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特定非営利活動法人みんなのコード
会社概要

みんなのコード、文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」への見解を発表

みんなのコード

 特定非営利活動法人みんなのコード(東京都港区、代表理事:利根川 裕太、以下みんなのコード)は、「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」をビジョンに掲げ、2015年の団体設立以来、小中高でのプログラミング教育等を中心に、情報教育の発展に向け活動してきました。生成AIに関する注目が高まっていることを受け、今年4月には「生成AIの初等中等教育でのガイドライン策定に向けた提言」*(1)を発表しました。また、実際に、学校現場での生成AIを活用した授業等の実践を重ねてきました。

 こうした活動を評価していただき、文部科学省が本日7月4日に公表した「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」*(2)に関して、有識者としてヒアリング対象に選んでいただきました。今回のガイドラインは”暫定的”なものとして、機動的に改訂していくことが想定されています。

 そこで、みんなのコードが6月までに行った学校現場で得られた知見をもとに、今後のガイドライン改訂に向けて実践・議論の際に留意すべきポイントを4つに整理しました。これらをまとめた提言資料「『初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン』への見解」を発表します。

 教育現場の皆さまには授業を行う際の参考情報として、研究者・行政のみなさまには議論に活用していただけるよう、みんなのコードは、今後も実践の中で得られた知見を速やかに整理し、発信を続けていきます。

*(1)2023年4月20日発表「生成AIの初等中等教育でのガイドライン策定に向けた提言」

https://code.or.jp/news/11333/

*(2)文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」

https://onl.sc/7kUszGQ


■生成AI活用した授業実践例

▶︎千葉県印西市立原山小学校

実施概要:5年生43名、総合的な学習、全8時間(うち生成AIの実践は2時間)

実施内容:

 簡単な使い方と最低限の注意を説明した上で、子どもたちがそれぞれの端末で自由に生成AIを体験し、気づきや疑問を共有しました。その後、しくみや特徴を理解した上で、再度体験を繰り返すことで、生成AIのしくみを実感を伴って理解しました。

 なお、学校向け 生成AIサービスを使用して安全面を担保したほか、生成AIの利用について、事前に保護者からの同意を取得しました。

 

▶石川県加賀市立橋立中学校

実施概要:2年生9名、総合的な学習、全2時間

実施内容:

 原山小学校と同様に、まずChatGPTを自由に使ってもらいました。その後、生成AIのしくみや得意・不得意などを理解した上で、運動会のスローガンづくりや、地域の課題を解決する探究活動の一環として、金沢を訪ねる観光客向けのプランを、ChatGPTを活用しながら考えました。

 橋立中では、3人に一台の端末を割り当て、各グループに教員が1名ついてChatGPTに触れる形をとりました。保護者の同意についても、事前に取得しました。


■「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」の次回改訂に向けた見解

 文部科学省が発表した今回のガイドラインは、「生成AIが、どのような仕組で動いているかという理解や、どのように学びに活かしていくかという視点、近い将来使いこなすための力を意識的に育てていく姿勢は重要」と明言された点において、意義のあるものと考えております。

 一方、「一律に禁止や義務づけを行う性質のものではない」との記載はあるものの、生成AIを活用した授業の適否事例が限定的だと感じています。「あくまでも例示であり、個別具体に照らして判断する必要がある」との注意書きがありますが、判断基準が不明瞭であるため、現場の実践をガイドラインに示されている事例だけに制限される可能性があるのではないかと危惧しています。


 私たちは原山小、橋立中の実践の中で、子どもたちが大人の想定をはるかに超える速度で活用し、より良いアウトプットを引き出すために工夫するなど、創造性を発揮しながら生成AIを使いこなす姿を目の当たりにしました。


 生成AIを活用したいと考える先生方に対して、「留意点に配慮しながら、まずはやってみよう」と思えるようなガイドラインにする必要があります。そのためには、次期ガイドライン改訂に向けて、こうした実践から得られた知見を速やかに整理し、次の実践・議論へつなげていくことが必要です。


 そこで、今後の実践・議論の際に留意したい4つのポイントを整理しました。

  1. 情報活用能力を構成する資質・能力を偏りなく育成する
    生成AIは情報技術の一つであり、その学習は情報活用能力育成の一環として位置付けられます。児童・生徒生徒・児童が情報活用能力を身につけるためには、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」の3観点を偏りなく育成することが必要です

  2. 既存の情報活用能力との接続を踏まえて、学習を考える

    生成AIを他の情報技術の学習と切り離して扱ったり、児童生徒の情報活用能力を考慮せずに学習に取り入れることは適切ではありません。既存の情報活用能力との接続を踏まえて学習を考えることが望ましいと考えます

  3. 適否判断を裏付ける原理原則を整理する

    現時点では、生成AIを活用する事例の適否を判断するための原理原則が明らかになっていません。パイロット的な取り組みなどから得られた成果・課題などを踏まえ、学校現場が適切に判断できる原理原則を整理していくことが必要です

  4. 実践や議論の際に、ジェンダーバランスを改善する

    今回のガイドライン作成に関わった有識者には、ジェンダーバランスの偏りが認められます。また、AIの学習データにおけるジェンダーバランスの問題も兼ねてから指摘されています。今後、パイロット校での実践や改訂に向けた議論においては、ジェンダーバランスの改善が必要です

URL:https://onl.sc/DcuP8Kf


■みんなのコード 代表理事 利根川 裕太 コメント

 このたび、本日文部科学省より発表されました「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」において、有識者として選出いただけたことを誠に光栄に存じます。ひとえに、多くの学校現場のみなさまの協力があったからこそだと感じています。

 今回のガイドラインが、学校現場や関係者との議論において、良き道標となればという思いから、このタイミングでみんなのコードから見解を発表しました。

 今年4月に、みんなのコードから「生成AIの初等中等教育でのガイドライン策定に向けた提言」を発表して以来、各方面との議論を行うとともに、学校現場での実践を重ねてきました。そして、今回の見解を出すにあたり、みんなのコードの考えを整理してきた中で、これまでの観点に加え、ジェンダーバランスに課題があるのではないかといった新しい論点も見えてきました。

 引き続き、次期ガイドライン改訂に向けて、全国各地の小中高との研究、および関係者との議論を深め、AI時代における情報教育の充実に向けて邁進していきます。


【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】

特定非営利活動法人みんなのコード 

広報担当:浜田

メール: pr@code.or.jp

代表電話: 03-4595-0150

お問い合わせ:https://code.or.jp/media/#contact

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学校・大学その他
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財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
神奈川県横浜市神奈川区金港町7-3 金港ビル7階
電話番号
03-4595-0150
代表者名
利根川裕太
上場
未上場
資本金
-
設立
2015年07月
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