スタディポケット、教育現場向け新機能「みまもりプロンプト」を2026年度当初にリリース
先生の「みとり」や指導の観点をAIに宿らせる。担任によるAIの個別最適化が可能に
スタディポケット株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 山地 瞭 / 鶴田 浩之)は、学校向け生成AIサービス「スタディポケット」において、担任教師が生徒一人ひとりのAI対話に個別の配慮や指針を付与できる新機能「みまもりプロンプト」を2026年度よりリリースいたします。

「みまもりプロンプト」は、教師が日々行っている「みとり(見取り)」(子ども一人ひとりの内面や成長を観察し、適切な指導へ生かす営み)をAI技術で支援する、スタディポケット独自の機能です。先生が設定した配慮や指針は、生徒には開示されない形で対話型AIの応答に反映され、教室を離れた学習の場でも先生の見取りに基づいた学びが続きます。
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「ひらがなの分かち書きが必要な生徒に、適切なAIのふるまいを設定したい」
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「母国語が日本語ではない生徒への配慮について、適切なAIのふるまいを設定したい」
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「長文で返してしまいがちなAIの設定を一律にせず、苦手な生徒には異なるふるまいを設定したい」
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「直接的な答えではなく、探究心を育む応答を個別に設定したい」
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「回りくどい応答を好まなくなってきた学年の生徒やクラスに対して、発達段階に応じた適切なAI応答を設定したい」
こうしたニーズに個別に対応することができます。
生成AIの普及により生徒がAIと対話して学ぶ場面が増える中、その対話にはこれまで先生の「みとり」が反映される仕組みがありませんでした。AIが返す応答は、あくまで一般推論に基づいた一律的なものであり、個別指導の観点では、先生が教室で日々感じ取っている配慮が届きづらい、という声があがっていました。「みまもりプロンプト」は、この課題に応えるために生まれました。先生がみとり(観察)し、プロンプト(介入)を書くことで、AIという新たなデジタルツールの活用においても、先生の想いや指導の観点を込めることができます。
■ 「みまもりプロンプト」機能概要
「みまもりプロンプト」は、担任教師が生徒の学習特性・言語背景・配慮事項をもとにプロンプトを作成し、対象生徒のAI対話環境に付与できる機能です。

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設定者 |
担任教師を想定 |
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対象 |
受け持ちクラスの生徒アカウント(個別設定)
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設定内容例 |
「ひらがな分かち書きで返答する」「難しい説明はやさしい日本語を併記する」「短い文章で返す」「穏やかで励ますような口調で接する」「受験先の志望校情報のアドミッションポリシーに基づいたAIの振る舞いを指定する(アドミッションポリシー情報を記載)」など自由記述 |
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変更・削除 |
教師はいつでも更新・削除が可能 |
「みまもりプロンプト」3つの特徴
【1】先生だけが設定できる
みまもりプロンプトの作成・変更・削除は、教師のみが行えます。汎用AIサービスにある個別の応答設定(カスタムインストラクション)のように、利用するユーザー(児童生徒)自身が設定を操作することはできません。教育における「みとり」の主体は常に教師であるという原則を、機能設計に反映しています。
【2】生徒には見えない
設定内容は生徒のインターフェース上には表示されません。AIの応答が自然に配慮された形になるため、生徒は意識することなく最適化された学習体験を受け取ることができます。
【3】一人ひとりの学びに宿る
みまもりプロンプトは生徒アカウントに紐づいて保存され、どのデバイスからアクセスしても一貫して反映されます。教室を離れた自宅学習の場においても、先生の見守りが途切れることなく学びを支え続けます。
■ 「学校現場」の指導・見取りの延長だからこそ実現できるコンセプト
企業向けや一般のAIサービスにおいて、上司が部下のAIプロンプトを編集するような仕組みは、プライバシーや心理的安全性の観点から問題になりえます。しかし、学校教育という空間において、教師が児童生徒一人ひとりに配慮を施すことは、「みとり」という教育活動そのものです。
教師と生徒の間に専門的な信頼関係があり、教師が子どもの成長を支援するという前提が共有されているからこそ成立する機能であり、汎用AIサービスでは実現し得ない、教育特化サービスならではの独自性です。また、チャットの活用状況や履歴を必要に応じて参照できることから、どのように機能しているかを教員が自己検証することが可能です。
■ 開発の背景 ── AWS ML Enablement Workshop から生まれた着想
「みまもりプロンプト」のコンセプトは、2025年12月から2026年1月にかけて当社が参加したAWSのML Enablement Workshopから生まれました。本ワークショップは、Amazon社内で実践されているWorking Backwardsのプロセスを、生成AIを活用しながら体験するプログラムです。
ワークショップのDefine(定義)フェーズで、チームは次の問いに直面しました。
「なぜ、生徒自身が情報を開示しないと、AIがパーソナライズされないのか?」
この問いに対し、参加者の一人が指摘しました。「教育現場では、生徒のことを一番よく知っているのは担任の先生だ。先生が一人ひとりの特性やつまずきやすいポイントを把握している。なぜその知見をAIに渡せないのか?」
これは、「AIのパーソナライズは利用者本人がチャット履歴やメモリを通じて育てるもの」という汎用AIサービスでは当たり前の前提を覆す発想でした。学校という環境には、教師が生徒一人ひとりを深く理解しているという独自の構造があります。Working Backwardsの「常識を疑う問い」が、この暗黙の前提を可視化し、新しい機能コンセプトへと導きました。
Day 1とDay 2の間に実施した教員へのユーザーインタビューでも、「生成AIの応答が難しすぎる」「生徒ごとの配慮をAIに反映したい」といった現場の声が多数寄せられ、本コンセプトの方向性が裏付けられました。
■ 担当者コメント
対話型AIの応答をパーソナライズするには、テンプレートの活用やカスタムインストラクション、メモリ機能といったアプローチが、通常では用いられます。しかし教育現場からは「プロンプトを上手に書ける生徒と、そうでない生徒との間で、AIの利活用に差が生まれ始めている」という声が寄せられていました。AIを使いこなす力が、そのまま学びの格差につながりかねないという課題です。
「みまもりプロンプト」は、ふだんの授業で一人ひとりを見取っている教員が、その延長としてAIへの配慮を書き込むことで、生徒のプロンプト力に依存しない学習体験を下支えする仕組みです。汎用AIにはできない、学校現場だからこそ形にできたアプローチだと考えています。
── CPO 鶴田浩之
AWSのML Enablement Workshopに開発チームで参加し、Working Backwardsの手法を実践したことが、この機能の原点です。普段の開発では技術起点で考えがちですが、ワークショップではまず顧客の行動を丁寧に観察し、当たり前だと思っていた前提を一つずつ問い直していきます。技術的には決して複雑な実装ではありませんが、顧客課題を正しく定義できたからこそ辿り着けたアイデアだと感じています。このワークショップの経験を活かし、今後も教育現場の声に寄り添ったプロダクト開発を続けてまいります。
── CTO 香西俊幸
■ 会社概要
【社名】スタディポケット株式会社
【所在地】〒100-0011 東京都千代田区内幸町2-1-6 日比谷パークフロント19F
【代表者】代表取締役 山地 瞭 / 鶴田 浩之
【設立】2019年7月
【事業内容】生成AIを活用した教育ソフトウェアの開発事業 / 校務DXに関する支援事業 / 教育サービス事業
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