障害のある作家の才能を伝える「HERALBONY GALLERY」、第2回原画展「森啓輔展」を開始
〜レコードジャケットをモチーフに描いた油彩画全11作品を一挙に披露〜
株式会社ヘラルボニー(以下、ヘラルボニー)は、障害のある作家の才能を披露するアートギャラリー「HERALBONY GALLERY」(岩手県盛岡市)にて、第2回目となる原画展「森啓輔展」を6月19日より開催します。当展では「希望の園」(三重県松阪市)に所属する森啓輔の全長1.5メートルを超える大型の油彩画や、作品のモチーフとなったレコードジャケットなど全11作品を展示します。なお、当展で掲示する原画作品は、ギャラリーと7月より公開予定のECサイトよりご購入いただけます。
■ギャラリー発足・原画展開催の背景
海外のアートマーケットと比較して、日本ではいまだに障害のある作家が描くアール・ブリュット作品の市場価値が低い現状にあります。ヘラルボニーは「障害のある人が生み出すものの価値は低い」という社会に根強く存在するマイナスイメージを払拭し、「アート」というフィルターを通じて、作家個々人に対してリスペクトが生まれるような空間を生みだしたいという想いから「HERALBONY GALLERY(ヘラルボニーギャラリー)」を4月25日に開設しました。当ギャラリーで売買される原画作品は、販売価格の40%~50%が作家に還元される仕組みになっています。第1回目の「木村全彦展」では、会期間中に300人を超える来場者数を記録し、全11作品の内、4作品の原画が売却されました。ヘラルボニーは、障害のある人が描いた作品の市場価値を高め、障害の有無に関わりなく、才能のあるアーティストが正当に評価される社会の実現を目指します。
■概要
「森啓輔展」
作家:森 啓輔(Keisuke Mori)
会期:2021年6月19日~8月1日
時間:12:00‐19:00
定休日:水・木
会場:岩手県盛岡市開運橋通2‐38@HOMEDLUXビル4階
入館料:無料
主催:株式会社ヘラルボニー
協力:希望の園(三重県松阪市)
■森啓輔展の見どころ
2 回目の原画展となる「森啓輔展」では、全長1.5メールを超える大型のカンヴァスに描かれた油彩画4点を展示。作品のモチーフとなった、作家本人の私物であるレコードジャケットを披露します。会場内のモニターでは、作家の制作風景も視聴いただけます。丁寧に練られた油絵特有の色彩感と、明度差の激しい画面作りが特徴的で、レコードジャケットに写る人物を丹念に描いた迫力ある作品群は、人々がいつの間にか忘れてしまった部分を刺激し、心の奥底を揺さぶります。森にしか描き出すことのできない、強烈かつダイナミックな世界観がギャラリーを彩ります。
■アーティスト・作品紹介
作品名:「誰かが誰かを愛している」
作家が今回最も気に入っているというこの作品は、「描かれている絵が上手」という言葉の通り、絵画的な技巧に優れています。デザイン的な魅力が強く構図も近い「Moon River」とは対照的に、例えば明度の低い部分が単なる「黒さ(暗さ)」ではなく「(右側の光源に対する)陰影」として表現されており、画面全体の質感は均一でありながら立体感を示すことに成功しています。人物の表情や仕草もウィットに富んでおり、見所の多い飽きない作品です。
作家:森 啓輔(もり・けいすけ)
所属:希望の園(三重県松阪市)
1989年生まれ。三重県伊勢市在住。同県松阪市「希望の園」所属。12歳のときアトリエ「HUMAN・ELEMENT」で制作を始動。17歳から油絵を始め、全国の公募展や三重県展では毎年入選を果たす常連作家。これまでに愛知、岐阜、三重で個展を開催。国内だけでなく、ドイツ、フランス、スペイン、中国、ベトナムといった海外のグループ展にも多数参加。現在の明暗際立つ色彩構成は「希望の園」理事長・村林氏の助言から着想をえて確立したもの。趣味はテレビゲームと本を読むこと。
受賞歴
2015年「アート・カールスルーエ2015(ドイツ)」出品
「パリスアートフェア2015(フランス)」出品
2020年「第3回日本財団DIVERSITY IN THE ARTS 2020」入賞
「第1回アートパラ深川 公募展」優秀賞
作家からのコメント
「嬉しい。コロナが落ち着いたら見にいきたいです」
(※6月12日 弊社実施の作家インタビューより)
ヘラルボニーは、今後も日本全国の障害のあるアーティストの才能の発信を進めてまいります。
以上
【株式会社ヘラルボニー概要】
「異彩を、 放て。」をミッションに、 福祉を起点に新たな文化を創ることを目指す福祉実験ユニット。日本全国の障害のある作家とアートライセンス契約を結び、4,000点以上のアートデータを軸に作品をプロダクト化するアートライフブランド「HERALBONY」、建設現場の仮囲いに作品を転用する「全日本仮囲いアートミュージアム」など、福祉領域の拡張を見据えた多様な事業を展開。社名「ヘラルボニー」は、知的障害がある両代表の兄・松⽥翔太が7歳の頃に⾃由帳に記した謎の⾔葉。そのため「ヘラルボニー」には「⼀⾒意味がないと思われるものをの世の中に新しい価値として創出したい」という意味を込めている。
会社名:株式会社ヘラルボニー / HERALBONY Co.,Ltd.
所在地:岩手県盛岡市開運橋通2-38
代表者:代表取締役社長 松田 崇弥、代表取締役副社長 松田 文登
公式サイト:
https://www.heralbony.jp
https://www.heralbony.com
【HERALBONY GALLERY概要】
株式会社ヘラルボニーが岩手県盛岡市にオープンしたアートギャラリー。「どこよりも強烈な異彩を放つ場所」をコンセプトに、アーティスト個人にフォーカスした原画展を企画・開催。日本全国の障害のある作家の才能を発信することで「障害」のイメージの払拭に挑戦する。あえて地方都市でアート空間を構えることで、地域の福祉領域をカルチャー化させる「アートローカルハブ」を目指す。
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