会話するだけで刺繍ミシン用データを作る刺繍専用AIエージェント「Embroid」を独自開発し、実証実験を開始

刺繍の技法23種を学習。チャットで「おしゃれに崩して」「針の密度を上げて」と伝えるだけで、家庭用・業務用ミシンでそのまま縫えるデータを作成

株式会社ウォーカー

株式会社ウォーカー(本社:東京都文京区、代表取締役:伊東雄歩)は、会話を通じて刺繍ミシン用のデータを作成する刺繍専用AIエージェント「Embroid」を独自に開発し、実証実験を開始しました。刺繍職人が経験で身につけてきた縫い方の技巧と、依頼者との会話による調整の進め方をAIに学習させ、PES・DST などの刺繍データを、専用ソフトを使わずにチャットだけで作れるようにしました。実証では、名前のサイン、イラスト、ロゴのクロスステッチ、23種の技法を使い分けた作品まで、実機で縫えるデータを作成しています。

刺繍専用AIエージェント「Embroid」のロゴ
Embroid が自分のロゴを刺繍データにした見本(縫い上がりのシミュレーション、幅90mm)。文字はすべてサテンぬいで、画ごとに向きを変えて針を往復させている
実際にフェルトに縫い上げた仕上がり

オリジナルキャラクターデザインうさぶたのデザインを通して、各種パラメータのチューニングを実施し、最終的にかなり制度の高いワッペン(左下)を作成することまで成功した。ほとんど指示することなくうさ豚の頭と胴体、耳の折り目など、適切な縫い方を組み合わせてデザインすることができている。

細かな調整後最終的に仕上げることができた作品。目立った不備もなく、きれいに仕上がっている。

開発の背景

刺繍ミシンで縫うには、図案を「どこに、どの順で、どの向きに針を落とすか」という刺繍データに変換する必要があります。この作業は専用ソフトの操作と、生地や糸の性質を踏まえた職人的な判断を要し、個人や小規模な事業者が自分のデザインを刺繍にする際の大きな壁になっています。

当社は、この判断の部分をAIエージェントが担い、利用者は「どんな刺繍にしたいか」を言葉で伝えるだけでよい仕組みを目指して開発を進めてきました。

刺繍専用AIエージェント「Embroid」の特長

  • 会話で作る:「もっとおしゃれに崩して」「高さ2cmくらいに」「糸切りなしの一筆書きで」といった言葉の指示から、デザイン案の作成と刺繍データ化までを一貫して行います。

  • 刺繍の技法23種を使い分ける:サテン、タタミ、クロスステッチ、フレンチノット、チェーン、スティップリングなどの技法を、図案の意味に合わせて選びます(雲はふんわりしたスティップリング、茎はより糸のようなステムステッチ、など)。

  • 縫いやすさまで設計する:糸を切る回数、同じ穴に針が集中する箇所、針目の長さを確認したうえでデータを書き出します。

  • 立体感を糸で表現する:糸の向き・密度・針目の長さを変え、1色の糸でもマグカップや果物の丸み、影、光沢を表現します。

  • 主要なミシンに対応:PES(Brother)、JEF(Janome)、EXP(Bernina)、VP3(Husqvarna・Pfaff)、DST(業務用)の5形式で出力します。

実証実験の成果

【実施期間】に行った実証実験では、エージェントとの会話だけで次のデータを作成し、実機での縫製と、その結果をもとにした修正を繰り返しました。

下の画像は、実証実験で実際に縫った作品(左)と、Embroid が作った刺繍データ(右)です。

名前のサイン(左:実物、右:刺繍データ)。「おしゃれに崩して」の指示から図案を起こし、糸切りなしの一筆書きで縫えるデータに(91×50mm)
技法見本「庭」(左:実物、右:刺繍データ)。1枚の中で14種類の縫い方を使い分けた(内訳は画像下の一覧)。太陽は放射ぬい、雲はスティップリング、葉は曲がる列の境目で葉脈を表すタタミなど(100×100mm 枠)
技法見本「ピクニック」(左:実物、右:刺繍データ)。1枚の中で16種類の縫い方を使い分けた(内訳は画像下の一覧)。ギンガムの敷物はクロスステッチ、縁はブランケットステッチ、バスケットはサテンの格子(100×100mm 枠)
立体表現の試し縫い(検証中)(左:実物、右:刺繍データ)。左から「平ら」「曲面」「曲面+影+光」。糸の向きと密度だけで丸みを出す実験をAIに依頼した結果
ワークショップ向けの線画「うさぶた」(左:実物、右:刺繍データ)。GPTに描かせた線画を、線はサテン、目はタタミで可愛く縫えるようにした
ロゴのクロスステッチ(左:実物、右:刺繍データ)。「3D Lab」のロゴを、手刺繍風のクロスステッチで縫えるデータにした
  • サインの一筆書き:名前のサインを、途中で糸を切らずに縫えるデータに。100mm 枠から幅60mm程度まで縮小可能。

  • 技法の使い分け:学習した23種の技法のうち21種を、図案の意味に合わせて使い分けた見本2点(100×100mm)を作成。

  • クロスステッチ:物体ごとに一筆で、表には X の形だけが出る縫い方を実現。

  • 実機の指摘の反映:試し縫いの指摘を会話で伝えて修正。マグの表面の糸切りを49回から1回に、見本1点全体で55回から21回に削減。

  • 密度の調整:「面の隙間が目立つ」との指摘から、全作品の塗りの密度を一括で見直し。

  • 立体表現:実機で縫ったりんごで、糸の密度の差による影と球の丸みを確認。円筒(マグ)と果物(いちご)の曲面は試し縫いで検証中。

試し縫いで見つかった課題(糸切れ、密度不足、意図どおりに見えない表現など)は、その都度会話でエージェントに伝え、データの修正と、エージェントが次回以降に使う知識の更新までを行いました。

今後の展開

  • 刺繍データ作成を体験できるワークショップでの提供を予定しています。

  • 学習する技法と、対応するミシン・生地の種類を拡充します。

  • 11月中を目処にβ版の公開を目指しております

代表取締役 伊東雄歩 コメント

刺繍は、図案を描けても「どう縫うか」を決める段階で手が止まる人が多い分野です。こんな刺繍を縫いたいと思っても、データ作成は外注するケースも多く、編集ソフトも安くありません。今回の実証実験では、AIとの会話で数分でデータを生成し実際にミシンで縫うことができました。短いスパンで試せるところまで進めるので、気になった点を言葉で伝えて直す、というやり取りを何度も繰り返すことができました。糸切りの多さや面の隙間といった職人の勘に近い指摘も、伝えれば次のデータに反映され、エージェントの知識として残ります。作りたいものがある人が、そのまま刺繍にできる。その状態を、ワークショップなどを通じて広げていきます。

会社概要

会社名:株式会社ウォーカー
代表者:代表取締役 伊東雄歩
所在地:〒113-0034 東京都文京区湯島3-14-8 加田湯島ビル 5F
設立:2015年7月
事業内容:Webアプリケーション・システム開発、AIシステム開発・コンサルティング、自社サービス開発・運営(MiraiPage、MirAI-POST ほか)、教育イベント開催・AIスクール「AIフレンズ」運営、DXコンテスト「DigiTech Quest」企画・運営、法人向けAI研修「新人類育成計画」、データ解析、輸入物販
URL:https://www.walker.co.jp/

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株式会社ウォーカー

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業種
情報通信
本社所在地
東京都文京区湯島3-14-8 加田湯島ビル5階
電話番号
03-5829-6487
代表者名
伊東雄歩
上場
未上場
資本金
-
設立
2015年07月