アクセンチュア最新調査――ほぼ全ての大手銀行が、オープンバンキングへの大規模な投資を計画

銀行幹部の半数が、競争激化の中、顧客サービス向上には、第三者企業とのデータ共有が必要と回答

アクセンチュア株式会社

【ニューヨーク、ロンドン、香港発:2017年10月16日】
アクセンチュア(NYSE:ACN)がグローバルで実施した調査によると、大手銀行の経営幹部100名のうち99名が、2020年までにオープンバンキングへの大規模な投資を開始予定であると回答しました。

オープンバンキングとは、顧客の同意のもと、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)の連携などを通じて、銀行が保有する顧客データにノンバンクの第三者企業がアクセスできる仕組みです。顧客は、第三者企業がそのデータを活用して提供するより便利なサービスを利用できるようになります。一方、銀行はオープンバンキングのプラットフォームを活用し、プラグアンドプレイ(plug-and-play)の金融商品を、小売やフィンテック企業といった第三者企業に提供することで、新規顧客の開拓が可能になります。オープンバンキングは、いわばデジタル時代の新しいビジネスモデルです。
本調査では、北米の銀行の63%は、フィンテック企業やテクノロジー大手など新規参入企業と対峙する上で、オープンバンキングの導入は必要不可欠であり、顧客との関係性の維持にも役立つと考えていることが明らかになりました。なお、ヨーロッパとアジア・パシフィック地域における、同回答の比率は、それぞれ51%と40%でした。実際、調査対象となった経営幹部の52%は、デジタル変革への投資を進める他行との競争おいて、オープンバンキングを導入せざるを得ないと回答しています。
 

アクセンチュアのシニア マネジング・ディレクターで銀行グループの責任者であるアラン・マッキンタイヤー(Alan McIntyre)は次のように述べています。「改正決済サービス指令(PSD2)の法制度化が義務付けられているヨーロッパと違い、北米やアジア・パシフィック地域の銀行は、オープンバンキングの導入について、方法や時期などを自身で設定できます。今後は、多くの銀行が顧客に対して、統合型の金融サービスをより簡単に提供できる手段として、オープンバンキングを導入するでしょう。ヨーロッパの銀行が法制度への対応を進める中、世界各国の銀行は、オープンバンキングで可能になるさまざまなサービス(顧客の信用調査やID管理など)を第三者企業に提供することで、どのような収益源を開拓することができるのか、見極めようとしています。」

ヨーロッパでは、2018年1月の改正決済サービス指令(PSD2)施行を前に、オープンバンキングの普及が加速しています。顧客にとっては、自身の金融データを銀行や第三者企業と安全に共有することで、送金、金融商品の比較、口座の管理などが銀行を介さずにより簡単に行えるようになります。ヨーロッパではオープンバンキングが規制要件となっている一方で、北米では市場競争によって銀行のオープンバンキング導入への関心が高まりつつあります。

本調査結果によると、66%の経営幹部はオープンバンキングによって、新たな収益源の創出が促進されると考えており、その中の90%の経営幹部は最大10%の収益アップを見込んでいます。

調査対象となった経営幹部の大多数が、オープンバンキングは脅威よりもむしろ機会をもたらすものであり、顧客が自行の商品にアクセスしやすくなるメリットがあると考えています。その一方で、多くの回答者が、オープンバンキングにより行外との接点が増えることで、セキュリティの脆弱性や詐欺の危険性などが高まることを危惧しています。主な調査結果は以下のとおりです。
  • オープンバンキングを脅威よりも機会と捉えている回答者の割合は、ヨーロッパが71%に上るのに対し、アジア・パシフィック地域は63%、北米は60%でした。
  • 71%の回答者が、オープンバンキングによって、顧客一人ひとりのニーズに合った金融商品・サービスや提案を受けやすくなると考えています。すでに一部の銀行では、直接的な関係をもたない顧客に対して、第三者企業の金融商品を販売しています(北米37%、ヨーロッパ29%、アジア・パシフィック地域23%)。
  •  回答者の50%が、オープンバンキングの導入により、銀行業界でさまざまなリスクが高まる懸念を抱いています。ヨーロッパでは、リスクが高まると懸念した回答が63%に及んでいます。

前述のマッキンタイヤーはさらに次のように述べています。「オープンバンキングは、新商品を提供し、新たな収益を生み出すための多大な機会を銀行にもたらす一方で、商品やブランドが他のさまざまな取引の中に埋もれてしまい、競争で後発に甘んじるリスクもはらんでいます。しかしながら、銀行は顧客に信用されているという優位なポジションにあり、顧客とより強固な関係を構築し、顧客が求めているシームレスなデジタル体験を提供できる機会がすでにあります。それを実現させる仕組みが、オープンバンキングなのです。」

調査方法
アクセンチュア・リサーチは、世界の大手銀行(北米、英国、スペイン、イタリア、フランス、ドイツの収益50億ドル超の銀行と、アジア・パシフィック地域およびその他のヨーロッパ諸国における収益30億ドル超の銀行)のオープンバンキングに詳しい経営幹部100名を対象に、オープンバンキングの導入に向けた意欲と計画に関する調査を実施しました。調査は2017年8月8日から28日にかけてオンラインで行いました。

アクセンチュアについて
アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界120カ国以上のお客様にサービスを提供するおよそ42万5,000人の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。
アクセンチュアの詳細は www.accenture.com を、アクセンチュア株式会社の詳細は www.accenture.com/jp

 

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サービス業
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東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR
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代表者名
江川昌史
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