初の美術館個展で2.6万人を超える来場者数を記録し、大好評のうちに5/10に閉幕した十和田市現代美術館での「国松希根太 連鎖する息吹」展公式図録兼書籍の一般流通販売を、求龍堂が開始しました!
北海道、北東北の自然がもたらしてくれた、アートと時間の奇跡。旅するような、深呼吸するような一冊です。時空を超えて連鎖する息吹に包まれる豊かな読後感、ぜひご体験ください!

本書は図録部分を含みながら、全体を5つの章で構成し、国松希根太の作品の軌跡、制作の場・北海道白老での自然との関わりと飛生アートコミュニティーの仲間たちとの活動、芸術一家・国松三代の系譜、国松による北東北でのルーツを辿る旅などが、平面や立体など異なる技法・表現による作品や北海道と北東北の自然風景からなる美しい写真群、豪華執筆陣による充実のエッセイとともに展開していきます。

・第1章 国松希根太の軌跡
北海道白老のアトリエでつくられてきた作品群に見る、国松希根太の軌跡。何度となく訪れてきたアヨロの海岸に立つ岩を題材とした《TIMESCAPE》から始まる平面作品は、板に盛った絵具を削り取ることで、霧のような神秘的な表情と色彩を浮かび上がらせていく。次に、複雑に削り取られ、白く塗られた木肌が氷山のような立体作品《GLACIER MOUNTAIN》が現れ、一方で、焼を入れることで墨の黒を纏うもの、無垢の木肌のままなど異なる表情の作品が続く。そして、虫食い穴という意味と、2つの時空を繋ぐ概念の両方を表す「WORMHOLE」という、大型彫刻に発展するシリーズと、円形の板上に乗せた雪と絵具が溶け合うことで生まれる《COSMOS》という美しい作品が紹介され、国松の創作世界の多様さを見ることができる。
また、1章では、国松にとって制作と同時に大切な活動の一つであるAyoro Laboratoryのフィールドワークも紹介する。これはアヨロと呼ばれる地域を友人の立石信一と歩く活動であり、その記録として彼らが作った『アヨロ通信 vol.1』から、国松、立石の文章を再録した。


・第2章 飛生アートコミュニティー
国松の制作の拠点である白老町の飛生(とびう)にある、廃校となった飛生小学校の校舎と教員住宅を借りて始まった飛生アートコミュニティーは、2026年4月で設立40周年を迎えた。国松の父、明日香ら数名の共同アトリエとして始まったこのコミュニティーへ、2002年より国松も加わり、その活動は第2世代へと移行している。定期的に飛生芸術祭を開催し、森づくりプロジェクトを継続するまでに発展しており、その様子を写真や文章によって紹介する。


・第3章 国松三代の系譜
国松希根太は祖父・登が洋画家、父・明日香が金属を使用した彫刻家という三代にわたる北海道の芸術家として知られている。異なる表現方法をとりながらも、共に北の自然や風土に寄り添う表現を追求してきた。3章では祖父の登、父の明日香それぞれの作品を紹介し、さらに秋田のこけし職人であった国松美登里の足跡も綴る。そして吉崎元章(本郷新記念札幌彫刻美術館館長)の文章によって、北海道で制作を続けることについて、三代の軌跡を辿りながら紹介をする。


・第4章 国松希根太 連鎖する息吹
国松にとって初めての美術館での個展となった、十和田市現代美術館での展覧会「国松希根太 連鎖する息吹」が、2025年12月5日(土)〜2026年5月10日(日)で開催された。展示空間は、巨木の作品が林立する森のような空間「WORMHOLE―時空をつなぐ森―」から始まり、国松が十和田での現地制作のため、十和田湖や奥入瀬渓流を遡った印象から生まれた新作「7 sculpture sketchers」がその先へ導いていく。やがて見る者は十和田湖へ至るように「WORMHOLE―堆積する時間―」へ辿り着く。2つの空間の間には、祖父・登、父・明日香と希根太の作品3点で構成された深いグレーブルーの展示空間が設けられた。カフェ空間では飛生コミュニティーのビジュアル年表や資料を展示。本章では、十和田市現代美術館館長で本展担当キュレーターの四方幸子による、展覧会立案から準備、開幕までのさまざまなドラマ、北海道と北東との繋がりなどを綴る論考を掲載した。
https://towadaartcenter.com/exhibitions/kunimatsu_kineta/


・第5章 未来への息吹
展覧会を機に、初めて青森の木を使って作品作りをした国松は、十和田の自然、歴史、人々の暮らしに触れた。その流れは、曾祖父・美登里の郷里、秋田への旅にも繋がる。本章では、国松自身と、民俗学者の赤坂憲雄、詩人の文月悠光の3名が、それぞれの視点による文章によって、東北と北海道の文化と人々の時間との関わりを描いていく。そして、その先に広がる未来への息吹を感じながら、最後に掲載された美しい雪面の写真によって、本書の5章にわたる物語は閉じられる。


国松希根太(くにまつ・きねた)プロフィール

1977年、北海道生まれ。多摩美術大学美術学部彫刻科を卒業後、2002年より飛生アートコミュニティー(北海道、白老町)を拠点に制作活動を行なう。2014年より隔年で個展を開催。2025年"大阪・関西万博"に木彫作品を出展。同年12月13日~2026年5月10日、十和田市現代美術館にて、個展"国松希根太 連鎖する息吹"を開催。主なグループ展に"* folding cosmos VILLA SAVOYE"(サヴォア邸、ポワシー、フランス)、"大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018"(千手神社、十日町)、"札幌国際芸術祭2024" (未来劇場[東1丁目劇場施設]、札幌)。2025年、"リフレクションズ―いつかの光"(札幌芸術の森美術館)また、「Ayoro Laboratory」(2015-)の活動としてアヨロと呼ばれる地域を中心に土地のフィールドワークを続ける。飛生アートコミュニティーにて結成されたアーティスト・コレクティブ「THE SNOWFLAKES」(2020-)の一員として活動を続ける。
◎求龍堂について
求龍堂は1923年創業、2023年に創業100年を迎えた美術書出版社です。社名の求龍(きゅうりゅう)はフランス語の「CURIEUX」からとったもので、「芸術的あるいは知的好奇心を求める」「常に新しきを求める」ことを意味し、名付け親は画家の梅原龍三郎です。東洋の「龍」に理想を求め、時代という雲間を縦横無尽に飛び交いながら、伝統美からアート絵本まで、常に新たな美の泉を発掘すべく出版の旅を続けています。
【会社概要】
社名:株式会社 求龍堂
本社所在地:東京都千代田区紀尾井町3-23 文藝春秋新館1階
代表取締役:足立欣也
創業:1923年
事業内容: 美術品・生活文化関連図書の出版、美術印刷物の企画製作、美術品売買
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