織代表によって構成されています。

    ・アンケ・クラート、VENRO(ドイツ)

    ・堀内 葵、JANIC(日本)

    ・ヴァレリア・エンミ、GCAP Italy(イタリア)

    ・エロディ・バラロン、Coordination Sud(フランス)

    ・ベンジャミン・ベストー、InterAction(米国)

    ・サンドラ・マルティンソン、 Bond(英国)

    ・ダロン・セラー=ペリッツ 、Cooperation Canada(カナダ)

    ・ポール・ファラン、Cooperation Canada(カナダ)

    ・ケイト・ギリス、Métis National Council(カナダ)

    ・レボガング・ラマフォコ、Oxfam South Africa(南アフリカ共和国)

    ・ヘリキ・フロタ 、ABONG(ブラジル連邦共和国)

    ・アルジュン・カーキ、Rural Reconstruction Nepal(ネパール)

  7. 2025年のC7ワーキンググループと日本からの参加者(★C7サミットに参加)

    1)気候・エネルギー・環境(Climate, Energy & Environment)

    ・足立 治郎(「環境・持続社会」研究センター 事務局長)

    ・宮本 育昌(コーラル・ネットワーク 事務局長)

    2)経済正義(Economic Justice)

    ・堀内 葵(国際協力NGOセンター シニアアドボカシーオフィサー)★

    ・若林 秀樹(国際協力NGOセンター 理事、政策アドバイザー)

    3)人道行動と平和(Humanitarian Action & Peace)

    ・高橋 悠太(かたわら 代表理事/カクワカ広島 共同代表) ★

    ・南 優菜(アクセプト・インターナショナル アドボカシーオフィサー) ★

    4)持続可能な開発(Sustainable Development)

    ・稲場 雅紀(アフリカ日本協議会 共同代表)

    ・大橋 正明(SDGs市民社会ネットワーク 共同代表理事)

    ・小松 真理子(SDGs市民社会ネットワーク アドボカシー・コーディネイター)

  8. 2025年の「C7政策提言書」目次(全20ページ)

    ・ともにグローバル正義を(Global Justice Together) p.2

    ・気候・エネルギー・環境(Climate, Energy and Environment) p.5

    ・経済正義(Economic Justice) p.8

    ・人道行動と平和(Humanitarian Action and Peace) p.11

    ・持続可能な開発(Sustainable Development) p.14

「SDGsスポットライトレポート2025」
「C7政策提言書」(2025)

  

(3)一般社団法人SDGs市民社会ネットワークについて

  1. 概要:

     持続可能な世界の実現を目指して2016年に設立された、日本のCSO(市民社会組織)・NGO(非政府組織)・NPO(特定非営利活動法人)のネットワーク組織です。「政策提言活動」、「地域や他セクターとの連携の促進」、「SDGsの普及啓発」の3つを活動の柱としています。

  2. 役員:

      ○代表理事:

      大橋正明(聖心女子大学グローバル共生研究所 招聘研究員 / 放送大学 客員教授

      三輪敦子(一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター所長)

      ○理事:

      今田克司(一般財団法人CSOネットワーク 常務理事)

      大谷美紀子(大谷&パートナーズ法律事務所 弁護士)

      小泉雅弘(特定非営利活動法人さっぽろ自由学校「遊」事務局長)

      森井悠里香(持続可能な社会に向けたジャパンユースプラットフォーム 政策提言部 統括)

      中西由起子(認定NPO法人ディーピーアイ日本会議 副議長)

      長島美紀(認定NPO法人Malaria No More Japan 理事、

            公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
                   アドボカシーグループリーダー)

      新田英理子(一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク 事務局長)

      近藤麻子(日本生活協同組合連合会 執行役員 組織推進本部本部長)

      星野智子​(一般社団法人環境パートナーシップ会議 副代表理事)

      ○監事:

      浅見哲(麹町納税貯蓄組合連合会 会長、税理士法人 魁 代表社員)

      田中徹二(グローバル連帯税フォーラム 代表理事)

  3. 会員:全128団体(2025年4月1日現在、会員リスト

  4. ウェブサイト:https://www.sdgs-japan.net/

SDGs市民社会ネットワーク ロゴ


(4)特定非営利活動法人国際協力NGOセンター「サミット・ウォッチ・ジャパン」ワーキンググループについて

  1. 概要:

     NGOの力を最大化することで、世界の社会課題解決の促進を目指す、ネットワークNGOである特定非営利活動法人国際協力NGOセンター(JANIC)のワーキンググループとして、2025年4月に「サミット・ウォッチ・ジャパン」が発足しました。核のない誰ひとり取り残さない持続可能な社会を実現するために、各地での市民活動や地域の課題解決、SDGsの推進、多様なステークホルダーとの協働などに取り組んでいます。

     「サミット・ウォッチ・ジャパン」の前進組織である「G7市民社会コアリション2023」は、G7サミットの公式エンゲージメントグループの一つである「Civil7(C7)」とともに、G7広島サミットに向けて世界中のCSOと協力して政策提言を行いました。

     2024年と2025年には、日本の市民社会がC7サミットに参加することを目的とした「G7サミットに日本の市民社会の声を届けるプロジェクト」を有志メンバーで実施しています。

  2. 運営メンバー:

    ・足立治郎(「環境・持続社会」研究センター)

    ・有坂美紀(RCE北海道道央圏協議会/北海道NGOネットワーク協議会)

    ・稲場雅紀(アフリカ日本協議会)

    ・木下聡(ふじのくに未来財団)

    ・高橋悠太(かたわら/カクワカ広島)

    ・新田英理子(SDGs市民社会ネットワーク)

    ・堀内葵(国際協力NGOセンター)

    ・松原裕樹(ひろしまNPOセンター)

    ・南優菜(アクセプト・インターナショナル)

    ・宮本育昌(コーラル・ネットワーク)

    ・若林秀樹(国際協力NGOセンター)

    ・渡部朋子(ANT-Hiroshima)

  3. 参加メンバー:全123団体

    https://g7-cso-coalition-japan-2023.mystrikingly.com/#about

  4. ウェブサイトhttps://www.janic.org/workinggroup/909/


ロゴ

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サミット・ウォッチ・ジャパン ロゴ

(以上)

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会社概要

URL
https://www.sdgs-japan.net/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都千代田区飯田橋1-7-10  山京ビル本館604
電話番号
03-5357-1773
代表者名
大橋正明・三輪敦子
上場
未上場
資本金
-
設立
2016年04月