A.T. カーニー、グローバル都市指標に基づく提言 「分断された世界をつなぐ:グローバル都市への道」を公開

都市の存在感と国際競争力を強化する新たなグローバル・シティ・フレームワーク

KEARNEY

本プレスリリースは、2025年6月25日にシンガポールより配信された英語版の抄訳です。

経営コンサルティング会社A.T. カーニー(グローバル・ブランド名はKEARNEY)は、同社が2008年より実施している世界の都市ランキング 「グローバル都市指標(Global Cities Index)」に基づいて構築した、新たなグローバル・シティ・フレームワークを解説したレポート 「分断された世界をつなぐ:グローバル都市への道(原題:Bridging a fragmented world: the road to becoming a global city)」を公開しました。

本レポートでは、都市が世界有数のグローバル都市へと進化するために必要な、3つのセクションに分類された8つの重要項目を提示しています。

グローバル・シティ・フレームワーク (c) Kearney

① ビジョンとミッション
全体戦略の方向性を定める明確な目標を設定 

ピラー(柱)
都市をグローバルリーダーへと導く推進力 

② ビジネスと経済

③ 社会と労働力

④ 観光とブランディング

⑤ 環境と持続可能性

 

イネイブラー(成功要因)
他の項目が機能するための基盤 

⑥ インフラとモビリティ

⑦ 研究開発とイノベーション

⑧ ガバナンス、制度、資金調達

存在感と国際競争力を高めているアジア太平洋地域の都市

2024年版のグローバル都市指標(Global Cities Index)では、東京、シンガポール、北京、上海、香港の5都市がトップ10入りしました。当社のグローバル・シティ・フレームワークの8つの重要項目において、アジア太平洋地域の主要都市における将来を見据えた野心的な取り組みが、下記のとおり本レポート内で紹介されています。

  • ビジネスと経済:東南アジアでは、マレーシア・ジョホール州のタンジュン・ペレパス港(PTP)が2024年5月に月間取扱量が100万TEU(20フィートコンテナ換算)を超え、沿岸開発の好例として挙げられています。また、シンガポールや香港は、ビジネス環境が高く評価されています。

  • 社会と労働力:シンガポールのTech.Passや、日本の国家戦略特区の一環として福岡市が実施する「スタートアップビザ(外国人創業活動促進事業)」制度といった取り組みを通じて、労働力の競争力強化が実現しています。生活習慣病対策も公衆衛生の向上に不可欠であり、シンガポールのHealthy Living Master Planや東京都の健康ステーションのような世界的な成功例が見られます。

  • 観光とブランディング:都市は、レジャー観光の目的地としての魅力を高めることで、アトラクションの質と利便性を高めることができます。例えば、バンコクは営業時間の延長や安全対策の強化などにより、ナイトタイムエコノミーを有効に活用しています。また、タイの政府観光庁が支援するミシュランガイド・タイランドも観光と高級レストランへの投資を促進しています。

  • 環境と持続可能性:環境問題に直面している人口密度の高い都市は、革新的なインフラによって、急速な都市化と豪雨による洪水や土砂崩れをうまく軽減した東京から貴重な教訓を得ることができます。

  • インフラとモビリティ:グローバル都市には、増大するテクノロジー需要に対応するための強固なデジタルインフラが必要です。好例としてマレーシアが2021年に全国単一卸売ネットワークを構築するために設立したDigital Nasional Berhadを挙げることができます。

  • 研究開発とイノベーション:日本は、科学技術振興機構(JST)などの機関を通じて、組織的な研究開発資金に対する体系的かつ効果的なアプローチを特徴としています。一方、タイは、最大13年間の税制優遇措置や減価償却の加速化など、民間セクター向けの強力なインセンティブを提供しています。

  • ガバナンス、制度、資金調達:資金調達ニーズを満たすために国家予算の枠を超え、テーマ別の優先
    事項に沿った専門部署を設置することで、主要分野における進展を加速させることができます。例えば、東京、シンガポール、ロンドンの気候変動適応計画は、持続可能性に関する取り組みを推進する上で重要な役割を果たします。

アジアパシフィック代表兼日本代表 関灘茂のコメント:
「アジア太平洋地域の都市は多様化が進み、国際競争力の強化・影響力の拡大が進んでいます。都市が投資を呼び込み、生活の質を向上させるレジリエントな都市環境を形成するためには、長期的な視点に基づいた戦略的な意思決定が不可欠です。当社は、それぞれの都市が志を持って行動に移せるよう支援するグローバル・シティ・フレームワークを提示しています。このフレームワークを踏まえつつ、資源を効率的に配分し、最も差し迫ったニーズに対応しながらも、都市が長期的な発展と競争力の向上を実現できるように尽力して参ります。」

本レポートの共著者、ジャカルタオフィスのパートナーShirley Santoso(シャーリー・サントソ)のコメント:
「当社のグローバル・シティ・フレームワークは、都市が世界的に繁栄するための卓越した都市づくりの重要な要素を概説しています。しかしその成功には「資金」、「人材」、「官民連携」の3つの要素が不可欠です。都市は、多様な資金源から持続可能な資金源を確保することに重点を置くことで、資金調達を優先する必要があります。都市の強みは、優秀な人材の確保にもかかっており、リーダーは優秀な人材を惹きつけ、将来に備えた人的資本の育成に着目する必要があります。そして、真の成功は、官民両セクターのステークホルダーとの連携にもかかっています。これらの要素に加え、大胆なビジョンと明確な価値提案を重視することで、都市は自らのグローバルな軌道を描く力を発揮できると確信しています。」

本レポート 「分断された世界をつなぐ:グローバル都市への道(原題:Bridging a fragmented world: the road to becoming a global city)」 全文【英語】はこちらから: http://bit.ly/44upwF0

参照:「A.T. カーニー 2024年グローバル都市調査」 2024年10月22日配信 日本語版プレスリリース http://bit.ly/4ni8lOf

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会社概要

A.T. カーニー株式会社

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URL
https://www.jp.kearney.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー23階
電話番号
03-6890-5001
代表者名
関灘 茂
上場
未上場
資本金
-
設立
1926年09月