近視による国内経済損失は年間約4兆円と推計、2050年には最大10.7兆円との試算 ― 国際学術誌に査読論文が掲載

「骨太の方針2026」に「近視予防を推進する」と明記。国策としての近視予防を支える経済的根拠に、査読を経た学術的裏付け

窪田製薬ホールディングス株式会社

当社代表取締役会長、社長兼CEOの窪田良(医学博士)が単著で執筆した論文が、国際学術誌『Journal of Global Health Economics and Policy』に掲載されましたので、お知らせいたします。日本における近視に起因する経済的損失を対象とした査読論文は、我々の知る限り本論文が初めてとなります。本論文はオープンアクセス(CC BY 4.0)で公開されております(DOI: 10.7189/001c.167428)。

 

1.論文の主な結果

  • 日本における近視起因の経済的損失は、年間の中央値で約4.0兆円(264億米ドル)と推計されました(95%信用区間:1.7〜8.3兆円)。決定論的な基本ケースは4.3兆円(285億米ドル)で、国内総生産(GDP)の0.64%に相当します。

  • 損失の約77%は治療費ではなく労働生産性の低下が占めており、中国都市部を対象とした先行研究と同様の構造が確認されました。

  • シナリオ分析では、2050年時点の年間損失は、対策の進展度合いに応じて5.0兆円〜10.7兆円(332億〜711億米ドル)に達すると試算されました。なお2050年の数値は、傾向に基づく例示的な試算であり、予測値ではありません。

  • 推計結果は、矯正下および矯正が不十分な近視が就労者の生産性に及ぼす影響という、単一の未測定パラメータに強く依存しています(スピアマン順位相関 ρ=0.97)。この量を測定した日本国内の研究は存在しません。

2.「骨太の方針2026」における「近視予防」の明記と、国策としての取り組み

2026年7月21日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針2026)」において、第3章3.(2)「公教育の再生、研究活動の活性化」に、「体験活動や読書活動、栄養教諭を中核とした食育や歯科保健教育、近視予防を推進する。」と明記されました。子どもの近視予防が、政府の基本方針という最上流の政策文書に、国が推進すべき施策として位置づけられたことになります。

 

当社代表取締役会長、社長兼CEOの窪田良は、2026年4月6日付の日本経済新聞の報道等を通じて、近視による国内の経済的損失に関する推計を公表するとともに、超党派の国会議員をはじめとする関係各方面に対し、子どもの近視予防を国の政策課題として位置づけるべきであるとの政策提言活動を継続してまいりました。

 

労働力人口の減少に直面する我が国において、子どもの近視対策は、一企業や一学会の課題にとどまらず、国策として取り組むべき課題であると考えております。本論文は、これらの政策提言の基礎となった経済分析について、国際的な査読を経た学術的裏付けを与えるものです。当社は今後も、国策としての近視予防の推進と歩調を合わせ、科学的根拠に基づく情報発信を継続してまいります。

 

3.日本国内における実証研究の必要性

本論文は、近視が就労者の生産性に及ぼす影響に関する日本国内のデータが存在しないことを、推計における最大の不確実性要因として明示しています。そのうえで、職域におけるプレゼンティーイズム(出勤していても生産性が低下している状態)、調節機能、デジタル眼精疲労症状の測定こそが、最も重要な次の一歩であると結論づけています。本論文は、確定的な国民経済計算ではなく、実証研究を促すための探索的なモデリング研究として位置づけられています。

 

窪田良は次のように述べています。「近視は、眼鏡による視力矯正で対応可能なものと捉えられ、これまで経済的な課題として十分に認識されてきませんでした。今回の分析が示したのは、損失の大部分が稀な重症合併症ではなく、幅広い就労者に及ぶ生産性への影響から生じている可能性です。そして、その影響を日本は一度も測定したことがありません。この論文が果たしうる最も有用な役割は、私の置いた仮定を日本のエビデンスに置き換える研究を促すことだと考えています。」

 

4. 透明性と第三者による再現可能性

本論文では、モンテカルロ・シミュレーションのソースコードおよび全パラメータが論文と併せて公開されており、読者は著者に連絡することなく、報告されたすべての数値を再現・検証・反証することが可能です。また、著者が当社の創業者・会長・CEOであること、および論文掲載料を当社が負担したことを利益相反として明示しております。本論文は、特定の製品に関する費用対効果や価格に関する主張を一切含んでおりません。

 

5.掲載論文の概要

項目

内容

論文名

Myopia-attributable  economic burden in Japan: a cost-of-illness modelling study with  probabilistic sensitivity analysis and projection to 2050

著者

窪田 良(医学博士)

掲載誌

Journal of  Global Health Economics and Policy, 2026;6:e2026035

DOI

10.7189/001c.167428

公開形態

オープンアクセス(CC  BY 4.0)

 

6.当社について

窪田製薬ホールディングス株式会社(東証グロース市場:4596)は、眼疾患の治療法および技術の研究開発を行う持株会社です。米国100%子会社であるKubota Vision Inc.(米国ワシントン州シアトル)を通じて、近視管理技術および網膜疾患領域の医薬品開発に取り組んでおります。

 

7.将来見通しに関する記述について

本リリースには、本日時点で入手可能な情報に基づく将来見通しに関する記述が含まれています。本リリースに記載した学術的知見は、国民経済的な疾病負担に関するモデリング研究の結果であり、当社の業績、製品性能または規制上の成果の見通しを示すものではありません。実際の結果は、これらの記述と大きく異なる可能性があります。当社は、法令により求められる場合を除き、これらの記述を更新する義務を負いません。

 

以上

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会社概要

URL
http://www.kubotaholdings.co.jp
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都港区南青山1-15-37
電話番号
03-6550-8928
代表者名
窪田良
上場
東証グロース
資本金
-
設立
2015年12月