2025年版モバイル市場年鑑:モバイル消費者支出額は1,500億ドルとなり、またも過去最高を更新

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Sensor Tower

このSensor Towerの年次レポートでは、AIがモバイル分野をどのように押し上げているのか? 「デジタル疲れ」の中で最大の成長機会をもたらしているセクターはどれか? など、モバイルの最新動向を紹介しています。

モバイル市場はかつてないほど好調であり、回復傾向にあるモバイルゲーム市場が非ゲームの急速な成長に拍車をかけています。Sensor Towerの「2025年版モバイル市場年鑑」レポートによると、モバイルでのマネタイズは加速する一方です。2024年、iOSとGoogle Playを合わせた世界のアプリ内課金(IAP)収益は初めて1,500億ドルに達し(前年比13%増)、2021年以来最高の成長率を記録しました。これには、アプリ内購入、サブスクリプション、有料アプリおよびゲームへの支出が含まれます。

本レポートでは、アプリ開発者による最新の戦略がいかにこの成長を牽引したのか、そして2025年以降も成長の余地があるのはどこなのかについてご紹介します。

モバイル市場の成熟に伴い、アプリ収益が急増

AppleのApp Store開設から15年以上が経過し、モバイル市場は世界中で安定しつつあります。iOSおよびGoogle Playのダウンロード数は1,360億となり、前年比でほぼ横ばいでした。新規スマートフォンユーザーの流入が鈍化したほか、多くの消費者はすでにお気に入りのアプリのほとんどを入手していることから、ダウンロード数は2020年以降、年間1,350億~1,400億程度で推移しています。

一方、スマートフォンを使用する時間は増加し続けています。消費者がアプリを使用する時間はiOSとGoogle Playのアプリを合わせて4兆2,000億時間で、これはモバイルユーザー1人あたり約3.5時間/日に相当します。しかし、一部の国では消費者が「デジタル疲れ」を起こしており、モバイルの使用時間が減速している兆しも見られます。世界全体では、総使用時間の伸びは前年比5.8%増で、2023年の同7.7%増をやや下回り、アメリカ、日本、韓国、中国を含むいくつかの主要市場では実際に使用時間が横ばいでした。

ダウンロード数と使用時間の伸びは多くの既存市場で鈍化していますが、収益成長の可能性はほとんど衰えていません。IAPと有料アプリおよびゲームによる収益は、2024年にiOSとGoogle Playを合わせて1,500億ドルに達し、前年比13%増という驚異的な伸びを見せました。この成長の大部分は前年比23%増の非ゲームが牽引しており、一方のゲームは2年連続の減少を経て同4%増と見事に回復しました。

モバイルにおけるマネタイズの最大の機会はどこにあるのでしょうか? 2024年のIAP収益では、アメリカが世界全体の3分の1以上の520億ドルを記録し、トップを維持しました。前年比16%増という数字は世界全体の平均を上回っており、この市場にまだ成長の余地が十分にあることを示しています。

一方、ヨーロッパは2024年の収益成長率ではアメリカを上回りました。ヨーロッパ全体のIAP収益は前年比24%増となり、世界全体の約2倍増加しました。その要因の1つは、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアなど、この地域のトップ市場で力強い成長が見られたことにあります。

モバイルゲームの回復力の強さ

2024年、モバイルゲームのIAP収益は前年比4%増の810億ドルまで成長し、モバイルゲーム市場の回復力が示されました。その前年までは、主にこの分野におけるインフレと規制強化によって、2年連続で減少が続いていました。2024年にはAMERとEMEAのほとんどの市場で力強い伸びが戻ってきましたが、この伸びは日本、中国、韓国といったAPACの最大市場における減速によって相殺されました。

ダウンロード数は前年比6%減の496億であり、全体としては2019年以降で最低を記録し、モバイルゲーム市場は落ち着いている状況です。とはいえ、ゲーム体験の強化やマネタイズ戦略の向上が追い風となり、消費者がモバイルデバイスを使用する時間は伸びており、購買機会も増えています。

AIはあらゆるモバイルアプリに

AIアプリはすでに10億ドル規模の産業となっており、2024年のAI ChatbotsアプリやAI Art GeneratorsアプリのIAP収益は13億ドルに迫る勢いです。2024年における生成AIアプリのトップ市場は明らかにアメリカであり、世界収益の45%を占めています。収益全体の約4%を占めたイギリスが2位で、以下ドイツ(4%)、日本(3%)、カナダ(3%)と続いています。生成AIのジャンルはブラジルでも大いに人気があり、ブラジルは7位にランクインしています(モバイルIAP収益全体では市場としてトップ10圏外)。

AI技術の利用も、チャットボットアプリや画像生成アプリにとどまらず、はるかに広範囲に及んでいます。過去2年間だけでも、15の異なるカテゴリーで100以上のアプリがアプリ名または説明文にAI関連のキーワードを追加しており、さまざまな分野のアプリに新たにAI機能が組み込まれていることを示しています。これには、生産性、写真&動画、教育などの予想されているカテゴリーの他に、ライフスタイル、金融、音楽、ショッピングなど、モバイル分野におけるさまざまなカテゴリーが含まれます。『Duolingo』や『Strava』といったモバイルリーダーは、ユーザーエクスペリエンスを向上させるべく創造的な新しいAI機能を次々と展開しており、2025年にはさらに多くのアプリに新機能が実装される見込みです。

その他のハイライト:

業界をリードするこのモバイルレポートでは、2025年以降にモバイルで成功するために知っておくべきあらゆる情報を網羅しており、10の業界と20以上の市場を対象に、以下のポイントについて動的かつインタラクティブな形式で解説しています。

  • モバイルとリアルの融合:「デジタル疲れ」が広がる中で、屋外での健康&フィットネス、食料品店、レストランのアプリといった最も成長著しいカテゴリーの多くは、ユーザーを実体験に結び付けています

  • モバイルゲームの回復:ゲームへの支出額は前年比4%増の810億ドルに増加しており、ストラテジー、パズル、アクションが成長を牽引しています

  • 競争は世界中に拡大:グローバル競争の一例が、中国資本のTemuとSHEINが参入した小売分野です

  • 動画のユーザー支出が増加:StreamingおよびSocial Mediaアプリでは、使用時間こそ伸びが減速したか低下したものの、収益は急成長しました

  • 暗号通貨アプリが再び活況:マクロ経済状況の改善とビットコイン価格の上昇もあり、2021年以来見られなかったレベルにまで、暗号通貨アプリの復活に拍車がかかっています

Sensor Towerの「2025年版モバイル市場年鑑」レポートでは、受賞歴のあるデジタルマーケットインサイトプラットフォームが提供する地域別やカテゴリー別の市場動向を詳細に把握することができます。「2025年版モバイル市場年鑑」を今すぐ入手しましょう!

詳細情報は弊社ウェブサイトに記載しています:

https://sensortower.com/ja/blog/state-of-mobile-2025-JP


Sensor Towerの紹介

2013年にサンフランシスコで設立されたSensor Towerは、モバイルアプリ/ゲームのデータや分析環境を提供する企業です。P&G、Tencent、HBOなどのグローバルデジタル企業からも信頼されており、モバイル市場のトレンド把握に役立つApp Performance Insights、広告戦略の最適化に活用いただけるApp Advertising Insightsなど、デジタル分析プラットフォームとしてモバイルのあらゆる場面で質の高いインサイトと先進のカスタマーサポートを提供しています。

Sensor Towerは、Pocket Gamer Mobile Games Awards 2022において、Best Analytics / Data Tool賞を受賞しました。

日本オフィスは2025年より東京・神田に移転、日本でのビジネスを強化しており、パートナー企業様も急増中です。弊社スタッフも増員しながらお客様のサポートもより強化していく所存です。

Sensor Towerカントリーマネージャー(日本)

松尾蔵人

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会社概要

Sensor Tower

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業種
情報通信
本社所在地
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電話番号
-
代表者名
Oliver Yeh
上場
未上場
資本金
5億6000万円
設立
2013年06月