日機装技術研究所（東村山）に新研究棟を建設

～各事業の技術センターをつなぎ技術の交流、育成、発信を強化～

日機装株式会社

2024年8月14日 15時10分

日機装株式会社(以下、「当社」)は、当社の研究開発拠点である日機装技術研究所（東京都東村山市）内に、新研究棟を建設することを決定しましたのでお知らせします。総工費は約124億円で、2027年５月に竣工予定です。

新研究棟では、CAE※を活用しながら、水素、アンモニアなどの次世代エネルギーに対応するポンプや、生産自動化、コンポジット（複合材料）等に関する研究開発を行います。大型のポンプやコンポジットの実験や試作が可能な大型実験試作エリアや高度な機器を備えた評価試験エリア、お客様の研究開発段階からの共創により製品開発を行うためのエリアを執務エリアに隣接して設置し、アイデアをすぐに形にする試作、検証が可能な環境を構築します。また、先に稼働中のメディカル技術センターと新研究棟を連結し、技術者が互いの知識を共有する場を設けるなど、技術者同士の交流を支援する環境を整備し、事業部間のコラボレーションを推進します。さらに、当社が持つ技術を発信し、他企業や大学等の研究機関との連携を加速させる場を設け、人材の育成やイノベーティブな製品の創出、新しいビジネスモデルの創造に取り組んでまいります。

※CAE（Computer Aided Engineering）とは、トライ＆エラーを繰り返していた従来の実験プロセスを、コンピュータ上でのシミュレーションに置き換える技術のこと。

■新研究棟で取り組む主な分野

・研究所全体の取り組み

　-知的財産戦略の強化、知的財産のグローバル活用推進

　-CAE技術活用による研究開発、設計効率化と製品開発期間短縮

　-技術開発・設計業務のDX化の推進とAI技術の利活用の推進

・流体技術

　-水素、アンモニアに対応するポンプの材料、機構、流体制御、高速化、大型化等の要素技術

　-IoTやAIを活用したポンプ稼働時のモニタリング技術

　-CE&IGグループとの共同研究、技術導入、知的財産のグローバル連携

・生産自動化技術

　-電子部品の生産自動化技術

　-生産自動化技術の社内生産展開

・コンポジット（複合材料）技術

　-部品製造におけるサイクルタイムの短縮につながる速硬化、熱可塑樹脂を用いた技術

　-CFRPにさらなる価値を付与した機能性コンポジットに関する技術

　-CFRP製航空機部品の環境負荷低減に関する技術

■新研究棟建設の背景

当社は、事業基盤の最適化・効率化と各機能の強化を目的として国内拠点の再編に取り組む中で、インダストリアル工場を宮崎へ移転し、工場跡地の一部にメディカル技術センターを建設するなど、全事業の研究開発機能を東村山に集約、拠点機能を生産から研究開発へと変更しました。2023年１月には日機装技術研究所を設立し、事業の垣根を越えた研究・技術開発を行う仕組みづくりをスタートさせています。

しかしながら、もともと生産拠点であった建屋を一部そのままにして研究開発拠点として利用しているため、業務機能と建屋のミスマッチが起きていることに加えて、竣工から50年以上経過した建屋は老朽化し、維持改良費も増加していることから、研究開発に適した環境に整備し、持続可能な研究開発体制を構築するとともに技術のイノベーション創出を図ることを目的として新研究棟を建設することを決定しました。新研究棟を建設するにあたっては、環境に配慮して既存建築の解体を少なくし、一部を改築して新研究棟として使い続ける工夫をしています。

【新研究棟の概要】