建築の価値と技術を未来へつなぐ。耐震改修優秀建築・貢献者表彰で2件受賞

株式会社久米設計

株式会社久米設計(本社所在地:東京都江東区潮見2-1-22)は、令和7年度 耐震改修優秀建築・貢献者表彰において、設計を担当した「旧本多邸」が耐震改修優秀建築賞、監理を担当した「北海道庁旧本庁舎(通称:赤れんが庁舎)」が日本建築防災協会理事長賞・耐震改修優秀建築賞を受賞したことをお知らせします。

【耐震改修の取り組み】

久米設計創設者の久米権九郎は、1923年の関東大震災の被害を踏まえ、「久米式耐震木骨構造」を提案しました。その意志を受け継ぎ、久米設計では様々な耐震構造を提案し続け、1993年から免震構造の取り組みを開始し、設計実績は2025年12月末時点で167件となりました。

久米設計は2030年までにCO₂排出量を50%削減し、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目指しています。大規模地震への備えが求められる現代において、耐震性能の向上は不可欠であることはもちろん、耐震改修を通した建物の長寿命化は、解体や新築に伴う環境負荷を抑制し、カーボンニュートラルの実現に寄与し、社会をストック型へ移行させるためにも不可欠だと考えています。

耐震改修は、その時代の技術や思想、地域の記憶を内包した社会的資産を永く安全に使い続けるためにも、非常に重要な取り組みです。最近では、今から87年前に「久米式耐震木骨構造」を用いて建てられた「旧本多邸 保存活用プロジェクト」が代表的なプロジェクトです。

【旧本多邸について】

神奈川県逗子市にある旧本多邸は、久米設計創設者の久米権九郎が設計し、1939 年に竣工した木造洋風住宅です。約30年間空き家となっていたところ、久米設計が本多家より継承し、保存活用プロジェクトを始動させました。木骨構造法「久米式耐震木骨構造」を活かしながら、2022年から2024年にかけて保存改修工事を行う中、2022年には国の登録有形文化財に登録されました。

撮影:小野寺宗貴
撮影:小野寺宗貴
壁の一部をガラス張りにし、「久米式耐震木骨構造」を可視化 撮影:小野寺宗貴

保存活用プロジェクトでは、建築的価値や技術を後世に繋ぐことはもちろん、「生きた文化財」として地域社会に貢献することを目的としました。見学会をはじめ、イベントやワークショップの開催を通じて、地域活動の拠点として開かれつつあります。

※撮影:竹花康
※撮影:竹花康

地域の文化祭や市主催のワークショップの様子

旧本多邸 YouTube:https://www.youtube.com/@ZushiHondaHouse

旧本多邸 デザインストーリー:https://www.kumesekkei.co.jp/designstory/zushi_honda_house.html

旧本多邸 Instagram:https://www.instagram.com/zushihondahouse/

 【耐震改修優秀建築・貢献者表彰制度】

https://www.kenchiku-bosai.or.jp/hyousyou/

【旧本多邸】

撮影:小野寺宗貴

【設計者コメント】

旧本多邸が、久米設計の創設者である久米権九郎の作品であることが判明したのは、今からおよそ7年前のことになります。それまで、久米が考案した「久米式耐震木骨構造」による木造作品で、国内に現存するものは、軽井沢万平ホテルアルプス館と日光金谷ホテル別館の2件のみとされていたため、この知らせに私たちは大きな驚きを覚えました。

当時の旧本多邸は、高い木々に覆われ周囲から取り残され、その存在を忘れられたかのようにひっそりと佇んでいました。木々をかき分けて中に足を踏み入れると、およそ30年にわたり空き家であったため、時が止まったかのように、かつての所有者が使用していた品々そのままされているのが印象的でした。

一方で、長年にわたり風雨にさらされ、倒木による雨漏りや床の崩落など建物の損傷は激しく、本当に元の姿に戻せるのだろうかと不安を抱いたことを今でも覚えています。

私たちはまず社内にプロジェクトチームを立ち上げ、この建物をどのように活用していくべきかについて、1年をかけて検討を重ねました。その中で、ただ単なる復元にとどまらず、これからの利用を見据え、社員やクライアントはもとより地域の人々にも開かれた存在とすること、すなわち鑑賞するだけの文化財ではなく、社会に開かれ「生きた文化財」として活用するというコンセプトを掲げました。

文化財として重要な意匠や構造体は可能な限り保存したうえで、これからの使い方に対応できるよう、水回りの充実やバリアフリーへの配慮、さまざまなシーンに活用できるような機能を付加することにしました。また、耐震安全性の確保にあたっては、「久米式耐震木骨構造」を活かした耐震化の手法を考案し、改修設計を行いました。

幸運にも、歴史的な建造物の改修を数多く手掛けてきた施工者と出会うことができ、工事が始まってからは、たくさんの職人の方たちの貴重な技術と知見が結集し、建物は現代に活きかえりました。

完成後は、地域のこどもからお年寄りまでが集い、音楽会や落語の会、こども食堂や結婚式が行われるなど、地域活動の拠点としてその存在が広がりつつあります。この「生きた文化財」としての取り組みが、地域を耕し、建築やまちづくりに関わる私たちの組織文化を育んでいくことを目指しています。

【建築概要】

名称:旧本多邸

所在地:神奈川県逗子市山の根2-4-17

建築主:株式会社久米設計

設計者:株式会社久米設計

施工者:池田建設株式会社

延床面積:357.05㎡

階数:地上2階

構造:木造(在来軸組構法+久米式耐震木骨構造)

竣工:2024年4月

受賞:JIA優秀建築選、耐震改修優秀建築賞

【設計コンセプト】

創設者の精神を継承し、生きた文化財として活用する

旧本多邸は1939年に竣工した木造洋風住宅である。久米設計の創設者の久米権九郎が設計者であること、久米が考案した「久米式耐震木骨構造」が採用されていることが判明し、その文化財的価値の保存と将来的活用を目指し2021年に久米設計が本多家より継承した。保存・改修にあたっては原形・現況の意匠や材料・工法を尊重すること、最大の特徴である久米式耐震木骨構造を活かしながら建物の安全性を確保すること、将来活用に対応できる機能を補うことを軸に工事を行った。増築部分は撤去し、間仕切りの改変はキッチンやトイレの拡充をはじめ水回りに限定することで、外観・平面ともほぼ原形状態を保存している。浸水・漏水や倒木等による損傷や腐食が深刻な状態であったが、傷んだ部位は丁寧に取り換えや補修を施し、健全な部位は極力再利用しながら工事を進め、大工や左官をはじめとする職人たちの熟練した技術により往時の姿を蘇らせた。

【北海道庁旧本庁舎】

撮影:佐々木育弥

【建築概要】

名称: 北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)

所在地:北海道札幌市中央区北3条西6丁目

建築主: 北海道

設計者: 赤れんが庁舎改修事業受注コンソーシアム(竹中工務店・久米設計)

施工者: 赤れんが庁舎改修事業受注コンソーシアム(竹中工務店・岩田地崎建設)

延床面積:5,004.32㎡

階数:地上2階、地下1階

構造:煉瓦造

監理期間:2022年4月~2025年3月

受賞:日本建築防災協会理事長賞/耐震改修優秀建築賞

【会社概要】

株式会社久米設計

「豊かさ」を拓く。私たちは「豊かさ」とは何かを真剣に考える多様な個性の集合体です。地域・人を大切に、未来を見据えた新たな価値を創造していきます。

1932年の創設以来、数多くの都市、建築の設計を手掛けてきました。技術とデザインの融合を追求し、人と社会への貢献を目指す企業です。本社を東京都江東区潮見に構え、社員数約650名(約450名の資格を有する専門家)を擁し、国内外の幅広いプロジェクトに取り組んでおります。持続可能な社会の実現へ、技術とデザインで貢献してまいります。

URL:https://www.kumesekkei.co.jp/

所在地:東京都江東区潮見2-1-22

取締役社長 井上宏

【久米設計Instagram】

https://www.instagram.com/kumesekkei/

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会社概要

株式会社久米設計

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URL
https://www.kumesekkei.co.jp/
業種
建設業
本社所在地
東京都江東区潮見 2-1-22
電話番号
03-5632-7811
代表者名
井上宏
上場
未上場
資本金
9000万円
設立
1932年10月