日本政府とUNICEF、サモアの子どもと若者を薬物から守る取り組みを支援

2026年4月24日 アピア(サモア)発
日本政府、サモア政府、および国連児童基金(UNICEF)は、サモアにおける子どもと10代の若者の薬物乱用に対する予防と対応を強化するための新たなパートナーシップを発表しました。この取り組みは、違法薬物が若者の健康と安全、全体的なウェルビーイングに及ぼす有害な影響への懸念が高まる中で実施されます。
サモアのムリポラ・アナロサ・アレ・モリオオ副首相は、次のように述べました。「子どもたちや10代の若者は、サモアの未来を築いていく礎です。彼らが保護と支援を受け、正しい知識と価値観を身につけることで、自分自身だけでなく、家族や地域コミュニティ、そして国全体にとって有益となる、前向きな選択ができるようになります。しかしながら、特に若者の間での薬物使用が、彼らの健康、教育、安全、社会の安定にますます大きなリスクをもたらしていることは、誰もが認識しています。」
日本政府からの90万米ドル相当の資金協力を受け、4年間にわたって行われる本事業では、薬物使用に伴うリスクについて子どもと家族への啓発活動を強化します。カウンセリングや回復支援を改善し、病院、警察署、裁判所、学校といった主要なサービスが子どもにとってより安全なものになるように支援します。また、地域コミュニティは、非難やスティグマを伴うことなく若者を支援する上で重要な役割を担います。
「日本政府は、第10回太平洋・島サミット(PALM10)で再確認された『人を中心に据えた開発』のアプローチに基づき、サモアの子どもや若者が安全で健康に、薬物の害から守られて成長できる社会を築くことを重視しています。」と、鈴木亮太郎 駐サモア日本国特命全権大使は述べました。「この取り組みはまた、子どもや10代の若者、家族、コミュニティのウェルビーイングとレジリエンス(回復力)を支援し、『ヘルシー・アイランド・ビジョン』構想の実現に向けて協力するという日本のコミットメントを反映しています。日本は本事業を通じて、関係機関とコミュニティが連携し、薬物使用の予防、早期支援、回復に向けて円滑にサポートする協力体制の強化を目指します。」
サモアでは、若者の間で薬物使用とそれに伴うメンタルヘルスの問題が深刻化しています。国連薬物犯罪事務所(UNODC)の調査によると、10代の若者の15パーセント、15歳から24歳の12パーセントが薬物を試した経験があるとされています。さらに、最前線で支援を行う団体によると、薬物関連の事案で法に抵触する10代の若者が増加しており、中には薬物によって引き起こされるメンタルヘルスの問題を抱える若者もいると報告されています。
サモアのコミュニティと支援サービス提供者は、特にリスクを抱える若者に対する予防、早期支援、回復サービスの不足を繰り返し指摘してきました。
UNICEF 太平洋島嶼国事務所代表のヘイミッシュ・ヤングは、次のように述べました。「サモアでは、あまりにも多くの子どもや10代の若者が薬物およびそれに伴うメンタルヘルスの問題に苦しんでいます。日本政府とサモア政府の今回のパートナーシップは、極めて重要な時期に実現しました。家族、コミュニティ、支援サービス提供者が連携して取り組むことにより、若者は早期に支援を受け、学校や家族とのつながりを維持しながら、薬物の害から守られたかたちで未来を築ける可能性が高まります。」
本事業を通じて、保護者や村のリーダーは、子どもや10代の若者が薬物の影響から回復し、周りに受け入れられていると感じ、スティグマを伴うことなくコミュニティに復帰できるような、安全で思いやりのある家庭を築くための実践的なスキルを身につけることができます。一方、若者たちは、より健全な選択ができるよう、助言やメンタリングを受け、スキル、自信、そしてレジリエンス(回復力)を育む機会を得られます。
本事業ではまた、医師やカウンセラー、警察官、ソーシャルワーカーが、若者の早期兆候に気付き、思いやり持って子どもに配慮した対応を行うことで、より早い段階で若者を支援できるよう促します。将来の政策や支援サービスが確かなエビデンスに基づいて策定されるよう、子どもと10代の若者の薬物使用に関するベースライン調査も実施される予定です。
さらに、若者が必要な時に助けを求められるよう、安全で、子どもと若者にやさしい空間が整備されます。これには、メンタルヘルス病棟内のデイケア室や、関係省庁内の子どもに配慮した面談・カウンセリング室などが含まれ、若者が恐れや恥を感じることなく安心して話せる場所が提供されます。
これらの取り組みにより、1万2,300人の子どもと10代の若者が直接支援を受ける見込みです。加えて、サモアにおいて最も喫緊の社会課題の一つである薬物問題に関する全国的なアウトリーチ活動やメディアキャンペーンを通じて、5万人が恩恵を受ける予定です。
本事業は、サモア政府との緊密な連携のもと、法務・裁判行政省が調整を主導して実施されます。あわせて、女性・共同体・社会開発省、保健省、警察・刑務所省、教育文化省、スポーツ・レクリエーション省からも支援が提供されます。さらに、宗教団体や市民社会組織、村の代表者、コミュニティのリーダー、そして子どもや若者も密接に関与しながら、事業が進められます。
■ UNICEFについて
国連児童基金(UNICEF)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190以上の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。
※UNICEF国内委員会が活動する32の国と地域を含みます
※UNICEFの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ UNICEF東京事務所
UNICEF東京事務所は、ニューヨーク本部直轄の国連機関事務所として、日本政府からの政府開発援助(ODA)による資金協力や、国会議員、国際協力機構(JICA)、非政府組織(NGO)等との連携を促進しています。
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