【岩崎学園】教育の設計図を全文公開 13の学術理論と出典、教職員10の行動指針、専門学校7校の実践例を開示
「いい先生に当たるかどうか」を、運で終わらせない

学校法人岩崎学園(神奈川県横浜市)は、専門学校7校で共通実装している教育の設計体系「岩崎学園の教育システム」を、公式サイトで公開しています。このたび、参考文献や構造化データ等の整備を行い、9月1日にページ内容を更新しました。
公開しているのは、13の学術理論とその参考文献、学生の成長段階に応じた3段階のフェーズ設計、学生カルテと2つのAIシステムによる伴走型サポート体制、教職員が実践する10の行動指針です。あわせて、専門学校7校それぞれの教育現場でどのように実装しているかの実践例や、在校生・卒業生の声も掲載しています。
監修は東京大学大学院薬学系研究科教授で、岩崎学園総合教育アドバイザーの池谷裕二氏が務めています。
▼岩崎学園の教育システム
https://www.iwasaki.ac.jp/education/
「いい先生に当たるかどうか」を、運で終わらせない
同じ学校、同じ学科、同じカリキュラムで学んでいても、担当する教員によって学生への関わり方や支援の方法が異なることがあります。教員一人ひとりの経験や熱意は教育に欠かせない一方、それだけに依存すれば、指導や学生支援が個人の力量に左右される「属人化」は避けられません。
岩崎学園では、この課題に対し、学生が成長するために何を根拠に、どのような環境を設計するのかを言語化し、組織で共有・実践できる教育システムの構築を進めてきました。
その背景には、自己決定理論、フロー理論、コルブの経験学習サイクル、エビングハウスの忘却曲線と分散学習など、心理学、脳科学、教育工学等の分野で研究されてきた13の学術理論・考え方があります。
Webページでは、理論の名称を掲げるだけでなく、「どのような理論なのか」「教育現場とどうつながるのか」「岩崎学園でどう実践しているのか」を紹介し、それぞれの参考文献も掲載しています。
教育方針や理念だけでなく、なぜその教育を行うのか、どのような根拠に基づいて設計しているのかまで外部から確認できる形で示すことで、教育を組織で共有し、検証・改善していくことを目指します。
また、学生支援では「学生指導AI」と「就活サポートAI」の2つの仕組みを活用しています。
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学生指導AI
学生カルテなどに蓄積された情報を、教職員が確認・整理する際の支援にAIを活用します。 -
就活サポートAI
学生の学習内容やポートフォリオ、企業情報などを整理・活用する際の支援にAIを取り入れています。
いずれもAIが学生への対応を決定するものではなく、教職員による情報整理や判断を補助する役割として位置づけています。
Webページではさらに、在校生・卒業生の声も掲載。学校側から教育の仕組みを説明するだけでなく、学生が教職員との関わりや学びをどのように受け止めているのかも紹介しています。
入学から卒業まで、学生の成長を3つのフェーズで設計
岩崎学園では、学生の成長を「基礎学習」「経験学習」「自律学習」の3つのフェーズで捉えています。
入学直後など、不安が大きく成功体験が少ない段階では、課題を細分化し、小さな成功体験を積み重ねることで「自分にもできる」という感覚を育てます。
基礎が身についた段階では、実習、作品制作、産学連携、プロジェクトなどを通じて知識や技術を実際に使い、その経験を振り返りながら次の行動へとつなげます。
そして最終段階では、教員の介入を徐々に減らし、学生自身の意思決定を尊重。自分で目標を立て、必要な行動を選び、挑戦を続けられる状態を目指します。

教育の考え方を日々の学生対応まで落とし込む
教育理論や仕組みを整備するだけでは、教育システムは機能しません。岩崎学園では、学生と向き合う際の基本姿勢を「教職員10の行動指針」として明文化しています。
「否定から入らず、共感から」「自分語りより傾聴を重視」「知ったかぶりをしない」「考えを押し付けず、共に考える」「学生に合った目標を定め、プロセスを褒める」など、日々の学生対応にまで教育の考え方を落とし込んでいます。
こうした共通の教育設計をベースに、岩崎学園の専門学校7校では、それぞれの分野や学びの特性に応じた教育を実践しています。産学連携、実習、作品制作、学年間交流、ポートフォリオなど、その方法は学校・学科によってさまざまです。
岩崎学園は2027年に創立100周年を迎え、2029年にはみなとみらいに新たなキャンパスを開設する予定です。今回公開した教育システムを、次の100年にも引き継げる教育の設計として、今後も現場での実践をもとに検証・更新していきます。
監修者・教学責任者コメント

東京大学大学院薬学系研究科 教授
岩崎学園総合教育アドバイザー
池谷 裕二氏
脳は、『やらされる』より『やりたい』と感じたとき、驚くほど活性化します。岩崎学園が重視する『楽しむ力』と『自律性』は、学習効率を最大化する脳のメカニズムそのものです。ここで培った好奇心は、生涯にわたる皆さんの成長エンジンになるでしょう。

学校法人岩崎学園
教育事業創造本部 本部長
伊藤 泰宏
創立100年近い学校であっても、今年着任した教員はいます。学生が受け取るのは学校の看板ではなく、目の前の教職員との日々の関わりです。だからこそ経験を積んだ教職員が何を手がかりに動いているのかを掘り起こし、7校が共有できる設計に落とし込みました。学びの質を、運任せにしない。それが次の100年に引き継ぐ設計です。
教育の実践を伝える連載も随時更新中
岩崎学園公式サイトでは、「教育を科学する」をテーマに、教育に関する連載や記事を掲載しています。今回公開した教育システムについても、各校での実践や学生・教職員の取り組みを通じて、実際の教育現場でどのように生かされているのかを継続的に発信していきます。
▼教育を科学する -岩崎学園 100年の知見と脳科学の融合
https://www.iwasaki.ac.jp/magazine/

学校法人岩崎学園
1927年創立。
IT、ファッション、デザイン、スポーツ、保育、リハビリテーション、医療事務、看護の専門学校教育を中心に、情報セキュリティの人材育成を担う大学院大学、NPO支援や博物館など地域振興事業や、再就職支援、子育て支援事業をおこなう。
●教育事業
・大学院教育、専門学校教育
(情報セキュリティ大学院大学、横浜fカレッジ、情報科学専門学校、横浜スポーツ&医療ウェルネス専門学校、横浜デジタルアーツ専門学校、横浜リハビリテーション専門学校、横浜保育教育専門学校、横浜実践看護専門学校)
・幼児教育
(岩崎学園東戸塚保育園、岩崎学園新横浜保育園、岩崎学園新横浜第二保育園、岩崎学園品濃町放課後児童クラブ[大地]・[大空]、岩崎学園新横浜放課後児童クラブ、岩崎学園附属幼稚園、岩崎学園附属磯子幼稚園)
・文化事業
岩崎博物館(ゲーテ座記念)、特定非営利活動法人NPO情報セキュリティフォーラム
・生涯教育
生涯学習センター、再就職支援訓練
・学生・児童数:5,117名(2026年5月1日時点)
・教職員数 :749名(2026年5月1日時点)
・学園本部 :神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-17相鉄岩崎学園ビル
・HP :https://www.iwasaki.ac.jp
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