【大阪市立東洋陶磁美術館】特別展「CELADON―東アジアの青磁のきらめき」を開催します。

大阪市立東洋陶磁美術館では2025年4月19日(土)~11月24日(月・振替休日)まで、特別展「CELADON―東アジアの青磁のきらめき」を開催します。

大阪市博物館機構

 中国発祥の「青磁」と呼ばれるやきものは、古来その美しい色合いで多くの人々を魅了し、欧米では「Celadon(セラドン)」という名称で親しまれてきました。青磁は、土やガラス質の釉薬に含まれる鉄分が、酸素の少ない還元状態で焼成されることにより、青緑色に発色しています。その美しい色調は、高価な玉や澄んだ青空などにたとえられました。

 本展では、国宝《飛青磁花生》をはじめとする当館所蔵の青磁を一堂に展示し、中国・韓国・日本という東アジア世界で作られた様々な青磁の美しさとともに、生産地や時代ごとの特徴もあわせて紹介します。

特別展の詳細はこちら▼

https://www.moco.or.jp/exhibition/upcoming/?e=621


開催要項

[名称]  特別展「CELADON―東アジアの青磁のきらめき」

[会期]   2025(令和7)年4月19日(土)~11月24日(月・振替休日)

[会場]   大阪市立東洋陶磁美術館

      〒530-0005 大阪市北区中之島1-1-26(大阪市中央公会堂東側)

      電話:06-6223-0055 FAX:06-6223-0057

[休館日] 月曜日、5/7(水)、7/22(火)、9/16(火)、10/14(火)、11/4(火) 

        ※但し、祝日の5/5(月)、7/21(月)、8/11(月)、9/15(月)、10/13(月)、11/3(月)、

         および4/28(月)、8/12(火)は開館

[開館時間]午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)

[入館料] 一般2,000(1,800)円、高校生・大学生800(700)円

        ※( )内は20名以上の団体料金

        ※中学生以下、障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1名を含む)、

         大阪市内在住の65歳以上の方(要証明) は無料

        ※上記の料金で館内の展示すべてをご覧いただけます。

[主催]  大阪市立東洋陶磁美術館

[共催]    産経新聞社


本展の主な見どころ

1.国宝《飛青磁花生》をはじめ、MOCOコレクションの青磁の名品が勢揃い

本展では、当館が世界に誇る安宅コレクションや李秉昌(イ・ビョンチャン)コレクションを中心に、中国・韓国をはじめとする青磁の名品や逸品を一堂に展示します。その中には、国宝《飛青磁花生》をはじめ、重要文化財《青磁鳳凰耳花生》、《青磁刻花牡丹唐草文瓶》、《青磁象嵌童子宝相華唐草文水注》なども含まれています。大阪市立東洋陶磁美術館(MOCO)が所蔵する世界的な青磁コレクションの魅力を、ぜひご堪能ください。

2.青磁とは?―中国・韓国・日本、青磁の多彩な魅力を知る

青磁の色合いは、時代や生産地によって異なるだけでなく、同じ窯の中でも焼成環境の微妙な変化により、千変万化の表情を見せます。本展では、中国・韓国・日本の青磁を紹介し、それぞれの時代や地域で生み出された作品を通して、青磁の多彩で奥深い魅力を知る絶好の機会となるはずです。

3.大阪・関西万博開催を記念した特別企画「大阪の宝―MOCOの宝20選」を展示

大阪・関西万博の開催を記念し、MOCOコレクションを代表するお宝ベスト20を選定しました。このベスト20の作品は、本展および同時開催の特別展示、コレクション展示において会期中にご覧いただけます。皆さんにとっての「ベスト」と感じる作品はどれかを考えながら、楽しんでいただければ幸いです。


展示構成と主な作品

第1部(展示1)

「青磁至宝(せいじしほう)―中国・韓国の青磁の至宝」

大阪市立東洋陶磁美術館(MOCO)コレクションが誇る国宝《飛青磁花生》をはじめとした中国と韓国の青磁の世界的な至宝10件を紹介する。

国宝

飛青磁花生(とびせいじはないけ)

元・14世紀/龍泉窯

大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション) 

写真:六田知弘

黄金比ともいうべき均整のとれたプロポーション、翠色の美しい釉色、茶褐色の鉄斑の絶妙な配置、完璧な作品である。江戸時代の大坂の豪商・鴻池家に伝来し、「飛青磁」の名で珍重された。

重要文化財

青磁刻花牡丹唐草文瓶(せいじこっかぼたんからくさもんへい)

北宋・11-12世紀/耀州窯

大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション) 

写真:六田知弘

オリーブグリーンの透明感ある釉色と、深く鋭い彫り技が織りなす美。釉薬の濃淡が巧みに生み出され、緻密な文様が立体的に浮かび上がり、牡丹の花が咲く。耀州窯青磁の世界的名品。

(左)重要美術品 

青磁彫刻童女形水滴(せいじちょうこくどうじょがたすいてき) 

高麗・12世紀

大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション) 

(右)青磁彫刻童子形水滴(せいじちょうこくどうじがたすいてき)

高麗・12世紀

大阪市立東洋陶磁美術館

写真:六田知弘

左は愛らしい童女が片膝を立てて坐し、両手で水瓶を抱える。頭飾りの蓮のつぼみを取りはずして水を入れ、水瓶が注ぎ口となる。右の童子は、底部の小さな穴から水を入れ、抱いた鴨の口から水を注ぐ。同じ時代・同じ場所で作られ、大阪で800年ぶりに再会した、高麗翡色の愛すべき水滴。

第2部(展示2~3)

「翡色玲瓏(ひしょくれいろう)Ⅰ・Ⅱ―高麗青磁のきらめき」

「翡色(ヒスイの色)」と呼ばれ、金銀器以上に貴重なものとされた高麗時代の青磁の美しさとその魅力を紹介する。

青磁陽刻菊花文碗(せいじようこくきっかもんわん)

高麗・12世紀

大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)

写真:六田知弘

五弁の花びらを模した優美な形状の碗。内面には、繊細な彫りによって菊花が表されている。ヒスイを思わせる「翡色(ひしょく)」の釉薬は、濃淡が織りなすグラデーションとともに、美しくきらめいている。

青磁瓜形瓶(せいじうりがたへい)

高麗・12世紀前半

大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)

写真:六田知弘

ユリの花のような口のつくり、生命感あふれる瓜のような胴、そしてドレープのある底部などエレガントな造形を見せる、高麗翡色青磁の花瓶。その美しさはモデルとなった中国景徳鎮窯の青白磁に勝るとも劣らない。

第3部(展示7)

「青磁脈脈(せいじみゃくみゃく)―日本の青磁」

日本では古来中国の青磁が尊ばれた。江戸時代に入ると有田で青磁が誕生し、その後各地で作られるようになり、青磁の技術は今も脈々と受け継がれている。日本の江戸時代から近現代にいたる青磁の魅力を紹介する。

青磁染付青海波宝尽文皿(せいじそめつけせいがいはたからづくしもんさら)

江戸・18世紀/鍋島藩窯(伊万里・大川内山窯)

大阪市立美術館(田原コレクション)

鍋島藩窯は、肥前国を治めた大名の鍋島家が、将軍家や大名家向けの献上品・贈答品を制作させるため、自領内の有田における最先端の制作技術を集結させた窯。宝珠や巻物などの宝物を青く発色する染付顔料で精緻に描いており、背景に緑の青磁釉を施すことで、青い文様を引き立てている。

青磁獅子形置物(せいじししがたおきもの)

江戸・18-19世紀

鍋島藩窯(伊万里・大川内山窯)/個人蔵

写真:六田知弘

百獣の王とされる獅子を象った置物は、縁起の良い飾り物として作られたのだろう。獅子は子を深い谷に投げ落とし、登って来た強い子だけを育てるとされているが、背に乗る子を仰ぎ見る親子睦まじい姿が表されている。

第4部(展示10~11)

「青翠如玉(せいじじょぎょく)Ⅰ・Ⅱ―中国歴代の青磁」

越窯、耀州窯、汝窯、南宋官窯、龍泉窯など後漢時代から明時代までの中国歴代の青磁を、当館コレクションから紹介します。

青磁水仙盆(せいじすいせんぼん)

北宋・11世紀末-12世紀初/汝窯

大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)

写真:六田知弘

「水仙盆」は汝窯を代表する器形であり、その用途は謎であるが、精緻で美しいフォルムと「天青」と呼ばれる青味を帯びた釉色が特徴である。日本にある数少ない汝窯青磁を代表する作品。

新収蔵、初公開!

青磁管耳瓶(せいじかんじへい)

南宋・12−13世紀/龍泉窯

大阪市立東洋陶磁美術館(鈴木素子氏寄贈)

写真:六田知弘

龍泉窯は宋・元・明代における青磁の一大産地である。本作は、古代青銅器の形を模した優美な造形に、南宋の龍泉窯青磁特有の「粉青(ふんせい)色」が美しく映えている。


特別展示

<特別展示1> (ロビー1)

国宝 油滴天目茶碗(ゆてきてんもくちゃわん) 

南宋・12-13世紀/建窯

大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)

写真:六田知弘

宋代に流行した喫茶用の黒釉茶碗の最高級品。油滴状の美しい斑文と虹色の光彩が特徴で、日本では「油滴」の名で知られ室町時代以来高く評価されている。豊臣秀次伝来とされる。

<特別展示2> (ロビー2)

青花虎鵲文壺(せいかとらかささぎもんつぼ)

朝鮮・18世紀後半

大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)

写真:六田知弘

満月と山なみを背景に、猫のような虎(もしくは虎のような猫)がゆったりと歩く。裏面の鵲(カササギ)は虎とセットの吉祥文様として好まれた。


関連プログラム

1.記念講演会

「国宝《飛青磁花生》の世界とその魅力」 

小林仁(当館 学芸課長代理)

2025年5月10日(土) 午後2時~3時30分

2.「いまこそ聞きたい」シリーズ講座

 各テーマをわかりやすく解説する初心者向けの講座です。

 いずれも午後2時~3時30分

・2025年5月24日(土) 「青磁ってなに? 中国編」  小林仁(当館 学芸課長代理)

・2025年7月12日(土) 「青磁ってなに? 韓国編」  宮﨑慎一郎(当館 学芸員)

・2025年9月20日(土) 「青磁ってなに? 日本編」  梶山博史(当館 学芸課長代理)

・2025年11月8日(土) 「鼻煙壺(びえんこ)ってなに?」 陳彦如(当館 学芸員)

上記1・2とも参加費 500円(参加には別途入館料が必要です)

会場 大阪市立東洋陶磁美術館 地下講堂

※事前申込制・先着順(定員45名)

※約1カ月前から詳細情報が公開されます。

▼当館ホームページのチケット購入画面からお申し込みください。

https://ticket.moco.or.jp 


同時開催 <コレクション展示>

「清廉尚白-安宅コレクション韓国陶磁」(展示4)

「純真之美-李秉昌コレクション韓国陶磁」(展示5)

「陶魂無比-日本陶磁コレクション」(展示6)

「喜土愛楽-現代陶芸コレクション」(展示8)

「中華瑰宝-安宅コレクション中国陶磁」(展示9)

「百鼻繚乱-沖正一郎コレクション鼻煙壺」(展示12)

「泥土不滅-現代陶芸コレクション」(展示13)


お問い合わせ先

大阪市立東洋陶磁美術館

TEL:06-6223-0055 FAX:06-6223-0057

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会社概要

URL
https://ocm.osaka/
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
大阪府大阪市中央区大手前4丁目1番32号 大阪歴史博物館内4階
電話番号
06-6940-4330
代表者名
真鍋精志
上場
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資本金
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設立
2019年04月