『第118回 調整力及び需給バランス評価等に関する委員会』停電コストと調整力はどうなる?
〜電力需給の焦点は「停電コスト」と「調整力」へ!需給検証・調整力確保の注目審議〜

系統用蓄電池に関する重要情報を無料で公開する専門ニュースサイト「BESS NEWS」はこのたび、電力広域的運営推進機関(OCCTO)の第118回「調整力及び需給バランス評価等に関する委員会」に掲載された資料をもとに、BESS事業者・需要家・金融機関が実務で確認すべきポイントを整理した解説記事を『「第118回 調整力及び需給バランス評価等に関する委員会」電力需給の焦点は「停電コスト」と「調整力」へ〜停電コストはどう扱われる?需給検証・調整力確保の注目審議〜』を公開しました。今回の記事の価値は、単に「2026年度夏季の需給見通し」を確認できることではありません。BESS事業者にとって重要なのは、東京エリアの8月夕方17時が、公募込みでも予備率3%台にとどまる見通しであることを、自社案件の事業開発、収益仮説、SOC管理、契約設計、投資家説明にどうつなげるかです。資料では、2026年度夏季について全エリアで安定供給に最低限必要とされる予備率3%以上を確保できる見通しが示されています。一方で、東京エリアの最小予備率時17時は、8月前半3.5%、8月後半3.7%と、公募込みでも余裕が大きいとは言い切れない水準です。さらに、この数字には東京エリアのkW公募落札量97.6万kWが織り込まれています。つまり、今回の資料は「これから新しい公募が始まる」という告知ではありません。しかし、BESS事業者にとっては、夏季夕方に確実に出せるkWの価値を再確認する材料になります。BESS NEWS本編では、今回の一次情報をもとに、BESS事業者が次に確認すべき論点を実務目線で整理しています。たとえば、東京エリアでBESS案件を検討している事業者にとっては、8月夕方に放電できるSOCを確保できるか、契約上どの市場・用途を優先するか、PCS・通信・EMSが指令に確実に応動できるかが重要になります。需要家向けにBESSや非常用電源を提案する事業者にとっては、停電コストを「売上予測」ではなく、BCP価値やレジリエンス価値を説明する材料としてどう使うかが重要になります。需給調整市場への参加を検討する事業者にとっては、蓄電池が高速応動リソースとしてどのような商品と相性があるのか、また今回資料だけで蓄電池専用枠が決まったわけではない点をどう切り分けるかが重要になります。今回のBESS NEWS記事は、制度資料を読むだけでは見落としやすい「BESS事業者にとって次に何を確認すべきか」を整理した実務ガイドです。
目次
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BESS NEWSが今回解説するテーマ
1-1. 東京エリア案件で「夕方kW価値」を検討する材料になる
1-2. 未落札BESSでも、次の収益機会を考える視点が得られる
1-3. 停電コスト・調整力を、提案・投資判断・運用設計に使える -
BESS事業者が特に見るべき3つの論点
2-1. 東京エリアの8月17時は、公募込みでも3%台
2-2. kW公募97.6万kWは新規募集ではなく、落札済み供給力の織り込み
2-3. 停電コストと調整力は、BESSの価値説明に使えるが、誤読に注意 -
BESS案件で実務上確認すべきこと
3-1. その時間に放電できるSOCがあるか
3-2. 非常時価値と市場・制度収益を分けてROIを見ているか
3-3. 新制度・新公募・専用枠が決まったと誤解していないか
1. BESS NEWSが今回解説するテーマ
今回のBESS NEWS記事は、OCCTO資料を単に要約するものではありません。BESS事業者、アグリゲーター、需要家設備の導入を検討する企業、金融機関、投資家が、今回の需給見通しを自社の判断にどう使うかを整理するための記事です。特に、東京エリアでBESS案件を検討している事業者にとって、2026年度夏季の8月夕方17時は重要な確認ポイントになります。資料上、東京エリアの最小予備率時17時は、8月前半3.5%、8月後半3.7%とされています。全エリアで3%以上を確保できる見通しではあるものの、東京の8月夕方は「余裕が大きい」と読むより、「追加供給力を織り込んで、ようやく3%台」と見るべき局面です。この情報は、BESS事業者にとって次のような実務メリットがあります。
東京エリアの案件で、夏季夕方にどれだけ確実にkWを出せるかを確認する材料になります。需要家や投資家に対して、BESSの価値を「電力量」だけでなく「必要な時間に出せる出力」として説明しやすくなります。未落札リソースであっても、相対契約、DR・VPP、容量市場、需給調整市場など、どの制度・契約で価値を出すべきかを検討するきっかけになります。また、停電コストの参考試算は、需要家向けBESS提案やBCP対策の説明材料になります。工場、冷凍倉庫、医療・通信設備、店舗など、停電時の損失が大きい需要家に対して、BESSが何を守るのかを整理する際に役立ちます。ただし、停電コストは正式な政策評価指標ではなく、BESSの売上単価でもありません。BESS NEWS本編では、停電コストをどこまで使えるのか、どこから先は誤解になるのかを分けて解説しています。
2. BESS事業者が特に見るべき3つの論点

今回の資料でBESS事業者が特に見るべき論点は、次の3つです。
1つ目は、東京エリアの8月夕方です。2026年度夏季は全エリアで予備率3%以上を確保できる見通しですが、東京エリアの8月前半・後半はいずれも17時の予備率が3%台にとどまります。夏の夕方は太陽光発電の出力が下がる時間帯でもあり、BESSの放電価値を考えるうえで重要な時間帯です。
2つ目は、東京エリアのkW公募97.6万kWです。今回の資料では、この97.6万kWが2026年度夏季の需給見通しに反映されています。ただし、これは新規募集の告知ではありません。すでに落札済みの供給力を織り込んだものです。そのため、kW公募に落札していないBESSが、今回資料だけを根拠に新たな公募収入を得られるわけではありません。一方で、未落札リソースであっても、東京エリアの夏季夕方に確実に出せるkWの価値を説明する材料としては活用できます。
3つ目は、停電コストと調整力です。停電コストは、需要家に対してBESSのレジリエンス価値を説明する材料になります。調整力資料は、蓄電池が高速応動リソースとしてどのような役割を持ち得るかを考える材料になります。ただし、今回資料だけで蓄電池専用の新制度、新義務、新公募が決まったわけではありません。ここを誤解すると、事業計画や投資判断を誤る可能性があります。
BESS NEWS本編では、こうした「使える材料」と「断定してはいけないこと」を分けて整理しています。
3. BESS案件で実務上確認すべきこと
BESS事業者にとって、今回の資料は「制度が変わったからすぐ収益が増える」という資料ではありません。むしろ、自社案件の設計を見直すための実務資料です。東京エリアでBESSを開発・運用する事業者は、8月夕方17時前後に本当に放電できるSOCを確保できるかを確認する必要があります。市場参加、相対契約、需要家BCP、非常時対応など、複数の用途が重なる場合、どの用途を優先するのかも整理が必要です。また、PCS、通信、EMSが指令に応動できる状態か、劣化コストを織り込んでも採算が合うか、非常時用途と市場用途が競合しないかも確認すべきポイントです。需要家向けにBESSを提案する場合は、停電コストをそのまま売上や回収額に置き換えるのではなく、停電時に何を守るのかを明確にする必要があります。生産ライン、冷蔵・冷凍設備、医療機器、通信設備、店舗営業など、守る対象によってBESSの価値は変わります。投資家や金融機関に対しては、BESSのROIを「非常時価値」と「制度・市場収益」に分けて説明することが重要です。停電時に守れる価値、需給調整市場や容量市場などから得られる可能性のある収益、設備導入費、運用保守費、劣化・更新費を分けて見ることで、より現実的な事業評価が可能になります。今回のBESS NEWS記事では、こうした実務上の確認ポイントを、一次情報に基づいて整理しています。
【記事内で参照した主な一次情報】
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電力広域的運営推進機関(OCCTO)
「第118回 調整力及び需給バランス評価等に関する委員会」 -
電力広域的運営推進機関(OCCTO)
「資料1 電力需給検証報告書(案)について」 -
電力広域的運営推進機関(OCCTO)
「資料1別紙 需給検証報告書データ集」 -
電力広域的運営推進機関(OCCTO)
「資料2 停電コストの検討について(報告)」 -
電力広域的運営推進機関(OCCTO)
「資料3 2026年度調整力の確保に関する計画の取りまとめについて(報告)」
【重要なテーマ解説】
今回のテーマで最も重要なのは、BESS事業者が「どこに価値があり、どこにリスクがあるか」を分けて読むことです。東京エリアの8月夕方は、BESSにとって確実に出せるkWの価値を検討しやすい時間帯です。ただし、それは市場価格の上昇や個別案件の収益を保証するものではありません。停電コストは、需要家に対してBESSのBCP価値やレジリエンス価値を説明する材料になります。ただし、正式な政策評価指標ではなく、BESSの売上単価でもありません。調整力資料では、蓄電池が高速応動リソースとして注目される可能性があります。ただし、蓄電池専用の新制度や新公募が決まったわけではありません。BESS NEWSでは、こうした一次情報を、制度の読み解きにとどめず、事業開発、需要家提案、投資判断、運用設計、金融機関への説明に使える形で整理しています。
【この記事は、こんな方におすすめです】
この記事は、次のような方におすすめです。
・東京エリアで系統用蓄電池の開発・運用を検討している事業者
・2026年度夏季の需給見通しを前提に、BESS案件の事業性を確認したい事業者
・kW公募に落札していないBESSの次の収益機会を検討したい事業者
・DR・VPP、相対契約、容量市場、需給調整市場への参加可能性を検討している事業者
・工場、冷凍倉庫、医療・通信設備など、停電影響が大きい需要家
・需要家向けにBESSや非常用電源を提案している企業
・BESS案件に融資・出資する金融機関、投資家、アセットマネージャー
・BESSのROIを、非常時価値と制度・市場収益に分けて整理したい担当者
BESS NEWS本編では、これらの読者がすぐに使えるよう、今回資料の重要ポイントを一次情報ベースで整理しています。
【BESS NEWSについて】
BESS NEWSは、系統用蓄電池に関する重要情報を無料で公開する専門ニュースサイトです。制度改正、系統連系、電力市場、事業開発、EPC、調達、運用、金融・投資まで、実務に必要な情報を一次情報ベースで整理し、意思決定に役立つ形で発信しています。
【公開記事】

BESS NEWS近日公開記事名:
「第118回 調整力及び需給バランス評価等に関する委員会」電力需給の焦点は「停電コスト」と「調整力」へ〜停電コストはどう扱われる?需給検証・調整力確保の注目審議〜
【WATT-TUNE株式会社について】
WATT-TUNE株式会社は、株式会社テクノロジーズグループである株式会社エコ革の100%子会社です。低圧系統用蓄電池をはじめとする分散型エネルギー領域において、情報発信、事業開発、運用体制の構築を通じ、実務と制度をつなぐ取り組みを進めています。
【本件に関するお問い合わせ先】

会社名 :WATT-TUNE株式会社
所在地 :栃木県佐野市高萩町1322番地9
代表者 :代表取締役 青栁 福雄
事業内容:アグリゲーションフランチャイズ
URL :BESS NEWS https://bessnews.jp/
Mail :info@watt-tune.co.jp
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