2023年は不動産相続に影響する法改正ラッシュの年に!年始年末に知っておきたい「賢い相続の知恵を現役司法書士にコッソリとお聞きしました!
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- 遺産分割協議に期限!? ~ 令和5年4月施行予定の法改正のポイントを専門家が説明します ~
これって、良くある話です。
「これまで相続登記は義務ではなかったし、長男が住み続けることに他の兄妹も特に異議はなく、住んでるんだから当然この家は長男のものだよね。それに、あれでしょ、登記するのって結構お金かかるんでしょ。しなくてよくない?このままにしておこう!」
ってなってませんか?
しかし相続登記は義務化されます。そして義務化に伴い、その周辺の法律もぽつぽつと改正される予定です。
- 相続登記の義務化(令和6年4月)に先だって、来年4月改正予定の遺産分割協議の期間制限について
- 具体的相続分とは
特別受益 と 寄与分 について簡単な事例をご紹介します。
親が兄の結婚時に無理したの?という事情だけでなく、年が離れた兄弟で親の経済状況が変わった、弟は経済的に成功していて支援は必要なかった、など人それぞれ色々な事情があるものです。
ただ、何か兄が得してるっぽな、という雰囲気は分かりますよね。
この「結婚支度金として500万円援助してもらった」ことを「特別受益」と言い、相続財産から特別受益分を足した金額で遺産分割をします。
この家族の場合、父が2,000万円を遺して亡くなったとして(母は先に他界)
法定相続分で相続財産を分け合うと、長男:1,000万円、次男:1,000万円となります。
しかし、上記の特別受益を考慮して遺産分割を行うと、
相続財産2,000万円 + 特別受益500万円=2,500万円
2,500万円を兄と弟で分けると、2,000万円の取り分はこんな感じになります。
兄:750万円(1,250万円 - 500万円)
弟:1,250万円
「特別受益」とは、先に得したぶんは遺産分割のときにしっかり引かせてもらいますよってことです。
この場合も、兄は責任感が強く弟は兄任せ?という事情だけでなく、兄は宝くじに高額当選、弟は子沢山で食費や教育費にお金が掛かって気持ちはあっても支援できなかた、など人それぞれ色々な事情があるものです。
ただ、相続で平等に分けると何か弟が得してるっぽいな、という雰囲気は分かりますよね。
先程の特別受益とは反対で、兄の財産が父のために減ってしまっている状況です。
「寄与分」とはこのように被相続人のために特別の貢献をした相続人に対しては、相続財産から多めに財産をもらいましょう という制度です。
では、寄与分を500万円として、それを考慮して遺産分割を行うと、
相続財産2,000万円 - 寄与分500万円=1,500万円。
1,500万円を兄と弟で分けると、2,000万円の取り分はこんな感じになります。
兄:1,250万円(750万円 + 500万円)
弟:750万円
- 結局、「具体的相続分で分割できない」とは・・・
「相続開始から10年経過後の遺産分割は、具体的相続分ですることはできない。」です。
先の例のように、
父の生前に兄は特別の利益を受けてるからその分相続分の取り分を少なくしよう
父の生前に兄は特別な貢献をしているからその分相続分の取り分を多くしよう
といったことを『相続開始から10年経過すると考慮しません』という改正内容なのです。
決して、”相続開始から10年経過したら遺産分割協議が必要ありません” や ”協議出来ません” という意味でありませんのでその点はしっかり理解しておいて下さい。
しかし何事にも例外があり、今回の改正にも10年経っても具体的相続分で分割できる例外が定められています。
- 10年経っても具体的相続分で分割できる例外
❶10年経過する前に、相続人が家庭裁判所に遺産分割の請求をしたとき
❷10年の期間満了前6か月以内の間に、遺産分割の請求をすることができないやむを得ない事由が相続人にあった場合において、その事由が消滅したときから6か月を経過する前に、当該相続人が家庭裁判所に遺産分割の請求をしたとき
やむを得ない事由とは・・・、例えば長らく生死不明であった被相続人の遺体が発見されたが、10年以上前に遭難して死亡していたことが判明した場合など・・・。
ちょっとあまり想像できないですが、この辺りは個別判断になるようですね。
- 10年経過するとどうなる?
考慮すべきことが減り、円滑な遺産分割が期待できるといったところでしょうか。
- 改正の狙いは?
それによって所有者不明不動産が増えてしまって空き家が増えたり、活用などができなくなるなどの不都合がでてきてしまった。そこで、遺産分割の早期解決を目的として期間制限を設けたということのようです。
因みに、遺産分割する前の相続財産は「遺産共有」という状態になります。
- まとめ
令和5年4月1日に今回説明した遺産分割協議の具体的相続分に10年の期限、令和6年4月1日に相続登記の義務化、相続人申告登記制度の創設など、相続が発生したら放置せず早めの対応が求められています。
解決への一歩にまずは相続の専門家へご相談ください。
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- 【 資産サポーター プロフィール 】司法書士 進藤 亜由子 氏
ふくおか司法書士法人 共同代表
1985年、福岡市西区出身。早稲田大学在学中の平成19年度最年少での司法書士試験合格から現在に至るまで司法書士業界一筋。
大手ディベロッパー会社の登記を一手に請け負う東京の司法書士事務所で不動産登記の経験を積み、地元の福岡に戻り、債務整理手続きに特化した司法書士法人で債務整理の経験を積んだ後、独立し伊都司法書士事務所を開設。開業当初より地銀や大手ハウスメーカーからの指定を受け多くの登記手続きを受任。更に債務整理事務所勤務の経験も活かし借金に悩む多くの方の借金問題を解決へと導く。その後、ふくおか司法書士法人を立ち上げる。他の事務所で断られた複雑な案件を解決し続け、その実績をコラムで紹介。記事を見て全国から相談者が集まる。現在は、相続・遺言手続きセンター福岡支部を運営。事務所内に相続に特化した専門チームを作り、相続に強い司法書士として日々多くの相談に応じている。
■ホームページ「 ふくおか司法書士法人 」【https://www.fukuoka-shihousyoshi.jp/】
- 配信元
会社名:三和エステート株式会社
本社所在地:福岡市博多区博多駅南1-6-9 三和ビル3F
代表者:石井清悟
設立:1987年
事業内容:賃貸管理事業、売買仲介事業、資産コンサルティング事業、不動産再生事業、賃貸仲介事業、
相続サポート事業、投資アパート事業、住宅事業
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