2人に1人が法人カード利用で経理業務の負担減、ECサイト・クラウドサービスなど定期的な利用先が多様に~インフキュリオン、「法人カード利用実態調査」結果を公開~
※1 調査結果のパーセンテージは、小数点以下第二位を四捨五入した数値です。合計が100%にならない場合があります。
※2 法人カードは、法人や個人事業主に対して発行されるクレジットカードです。コーポレートカード、ビジネスカードと呼ばれることもあります。
調査の背景
昨今、企業の経理業務は、インボイス制度や改正電子帳簿保存法の義務化など法改正や政府方針が発表され、業務プロセスの改善や効率化が喫緊の課題となっています。そこで、業務効率化を実現する手法の一つとして、年々利用数が増加しているのが「法人カード」です。本調査は、法人カード利用が企業でどのように利用されているか、また経理業務に与える影響について明らかにする目的で実施しました。
調査の要旨
本調査では、「法人カード利用が経理業務の負担を減らす」とした経理担当者は約2人に1人という結果になりました。さらに、法人カード利用の利点としては、特に「利用履歴の一元化」や「銀行振込に係る作業」といった支払い業務の改善に関して利点を感じていることが明らかになりました。
加えて、法人カードの利用先は、従来まで利用が多いとされてきた飲食店や交通機関以外にもECサイトやクラウドサービスなど、多様化していることが分かりました。また、法人カード利用は、従業員数が多い大企業で導入が進んでいる傾向が明らかになりました。
支払いを法人カードで行う利点、1位「利用履歴の一元化」、2位「銀行振込の時間削減」
取引先への支払いを法人カードで行える場合に感じるメリットを尋ねる質問では、1位「利用履歴を一元で管理できる(32.5%)」、2位「銀行振込にかかる時間が削減できる(31.7%)」、3位「銀行振込の際の振り込みミスを削減できる(24.9%)」という結果になりました(図1)。
法人カード利用により経理担当者は、誰が・いつ・どこで支払いを行ったかを、単一画面で確認できるようになります。支出の内訳や金額が自動で記録されるので、すべての支払いを法人カードで行えた場合には、「従業員による支払い申請」や「経理担当者による請求書や領収書の内訳登録」といった経理に関わる作業を省力化することができます。また、法人カードの支払いは自動で利用金額が銀行口座から引き落されることが一般的なため、法人カード利用は、請求書の掛け払いや経費支払いのための銀行振込作業を軽減することに繋がります。
図1:取引先への支払いを法人カードで行えた場合に感じる利点
質問:取引先への支払い作業を法人クレジットカードで行える場合、メリットに感じることをお選びください。
従業員規模が大きい企業ほど、従業員が法人カードを利用している割合が増加傾向
法人カードの利用状況を尋ねる質問では、役員利用は従業員規模に関わらず半数以上という結果に対して、従業員利用は従業員数が多い企業ほど増加する傾向があることが分かりました。特に5,000人以上の企業では法人カードの従業員利用は6割を超えています(図2)。
企業規模が大きくなるほど導入が進むといった傾向は、政府が発表ししているDX(デジタルトランスフォーメーション)の取組状況の結果と同様です。この共通点から、企業における法人カード利用は業務プロセス変革を行うDXの一環として導入されていることが示唆されます。多くの企業で主流となっている請求書による掛け払いや経費立て替え払いを法人カード払いに替えることは、支払い管理、経費精算などの経理業務の改善効果が期待できます。今後、大企業で導入が進む法人カード利用の成果が可視化されるにつれ、中小企業にも法人カード利用の潮流は広がっていくことが想定されます。
図2:従業員規模別の法人カード利用状況
質問:お勤めの企業では、法人クレジットカードを利用する役員・従業員はいますか。(一時利用も含む)
法人カードの定期的な利用先が多様に。約5割がECサイト、約4割がクラウドサービスを選択
法人カードの利用先を尋ねる質問では、従来まで法人カードの利用が多いとされていた飲食店や出張関連以外に、ECサイトの物品購入、クラウドサービス(SaaS)利用など、管理部門が利用するとされてきた用途でも一定割合で利用されていることが分かりました。本調査の結果では、約5割(49.0%)がECサイトでの物品購入、約4割(35.6%)がクラウドサービスで定期的に利用している結果になりました(図3)。
ECサイトやクラウドサービスは、一般的には管理部門で購買を行う取引先であり、法人カードが部門・職種を問わず利用され始めていることを示唆しています。加えて、従来まで法人間取引の支払い手段で主となっていた請求書の掛け払いが、一定程度法人カード払いに代替され始めている状況が表れています。
図3:法人カードの利用先
質問:役員・従業員の方は、以下の場所や業種に対して、法人クレジットカードを利用しますか。
(本調査対象者の内、所属企業の従業員が法人カードを利用しており、回答者自身が部長職以上の人、102人を対象とした質問)
約2人に1人が法人カード利用で経理業務負担が減少
法人カード利用による業務負担の増減について尋ねる質問では、法人カードにより約2人に1人(45.2%)が経理業務の負担が減ったと回答し、負担が増えているとした回答はわずか8.7%でした(図4)。
このように、法人カード利用にメリットを感じている経理担当者が多い結果から、企業の法人カード利用は、今後も拡大することが予想できます。
図4:法人カード利用による経理業務負担の増減
質問:法人クレジットカードを従業員に持たせることで、経理業務の負担についてあてはまるものをお選びください。
(本調査対象者の内、所属企業の従業員が法人カードを利用しており、回答者自身が部長職以上の人、102人を対象とした質問)
<調査概要>
調査手法:インターネット調査
調査地域:日本国内
調査対象者:法人の経理・会計・財務業務担当者
対象人数:4,892人
詳細調査対象者:本調査対象者の内、所属企業の従業員が法人カードを利用しており、回答者自身が部長職以上の人を102人抽出
調査期間:2024年3月22日~3月25日
調査主体:株式会社インフキュリオン
【インフキュリオンについて】
「非金融事業者が既存のサービスに金融サービスを組み込む」ことで顧客体験を向上させる「Embedded Finance(エンベデッド・ファイナンス)(※)」がフィンテックの新たな形として注目を集めています。インフキュリオンは、スマホ決済プラットフォーム「Wallet Station(ウォレットステーション)」、プリペイドチャージ連携サービス「CharG(チャージー)」、国際ブランドカード発行プラットフォーム「Xard(エクサード)」、請求書支払いプラットフォーム「Winvoice(ウィンボイス)」などの多彩な金融サービスを機能単位で提供するプラットフォームを通じて、法人向け・個人向けといった対象や産業を問わず、あらゆるサービスにフィンテックを組み込み、社会に新しい価値を生み出していくことを目指しています。
※ 日本語では「組込型金融」や「埋込型金融」と呼ばれることもあります。
<インフキュリオン会社概要>
会社名:株式会社インフキュリオン
代表者:代表取締役社長 丸山 弘毅
設立:2006 年 5 月 1 日
本社:東京都千代田区麹町5‒7‒2 MFPR麹町ビル7F
加盟団体:
一般社団法人Fintech協会
一般社団法人キャッシュレス推進協議会
一般社団法人日本資金決済業協会
※本リリースは2024年5月20日現在の情報をもとに作成されたものです。今後、内容の全部もしくは一部に変更が生じる可能性があります。
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