「イノベーションによる解決が期待される社会課題リスト2023」公開
社会課題解決の共創に向けて
1. 背景
MRIは、イノベーションによる社会課題解決に取り組む会員制のプラットフォーム未来共創イニシアティブ(Initiative for Co-creating the Future、以下 ICF)を運営しています。
ICFサイト:https://icf.mri.co.jp/
「イノベーションによる解決が期待される社会課題リスト」(以下 社会課題リスト)は、ICF活動の一環として、さまざまな社会課題を分析・整理し、特にイノベーションによる解決が期待される社会課題を6分野(ウェルネス、水・食料、エネルギー・環境、モビリティ、防災・インフラ、教育・人材育成)から抽出し、解説するものです。
2017年の初版発刊以降、変化する社会問題を継続的に捉えるために毎年改訂を行い、このたび内容を刷新・増補した『社会課題リスト2023』(第6版)を公開しました。
(従来の「イノベーションによる解決が期待される社会課題一覧」から名称を変更しました)
2. 概要
ICF が提供する社会課題リストは、6分野ごとにインパクトの大きい社会問題を掲げ、合計31の社会問題について、【社会問題>社会課題>解決の糸口】という3ステップの構造で提示しています。
いま世界で何が起きているのか、何が大事なのか、そして何が本質(根源)なのか、警鐘を鳴らしつつ、解決のヒントも示し、具体的解決に向けたきっかけづくりを目指しています。問題の実態・原因の分析、重要度・優先順位の見極め、解決に向けた課題設定、具体的な解決策に結びつくヒントまでがワンセットになっています。
『社会課題リスト 2023』では、新型コロナウイルス感染症の世界的流行や、ロシアのウクライナ侵攻などの世界情勢を踏まえ、諸問題のアップデートを図りました。例えば、人的資本経営の視点を取り入れ、教育人材育成分野の「学び直しを行う社会人が少ない」という問題を全面改訂したほか、国際的な議論の流れを踏まえて水・食料分野の「豊かな社会に残る不健康な食」には「栄養不良の二重負荷」(低栄養と過栄養の併存)の問題を組み込みました。さらに、サイエンスコミュニケーションの観点から視覚的表現にも力を入れ、冊子デザインを一新しました。
今回の更新ポイントは、以下の3点です。
① 6分野を横断する視点
社会問題は複雑に絡み合っており、複数の分野をまたぎ影響しあう要素はいくつもあります。『社会課題リスト 2023』では、6分野を横断する視点を「スペシャルコラム」として特集しています。今回は以下の4つを採り上げました。
・名著『自由の命運』からイノベーションを考える
・社会課題解決とDX
・水資源は諸刃の剣
・社会実装とパブリックアフェアーズ
② ビジュアル・アブストラクト
【社会問題>社会課題>解決の糸口】という 3 ステップを視覚化するために、ビジュアル・アブストラクトの手法を採り入れました。これはもともと欧米圏で論文要旨を視覚的に表現するために開発された手法で、研究の背景、方法、成果を 3つの枠でグラフィカルに描くものです。ICF では、社会課題リストに掲載している 31 の社会課題をすべてビジュアル・アブストラクトとして視覚化しました。ひと目で課題の構造が理解でき、さらに関心を持った社会課題については本文を読み込めるようになっています。
ビジュアル・アブストラクトの例
③ ICF活動の成果を反映
ICF では、会員とともにさまざまな社会課題に関する議論を継続してきました。特に、未来共創プロジェクト(FCP)では解決を目指す社会課題のテーマを設定し、定期的なワークショップ活動を通じて社会へのインパクト創出に向けた取り組みを行っています。直近では「食生活イノベーション FCP」「気候変動 FCP」「ウェルネス FCP」などを開催し、これらの活動成果の一部を社会課題リストに反映しています。
3. 入手方法
社会課題リストをご希望の方は、以下にアクセスのうえ必要事項をご入力ください。入力内容をご送信後、ICF事務局からダウンロード用ページをご案内します。
お申込みフォーム→ https://incf.smktg.jp/public/application/add/740
4. 今後の予定
ICFでは、12月に『社会課題リスト2023』の英訳版の公開を予定しています。
また、ICF会員向けに、社会課題を討議するワークショップなどを開催し、社会課題解決を進めます。
ICFの活動にご関心をお持ちの方は、以下事務局までご連絡ください。
<表紙>
表紙・裏表紙に掲載しているアートは、ICF会員・株式会社ヘラルボニーの契約アーティストである高田祐さん(自然生クラブ/茨城県)の作品を起用しました(作品名:「迷路」)。ヘラルボニーのアートを起用するのは、2021年度版に続き2度目です。
株式会社ヘラルボニーは、「異彩を、放て。」をミッションに掲げる、福祉実験カンパニーです。国内外の、主に知的障害のある作家と契約を結び、2,000点を超える高解像度アートデータの著作権管理を軸とするライセンスビジネスをはじめ、作品をファッションやインテリアなどのプロダクトに落とし込む、アートライフスタイルブランド「HERALBONY」の運営など、福祉領域の拡張を見据えた多様な事業を展開。これらの社会実装を通じて「障害」のイメージ変容と、福祉を起点とした新たな文化の創造を目指しています。
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本件に関するお問い合わせ先
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「未来共創イニシアティブ」事務局 水田、笠田、玉川
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