スイスのスキーブランドFACTION、Tmallを活用し、中国での売上450%増
中国におけるスキーブームやプレミアム需要を追い風に、デジタルマーケティング戦略を駆使したことで、FACTIONは中国のウィンタースポーツ市場において最も成長が顕著なスキーブランドの一つになりました。
FACTIONはデジタルサービスを使い慣れた中国の消費者を獲得すべく、Tmallとの協業を決めました。ECによる売上は同社の全売上の15%を占めていますが、中国市場では40%を占めています。FACTIONはTmallにおいて製品の仕様や技術を紹介するだけでなく、動画や写真も多用して、実店舗の体験を再現しています。また、FACTIONはショールームからライブコマースを行い、消費者が最適な製品を見つけられるようにサービスを提供しています。3月には、Tmallの抽選ツールを利用して、フィンランドのフリースタイルスキー選手であるAntti Ollila氏がデザインした限定版シグネチャーモデルのスキー板を2セット限定で販売し、何百人もの消費者が抽選に応募しました。
FACTIONの売上増は中国におけるスキー人気の高まりにも支えられています。「2022年雪山観光国際報告書(2022 International Report on Snow & Mountain Tourism)」によると、中国では毎年1,300万人以上がスキー場を訪れており、2021~2022年冬季において中国のスキー人口は世界第2位となっています。アメリカ生まれの中国代表フリースタイルスキー選手のEileen Gu氏が2022年冬季オリンピックにおいて金メダルを獲得して以来スキー人気はさらに高まっており、Gu氏の金メダル獲得後1週間でFACTION製品の売上は前年比で450%増加し、同期間における同社Tmall旗艦店への訪問者数も1週間前比で945%も増加しました。
中国における旺盛なプレミアム需要も、FACTIONの売上増に寄与しています。FACTIONのCEO兼共同創設者であるAlex Hoye氏は、「多様な選択肢があるなか、勝ち抜くにはプレミアム製品である必要があります。強いプレミアム需要は世界的な現象ですが、特に中国では顕著です」と述べています。FACTIONは昨年11月、スイスの時計ブランドIWCシャフハウゼンと共同制作した限定版フリースタイルスキー板を発表し、2,000人以上がこの限定品に応募しました。さらに、同社はイタリアファッションブランドのプラダと提携し、2022年秋冬新作マウンテンフリースタイルスキーコレクションを販売しました。
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