5月9日は呼吸の日 日本交通とアストラゼネカの共同プロジェクトに基づき 日本交通が従業員の更なる健康増進を目標としたCOPD(慢性閉塞性肺疾患)啓発の取り組みを導入
東京最大手のタクシー会社にて5000人以上が参加したプロジェクトにおいて4人に1人がCOPDの可能性があるもしくは診断されたことがあると回答
COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、たばこ煙が主な原因とされる疾患で、主な症状として労作時の息切れ、咳・痰が挙げられ、疾患が進行すると、息切れにより日常生活に支障をきたすなど、一部の方では身体活動性が低下することで要介護・死亡の可能性も高まる疾患です。しかし、症状があってもCOPDの可能性に気づいていない、あるいはCOPDの症状と自覚していないために、診断されず未治療のままにしている人も稀ではありません。日本人男性の死亡順位第9位1であるにもかかわらず、推定有病患者数が約530万人とされる中2、治療を受けているCOPD総患者数は約36.2万人3と報告されており、未受診率・未診断率の高さが課題となっています。
本プロジェクトでは、日本交通グループに所属する従業員のうち、簡易な自己回答式の質問票(COPD-PS)によりCOPDの可能性がある、もしくはCOPDと診断されていると回答された方に対し、COPDの疾患・治療管理について知って頂くためのセミナーの実施や動画コンテンツの配信を行いました。参加者には、セミナー参加・動画視聴前後で今回の取り組みを通じCOPDに対する興味・関心に変化があったかや、医療機関受診への意向に変化があったかなどについて伺いました。
本取り組みは赤羽営業所の従業員から始まり、最終的には5,249名の従業員が参加しました。そのうち4人に1人に当たる1,346名(27.7%)がCOPDの可能性があると考えられる、もしくはCOPDと診断されていると回答されました。
事後アンケート回答者のうち、セミナー参加もしくは動画視聴から約1か月以内に「受診をした」と回答した従業員は7.9%、また、受診した従業員のうち、「COPDと診断された」と回答した従業員は60.4%でした。
この取り組みを受け、日本交通グループ(一部子会社を除く)では2023年度以降も引き続き、年に2回実施される定期健康診断において、新入社員を含むタクシー乗務員に対して質問票による簡易的な判定を行い、COPDのリスク(35歳以上かつCOPD-PS 4点以上)を有する従業員を中心に疾患啓発活動を実施してまいります。
本取り組みについて、日本交通の上席執行役員CWO(Chief Wellness Officer)畠山明秀は次のように述べています。
「日本交通はウェルネス経営宣言のもと“社員が健康でなければ安全は提供できない”として、積極的に従業員の健康増進施策に取り組んでいます。喫煙者が多い業界でありますが、COPDの可能性がある方が多いということを、本取り組みを通して実感したと同時に、自身では疾患に気付きづらいという現状がわかりました。会社として早期受診をサポートすることで社員が健康で長く勤務できる環境づくりを推進していくとともに、それを通じた安全で安心なタクシー運行を目指します。今後も引き続き従業員を対象に疾患啓発活動を実施し、社員の健康を守ることより質の高い移動サービスの提供を行ってまいります。」
アストラゼネカの呼吸器・免疫事業本部 本部長 二神 聖子は次のように述べています。
「COPDは肺の生活習慣病ともいわれますが、他の生活習慣病に比べ認知度が低く、長期の喫煙習慣があり咳・痰・息切れなどの症状があっても医療機関を受診せず診断・治療を受けていない、リスクを抱えたままの方が多いことが課題です。アストラゼネカは薬剤の開発、提供とともに医療従事者への情報提供やCOPDの疾患啓発を行うことで、COPDの認知率向上、早期診断および治療分野で貢献することで健康寿命を延長し、COPDを死因上位から取り除くことができると信じ、今後も患者さん中心の医療に貢献してまいります。」
以上
日本交通について
日本交通は創業95年(1928年創業)、グループ売上高で日本最大のハイヤー・タクシー会社です。約9,000台のハイヤー・タクシー(運行管理請負、業務提携会社を含む)、10,000名以上の乗務員が、東京・大阪を中心とした各地の公共交通を支えています。独自の社内資格・キャリアパス制度などの人材育成を通じて、「拾うではなく、選ばれるタクシー」として、Japan Hospitality を合言葉に顧客満足を追求しています。
ホームページ: http://www.nihon-kotsu.co.jp/
公式facebookページ: https://www.facebook.com/nihonkotsu/
公式twitter: https://twitter.com/nihonkotsu_taxi
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫およびワクチン・免疫療法を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/ をご覧ください。フェイスブック@AstraZeneca.japanとインスタグラム:astrazenecajapanもフォローしてご覧ください。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)について
COPDは、肺の気流閉塞により息切れが起き、体力が消耗する進行性の疾患です4。COPDは世界中で推定3億8,400 万人に影響を与え5、世界の死因第3位です6。肺機能の改善、増悪の減少、また、息切れなどの日常的な症状を管理することが、COPDの重要な治療目標です4。COPDが悪化するだけで、著しい肺機能の低下7、生活の質の大幅な低下8、平均余命の大幅な短縮、死亡リスク増加につながる可能性があります9,10。
References
1. 厚生労働:2021年人口動態統計
2. Fukuchi Y et al: Respirology. 9(4):458-465
3. 厚生労働省:「令和2年(2020)患者調査」
4. GOLD. Global Strategy for the Diagnosis, Management and Prevention of COPD, Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD) 2020. [Online]. Available at: http://goldcopd.org. [Last accessed: June 2020].
5. Adeloye D, Chua S, Lee C, et al. Global Health Epidemiology Reference Group (GHERG). Global and regional estimates of COPD prevalence: Systematic review and meta-analysis. J Glob Health. 2015; 5 (2): 020415.
6. Quaderi SA, Hurst JR. The unmet global burden of COPD. Glob Health Epidemiol Genom. 2018; 3: e4. Published 2018 Apr 6. doi:10.1017/gheg.2018.1
7. Halpin DMG, Decramer M, Celli BR, et al. Effect of a single exacerbation on decline in lung function in COPD. Respiratory Medicine 2017; 128: 85-91.
8. Roche N, Wedzicha JA, Patalano F, et al. COPD exacerbations significantly impact quality of life as measured by SGRQ-C total score: results from the FLAME study. Eur Resp J. 2017; 50 (Suppl 61): OA1487
9. Ho TW, Tsai YJ, Ruan SY, et al. In-Hospital and One-Year Mortality and Their Predictors in Patients Hospitalized for First-Ever Chronic Obstructive Pulmonary Disease Exacerbations: A Nationwide Population-Based Study. PLOS ONE. 2014; 9 (12): e114866.
10. Suissa S, Dell’Aniello S, Ernst P. Long-term natural history of chronic obstructive pulmonary disease: severe exacerbations and mortality. Thorax. 2012; 67 (11): 957-63.
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