【調査レポート】インバウンド緩和後はアメリカ人観光客の人気が拡大中
妖怪美術館の取組みが『ニューヨーク・タイムズ』に掲載
これを受けて、観光学を専門とする、せとうち観光専門職短期大学 観光振興学科長 安村克己教授(観光学博士)は「妖怪美術館が発信する妖怪文化は、欧米人観光客を惹き付けるキラーコンテンツとなり得ます。さらに、その妖怪文化は、欧米の観光客ばかりでなく、日本はもちろん世界の観光客を惹き付ける観光資源となりそうです」とコメントしました。
調査の背景
政府は、2022年10月11日から外国人の新規入国制限の見直しに基づき、外国人観光客の入国について、受入責任者による入国者健康確認システム(ERFS)における申請を求めないこととし(受入責任者制度の廃止)、併せて、パッケージツアーに限定する措置を解除(個人旅行の解禁)することとしました(※1)。また、妖怪美術館のある香川県では高松空港が国際便を同年11月に再開、利用率はコロナ前とほぼ同水準に回復(※2)するなど、インバウンド観光の復活が報道されています。妖怪美術館は2018年の開館以降、特に欧米人観光客をターゲットに設定して取り組む中、コロナ以降は来客数が大幅に減少しておりましたが、昨年10月からの入国緩和を機に外国人の来客が回復傾向にあり、その区域別の集計・調査をしてまいりました。
※1 観光庁webサイト
https://www.mlit.go.jp/kankocho/page03_000076.html
※2 NHK NEWSWEB
https://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/20230210/8030015180.html
【調査】2022年10月~2023年3月のインバウンド区域別割合についてアンケート集計と全国統計を比較
妖怪美術館ではインバウンドの大幅緩和のタイミングにあわせて、入館者に対して国籍のアンケートを実施してインバウンドの傾向調査を開始、2023年3月末までの結果を集計いたしました。さらに、日本政府観光局(JNTO)が発表している全国統計(※3)における2022年10月~2023年3月の区域別の割合を独自に集計して比較いたしました。その結果、日本全体では、東アジア(62%)や東南アジア(19%)が中心であるのに対して、妖怪美術館の入館者は東アジア(37%)に次いで、北米(23%)と欧州(17%)の割合が多いという結果となりました。
※3 日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計
https://www.jnto.go.jp/statistics/data/visitors-statistics/
「インバウンドの区域別割合」
市場 | 妖怪美術館 | 日本全体 |
東アジア | 37.3% | 60.7% |
東南アジア | 6.0% | 19.5% |
北米 | 22.9% | 10.3% |
欧州 | 16.9% | 5.1% |
その他アジア・オセアニア | 8.4% | 3.6% |
南米 | 6.0% | 0.2% |
中東 | 2.4% | 0.5% |
『ニューヨーク・タイムズ』紙(4月17日付本紙、Web版)に掲載
上記のように北米人気が比較的高いことを反映するように、3月には米紙『ニューヨーク・タイムズ』の取材を受け、4月17日付の本紙とWeb版の両方に、妖怪美術館の取組みが掲載されました。
『ニューヨーク・タイムズ』のMotoko Rich東京支局長は妖怪文化の“イマ”を伝える妖怪美術館の取組みを取材して「小豆島では、神話的な生き物たちの神聖なる世界が広がっており、その多様性と数は、ますます増え続けている(This infinitely expanding pantheon of mythological creatures is well in evidence on Shodoshima)」と報道しており、小豆島の妖怪美術館で生み出されている妖怪文化への関心の高さを示しています。
「A Japanese Island Where the Wild Things Are」
https://www.nytimes.com/2023/04/16/world/asia/japan-shodoshima-yokai.html
専門家コメント「欧米の観光客ばかりでなく、日本はもちろん世界の観光客を惹き付ける観光資源」
調査結果を踏まえて、せとうち観光専門職短期大学 観光振興学科長 安村克己教授(観光学博士)は、「妖怪美術館が発信する妖怪文化は、欧米人観光客を惹き付けるキラーコンテンツとなり得ます。さらに、その妖怪文化は、欧米の観光客ばかりでなく、日本はもちろん世界の観光客を惹き付ける観光資源となりそうです。」とコメントしています。
[安村教授のコメント 全文]
小豆島の「妖怪美術館」が、インバウンド観光客、なかでもアメリカ人観光客から注目され始めています。さて、妖怪とは何か?日本固有の「妖怪」は、地域の「化け物」であると同時に、何か親しみを感じる「オバケ」でもあります。そんな妖怪について、柳田國男の『妖怪談義』は、日本が文明化の進む中で自己反省をするとき「特に意外なる暗示を供与する資源」だと言います。妖怪美術館には、現代社会の矛盾から現れた妖怪もいます。妖怪は日本文化の深層を古今に映し出す鏡のようです。非西洋圏でいち早く近代化しながら固有の文化をもつ日本の「不思議」、それを妖怪が浮かび上がらせます。妖怪美術館は、「迷路のまち」という、小豆島の歴史と文化に根付いてリニューアルされた町並みに立地しています。しかも、妖怪美術館の妖怪のフィギアはアートです。妖怪美術館が発信する妖怪文化は、欧米人観光客を惹き付けるキラーコンテンツとなり得ます。さらに、その妖怪文化は、欧米の観光客ばかりでなく、日本はもちろん世界の観光客を惹き付ける観光資源となりそうです。
調査・分析データの詳細
・「妖怪美術館来客数インバウンド区域別調査」
調査期間:2022年10月11日~2023年3月31日
調査方法:妖怪美術館の受付にてアンケート調査
対象者:妖怪美術館の来客者
回収サンプル数:83人
・「日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計」
https://www.jnto.go.jp/statistics/data/visitors-statistics/
・時系列推移表
「国籍/月別 訪日外客数(2003年~2023年)(Excel)」
https://www.jnto.go.jp/statistics/data/db07885ea4add8d6883cc5af9f3461aebed6e605.xlsx
上記から2022年10月~2023年3月のデータを抽出して区域別を独自に集計。
調査データはこちら:
https://prtimes.jp/a/?f=d5189-86-387c608be2a5038bf29a4c0272b47c4b.pdf
妖怪美術館は、これからも「妖怪(=YOKAI)を世界へ」をミッションに掲げ、妖怪を通して多様性や寛容さのある日本の精神文化を世界に広めていきたいと考えています。
妖怪美術館について
【妖怪美術館とは】
香川県・小豆島の迷路のまちで900体をこえる妖怪造形作品を展示する美術館。まちの中に点在する4つの古民家をスマホガイドアプリを使いながらめぐる。妖怪の起源から現代の妖怪まで「妖怪造形大賞」に応募された900体を超える作品を展示・保管しています。「妖怪(=YOKAI)を世界へ」私たちは「妖怪(=Yokai)を「もったいない」と同じような世界語にしたいと考えています。館長は小豆島生まれの妖怪画家・柳生忠平が務めています。
妖怪美術館
香川県小豆郡土庄町甲398
0879-62-0221
mail@meipam.net
【小豆島・迷路のまちアートプロジェクトMeiPAMとは】
香川県小豆島の「迷路のまち」エリアで古民家を活用したアートプロジェクトを展開。「妖怪美術館」、「小野川直樹美術館」の企画・運営を中心に、観光・イベントなどの企画、フリーペーパーの制作などを手がける。MeiPAM(メイパム)は、Mei:迷路のまち、P:パフォーマンス、A:アート、M:マルシェの略称。
HP:https://meipam.net/
【小豆島ヘルシーランド株式会社とは】
瀬戸内・小豆島で、オリーブの栽培や研究、化粧品や食品の開発・製造、通信販売などを行うMeiPAM 小豆島・迷路のまちアートプロジェクトの共同運営。地域活性化事業の企画・推進・運営。
社名:小豆島ヘルシーランド株式会社
所在地:香川県小豆郡土庄町甲2721-1
代表取締役社長:柳生敏宏
設立:1985年
小豆島までのアクセス
大阪→神戸→小豆島(坂手港)高速バス利用でも約3時間
関西・近畿圏からもお客様が多数来島されています。
①JR神戸駅から バス5分~神戸港新港からジャンボフェリー【1日4便】で180分 →小豆島(坂手港)
②JR姫路駅から バス20分~姫路港からフェリー【1日7便】で100分→小豆島(福田港)
③JR日生駅から 徒歩2分~日生港からフェリー【1日4便】で70分→小豆島(大部港)
④JR岡山駅から バス40分~新岡山港からフェリー【1日8便】で110分→小豆島(土庄港)
⑤JR高松駅から 徒歩7分~高松港からフェリー【1日15便】 で60分→小豆島(土庄港)
⑥JR高松駅から 徒歩7分~高松港からフェリー【1日11便】 で60分 →小豆島(池田港)
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