第18回歴史群像大賞優秀賞受賞作家・谷津矢車の新作『しょったれ半蔵』!忍者のイメージが強い服部半蔵は実は武士だった?“しょったれ=半端者”としての葛藤で悩む、これまでにない半蔵を楽しめる傑作がここに
旬な作家の意外な素顔が・・・?旭屋書店「本TUBE」ピックアップ本、著者出演インタビュー企画!【旭屋書店主催イベント:著者出演インタビュー】
旭屋書店では、2月14日から各店舗で“知られざる歴史を楽しむ一冊"にて、谷津矢車さんの新刊『しょったれ半蔵』をご紹介&本書をフィーチャーした『本TUBEニュース』コーナーを設置!連動して、1億人の本と本屋の動画投稿サイト「本TUBE」のスペシャル企画、ピックアップ本の著者への直接インタビューも開催!今回は、『しょったれ半蔵』発売を記念し、谷津さん自身に、じっくりと語っていただきました。
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旭屋書店では、谷津矢車さんの『しょったれ半蔵』 (小学館)の発売を記念し、著者インタビューを実施した。谷津さんは、2012年『蒲生の記』で第十八回歴史群像大賞優秀賞を受賞し、2013年『洛中洛外画狂伝 狩野永徳』でデビュー。著書に『蔦屋』『曽呂利!』『おもちゃ絵芳藤』『某には策があり申す 島左近の野望』『幕末暗殺!』(アンソロジー)などがある。本作は、忍びの家に生まれた服部半蔵が、一度は武士になりたいと言って家を出るが、様々な事情でまた忍者の家を継がざるを得なくなり、自分が忍者なのかそれとも武士なのか、葛藤しながら成長していくというストーリー。忍者のイメージが強い半蔵の武士としての顔とは?父の仇となる梟(ふくろう)との戦いの行方は?これまで誰も描いたことのない服部半蔵像に、最後の最後まで目が離せない。
――あの服部半蔵が主人公ですが、一般的に彼には忍者のイメージが強いと思うんですね。武士だったんだ…というのが驚きです。
僕たちが一番よく知っている服部半蔵、二代目の半蔵が一番有名なんですが、彼は実は武士だったという風に言われてます。徳川家康から服部半蔵へ向けての拝領品があるんですが、それが槍なんです。これはつまり、間違いなく武士の扱いを受けているということ。それで、歴史上正しい服部半蔵を書いてみようっていう風に思ったんです。フィクションも入れていますが。
――武士だっていう半蔵に焦点を置いて、あとは物語を紡いだんですね。タイトルにもある、「しょったれ」の意味は?
“半端者”という意味です。ただし、服部半蔵の出生の地、三河国の言葉だと「しょーたれ」で、むしろ「しょったれ」は新潟言葉に近いらしいんですが、“しょったれ半蔵”のほうが跳ねっぷりがいい。それで、こちらを使わせていただいたんです。
――表紙の絵には、思い入れがあると伺ったんですが?
漫画家の大柿ロクロウ先生に描いていただきました。大柿先生は、「少年サンデー」で『シノビノ』を連載している、忍者漫画をお描きになっているんです。
――若い方から年配の方まで手に取ってもらえるイラストですね。
歴史小説はメインの方は50、60代の方が多いので、そういった方はもちろん、若い人にも届けたいですね。自分のことを書いているという面もあるので、若い人にはより納得していただけるんじゃないかなという気はしています。10代、20代、30代の方にもぜひ手にとってほしいですね。
――終わり方いいですよね、丸くおさめ過ぎないところが。やはり、終わり方って書き手としては悩むところですか?
ラストのシーンってほんの一言の違いだけで、全然意味が変わってしまう感じがあるんですよ。精密な機械を組む作業のようなんです。序盤で散らかしまくり、中盤でどんどん狭めていき、最後に収めるという感覚で作り上げています。
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単行本: 304ページ
出版社: 小学館
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