HPE、世界最速のスーパーコンピュータ「Frontier」を米国エネルギー省オークリッジ国立研究所に納入し、世界をエクサスケール時代に導く

HPE

  • エクサスケールの壁を破る 1.1 EFLOPS(エクサフロップス)を達成し、世界の上位7機のスーパーコンピュータの性能の合算値を上回る結果を達成(*1)
  • 新しいスーパーコンピュータの記念すべき性能は、AI(人工知能)、科学研究、イノベーションの加速に向けた新時代の到来を意味し、世界の他の高速なスーパーコンピュータよりも最大10倍速い演算処理、8倍複雑な課題の処理が可能(*3)
  • スーパーコンピュータの消費電力と効率を測定するGreen500リストにおいて、世界で最もエネルギー効率の高いスーパーコンピュータとして1位を獲得

[米国テキサス州ヒューストン – 2022年5月30日]
HPE は本日、HPEが米国エネルギー省オークリッジ国立研究所(ORNL)( https://www.ornl.gov/ )向けに構築した新スーパーコンピュータであるFrontierが、1.1エクサフロップスを達成して世界で初めてエクサスケールの壁を突破し、世界で最もパワフルなスーパーコンピュータのランキングであるTOP500リスト( https://top500.org/ )で世界最速を達成したことを発表します。

Frontierはまた、人工知能に用いられる形式の性能を評価する混合精度コンピューティングというカテゴリにおいて、6.88エクサフロップスの性能で1位を獲得しました。さらに、Green500リスト( https://top500.org/lists/ )において、1ワットあたりの性能が52.23ギガフロップスと、以前1位を獲得したスーパーコンピュータとの比較で32%向上し、世界で最もエネルギー効率の高いスーパーコンピュータとして1位を獲得しました。

Frontierに加え、さらに3つのHPE製システムがTOP500のトップ10にランクインしました。3位にフィンランドのCSC - IT Center for ScienceのスーパーコンピュータLUMI( https://www.lumi-supercomputer.eu/ )、7位に米国エネルギー省の国立エネルギー研究科学計算センター(NERSC)のスーパーコンピュータPerlmutter( https://www.nersc.gov/systems/perlmutter/ )、10位にGENCI-CINESのスーパーコンピュータAdastra( https://www.hpe.com/us/en/newsroom/press-release/2021/11/hewlett-packard-enterprise-builds-new-supercomputer-for-frances-genci-cines-to-advance-nations-open-science-and-rd.html )です。

ORNLのFrontier は、8倍複雑な課題を最大10倍高速に解決
世界で最もパワフルなスーパーコンピュータとして前例のない性能と高度な機能を備えたFrontierは、発見を加速し、ブレークスルーをもたらし、世界の難問解決に貢献します。他の世界最大規模の上位7機のスーパーコンピュータよりも高性能な当スーパーコンピュータは、科学者がエクサスケールレベルでモデリングやシミュレーションを行い、8倍複雑な課題を最大10倍高速に解決することを可能にします(*2)。またFrontierは、理論上のピーク性能 が2エクサフロップスと、さらに高いレベルの速度に達する見込みです。

このスーパーコンピュータは、がんや病気の診断・予後管理、創薬、再生可能エネルギーやより安全で持続可能な製品を生み出す新素材の開発などの重要な分野に大きな貢献を果たします。

HPEのHPC&AI事業のエグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるジャスティン・ホタード(Justin Hotard)は、次のように述べています。
「本日発表したFrontierエクサスケールスーパーコンピュータは、スピードとパフォーマンスの両面で飛躍的な向上を実現し、私たちが知らなかった疑問に答える機会を与えてくれることでしょう。Frontierは、技術者、科学者、研究者が夢みた世界初のシステムです。人類に利益をもたらすオープンサイエンスやAIなど、様々なブレークスルーを実現するための新たな次元の能力を解き放ちます。米国エネルギー省、オークリッジ国立研究所、そしてHPEとAMDによる継続的な官民パートナーシップによって実現した、エクサスケールレベルをも含むスーパーコンピューティングにおける米国のリーダーシップを誇りに思います。」

エクサスケールの性能で科学的発見と工学的ブレークスルーの新時代を切り拓く
Frontierは、HPE Cray EXスーパーコンピュータ( https://www.hpe.com/psnow/doc/a00094635enw )で構築され、コンピュート、アクセラレータ、ソフトウェア、ストレージ、ネットワーキングで構成されたエンドツーエンドの機能を提供し、エクサスケール性能をサポートします。

この新しいエクサスケール スーパーコンピュータは、他の世界最大の上位7機のスーパーコンピュータの性能の合算値を上回る性能で、オープンサイエンスに貢献し、様々な公的機関や民間機関の研究者、科学者、技術者がFrontierを活用することができます。

生物学、物理学、化学の各分野における複雑な科学研究により高精度のモデリングとシミュレーションを実現することに加え、AIにおける劇的なブレークスルーを可能にします。エクサスケールのスピードにより、Frontierのユーザーは、4.5倍の速さで8倍の大きさのAIモデルを開発することができ、予測可能性を高め、発見までの時間を短縮できるより多くのデータをトレーニングすることができるようになります。

オークリッジ国立研究所のコンピューティング&コンピュテーション サイエンス担当アソシエイト ディレクターであるジェフ・ニコルス(Jeff Nichols)氏は、次のように述べています。
「今年後半から本格稼働するFrontier システムの研究者による利用開始は、エネルギー省ならびに産業界のパートナーであるHPEやAMDなど、何百人もの才能ある人材による3年以上にもおよぶ取り組みの集大成となるでしょう。 世界中の科学者やエンジニアが、この驚異的な演算速度を活かして、この時代の最も困難な課題の解決に取り組むことになり、その多くが利用開始後すぐに活動を始めることになるでしょう。」

Frontierスーパーコンピュータの一部 – 液冷テクノロジーおよびHPE Cray EXブレード.
写真出典:Hewlett Packard Enterprise

Frontierの技術概要
HPEは、Frontierを以下の最先端技術で設計・構築しました。スーパーコンピュータHPE Cray EXを通じて実現する飛躍的な高性能により、新たな水準のモデリングやシミュレーション、AIや機械学習の新しいアプリケーションをターゲットにして、精度の向上をより迅速かつ効率的に実現します。
  • 74のHPE Cray EXキャビネット( https://www.hpe.com/psnow/doc/a00094635enw )で構成され、キャビネットの重量はそれぞれ8,000ポンド(約3.6トン)を超えます。各ノードには、最適化された第3世代AMD EPYC™プロセッサー1基とAMD Instinct™ MI250xアクセラレータ4基を搭載し、システム全体でCPU 9,408個、GPU 37,632個を搭載しています。
  • 90マイル(約145km)相当のHPE Slingshot( https://www.hpe.com/jp/ja/compute/hpc/slingshot-interconnect.html )ネットワークケーブルは、次世代HPC&AIソリューション向けに設計された世界唯一のハイパフォーマンスイーサネットファブリックを提供します。より大規模なデータ集約型ワークロードの処理、アプリケーションのスムーズな実行と、パフォーマンスを高めるための高速化と輻輳(ふくそう)制御の要求に対応します。
  • Cray ClusterStor E1000ストレージシステム( https://www.hpe.com/jp/ja/product-catalog/detail/pip.cray-clusterstor-e1000-storage-systems.1012842049.html )は、FrontierのOrionストレージシステムにおいて、700ペタバイトのストレージ容量、35テラバイト/秒以上のピーク書き込み速度、150億回/秒以上のランダムリード入出力オペレーションを実現します。
  • 洗練された液冷機能は、騒音が大きい空冷システムに比べ、データセンターの静音化を促進し、補助冷却ユニット(CDU)によってプロセッサー、GPU、スイッチなどの高出力デバイスの熱を効率的に排熱します。
HPEは、Frontierの他に、米国エネルギー省のアルゴンヌ国立研究所とローレンス・リバモア国立研究所にエクサスケールスーパーコンピュータを収める予定です。

Frontierの詳細:https://www.olcf.ornl.gov/frontier/

HPEのエクサスケール・コンピューティングへの取り組み:https://www.hpe.com/jp/ja/compute/hpc/supercomputing.html

動画:Frontier: Moving the future forward( https://youtu.be/PnXD9un3YHo )

ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)について
Hewlett Packard Enterprise (NYSE: HPE) は、グローバルedge-to-cloudカンパニーとして、あらゆる場所に蓄積される全てのデータの価値を解き放ち、事業の成果を加速させる支援をします。人々の生活そして働き方の向上を目指し、数十年にわたって未来の再考とイノベーションを重ね、HPEは独自でありながら、オープンでインテリジェントなテクノロジーソリューションをアズ・ア・サービスで提供しています。クラウドサービス、コンピュート、HPC & AI、インテリジェントエッジ、ソフトウェア、ストレージを全てのクラウドとエッジにわたって一貫したエクスペリエンスで提供することで、お客様が新たなビジネスモデルを創出し、新たなエンゲージメントを展開し、運用のパフォーマンスを最大化できるようサポートしています。詳細はhttps://www.hpe.com でご確認ください。

注記
*1 1.1エクサフロップスのFrontierは、2022年5月時点のTOP500リストに選出された世界の上位7機のスーパーコンピュータの性能の合算値を上回る性能
*2 Frontierは、 2022年5月時点のTOP500リストのランキングトップのスーパーコンピュータの5~10倍の速さで演算を実行
*3 前回1位のGreen500システムとの比較では、1ワットあたり39.38ギガフロップスの性能を実現

※本リリースは、ヒューレット・パッカード エンタープライズ(本社:米国テキサス州ヒューストン、以下:HPE)が、2022年5月30日(現地時間)に発表した英文リリースに基づいて作成した日本語抄訳です。原文(全文)はこちらをご参照ください。
https://www.hpe.com/us/en/newsroom/press-release/2022/05/hewlett-packard-enterprise-ushers-in-new-era-with-worlds-first-and-fastest-exascale-supercomputer-frontier-for-the-us-department-of-energys-oak-ridge-national-laboratory.html

プレスルーム
https://www.hpe.com/jp/ja/japan/newsroom/press-release.html
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会社概要

URL
https://www.hpe.com/jp/ja
業種
情報通信
本社所在地
東京都江東区大島2丁目2番1号
電話番号
-
代表者名
望月 弘一
上場
未上場
資本金
10億円
設立
1999年07月