【調査レポート】電車内広告の純粋想起は「延べ出稿日数」と「出稿の新しさ」に関連

株式会社オリコム

株式会社オリコム(本社:東京都港区、代表取締役社長:中島明美、資本金:1億6,500万円)は、首都圏および関西にお住まいの15~69歳の方を対象に、「広告の純粋想起」に関する調査を行いました。

広告が生活者から純粋想起されることは、広告主のマーケティング成果にとって重要であると考えられます。そこで、電車内広告における純粋想起と出稿状況の関係を把握するため、アンケート調査を行いました。

調査概要

調査名称:「広告の純粋想起」に関する調査

調査期間:2026年6月26日(金)~6月30日(火)

調査方法:インターネット調査『Knowns 消費者リサーチ』

調査対象:首都圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)または関西(京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県)に居住し、調査回答時に電車利用頻度が週1回以上と回答した15~69歳のモニター

調査人数:1,000人

調査主体:株式会社オリコム

モニター提供元:ノウンズ株式会社

電車内広告の純粋想起回答数のランキングを作成

まず、アンケート調査結果から、電車内広告の純粋想起回答数のランキングを作成しました。

調査対象者に以下の画像を提示したうえで、「あなたがこれまでに見た電車内の広告のうち、内容を覚えているものの広告主名、商品名/サービス名を教えてください。」と質問し、自由回答を得ました。

1,000人のうち、599人が純粋想起で何かしらの広告内容を回答しました。本調査は設計上、1人あたりの回答数を最大5件までに制限しています。1人あたりの回答数は下表のようになりました。

この1,326件の回答を集計しました。固有の広告主・銘柄としてカウントできた回答数は907件でした。広告主・銘柄ごとに回答数のランキングを作成すると下表のようになりました。赤枠で囲った「回答数の多い広告主・銘柄」と、青枠で囲った「回答数1の広告主・銘柄」を対象に、出稿状況を確認しました。

なお、首都圏の回答数6以上の広告主・銘柄は20件で、327件の上位6.1%に相当します。関西の回答数4以上の広告主・銘柄は12件で、161件の上位7.5%に相当します。

※個別広告主名・銘柄名は非公開とさせていただきます。

「回答数の多い広告主・銘柄」と「回答数1の広告主・銘柄」の広告出稿統計

次いで、「回答数の多い広告主・銘柄」と「回答数1の広告主・銘柄」の広告出稿状況を分析しました。

エム・アール・エス広告調査株式会社の『MRS交通広告データ集計システム』を使用しました。統計の対象期間は2017年1月1日~2026年6月30日としました。

アンケート調査結果から作成した純粋想起回答数のランキングと、当該広告主・銘柄の出稿実績との関係を確認します。

「回答数の多い広告主・銘柄」の広告の延べ出稿日数の平均は、「回答数1の広告主・銘柄」のそれよりも多い

まず、広告の延べ出稿日数との関係を確認します。

延べ出稿日数の定義は、以下の通りです。

「延べ出稿日数」の定義

6/1から電鉄Aのドア横に7日間、電鉄Aのステッカーに30日間、電鉄Bのドア横に7日間、

6/8から電鉄Cのドア横に7日間

出稿した場合の「延べ出稿日数」は51日となります。

延べ出稿日数の平均は以下の表のようになり、首都圏においても関西においても、「回答数の多い広告主・銘柄」の広告の延べ出稿日数の平均は、「回答数1の広告主・銘柄」のそれよりも多い結果となりました。(『MRS交通広告データ集計システム』にて出稿が確認できなかった広告主・銘柄は「0」とせず、平均の対象から外しました)

なお、延べ出稿日数の中央値は以下の表のようになりました。

また、延べ出稿日数と回答数のスピアマン順位相関係数は、首都圏0.30、関西0.35となり、どちらの地域においても弱い正の相関が確認されました。

「回答数の多い広告主・銘柄」の広告の「最終出稿日からの経過日数」の平均は、「回答数1の広告主・銘柄」のそれよりも少ない

次に、「広告がどの程度最近まで出稿されていたか」との関係を確認します。

本分析では、直近に提示された項目が他の項目よりも想起されやすくなる「新近効果(Recency Effect)」を考慮しました。

「最終出稿日からの経過日数」という指標を以下のように定義します。

「最終出稿日からの経過日数」の定義

「直近の出稿終了日が、2026年6月30日時点から何日前に当たるか」という指標です。

調査最終日の2026年6月30日に出稿していた場合は0と定義します。

「最終出稿日からの経過日数」の平均は以下の表のようになり、首都圏においても関西においても、「回答数の多い広告主・銘柄」の広告の「最終出稿日からの経過日数」の平均は、「回答数1の広告主・銘柄」のそれよりも少ない結果となりました。

なお、「最終出稿日からの経過日数」の中央値は以下の表のようになりました。首都圏においても関西においても「0」となっており、純粋想起で多くの回答数を獲得できた広告の過半数が、アンケート調査最終日も出稿していたことを意味します。

「最終出稿日からの経過日数」と回答数のスピアマン順位相関係数は、首都圏-0.22、関西-0.33となり、どちらの地域においても弱い負の相関が確認されました。

長期間にわたる恒常的な出稿によるプラスの影響も

ここからは、さらに詳細な分析結果を紹介します。

「回答数の多い広告主・銘柄」を対象に、延べ出稿日数と「最終出稿日からの経過日数」を軸とした散布図を作成しました。

首都圏において、回答数の多い広告主・銘柄は「最終出稿日からの経過日数」が「0」近辺に集中していることがわかります。

一方で、オレンジ色で示した外れ値に注目します。この銘柄は、1年半以上前から電車内広告を出稿していないにもかかわらず、多くの純粋想起回答を獲得しています。この銘柄の出稿実績を確認したところ、出稿期間中は7年半以上にわたり毎日出稿していました(電鉄や媒体は異なるものの「どの日においてもどこかの電車内広告を出稿している」状況。コロナ禍の期間は除く。出稿統計対象期間外である2016年12月以前については未確認)。長期間にわたる恒常的な出稿が生活者の記憶形成に寄与し、純粋想起にプラスの影響を与えた可能性があります。ただし、同じ業種でほぼ同様の出稿をしていて現在は出稿していない銘柄は回答数1のグループの中にも存在するため、長期間にわたる恒常的な出稿によるプラスの影響は、純粋想起を説明する要因の1つに過ぎない可能性がある点には注意が必要です。

関西においても、回答数の多い広告主・銘柄は「最終出稿日からの経過日数」が「0」近辺に集中しているなか、オレンジ色で示した外れ値が存在します。この銘柄は、約5年前を最後に電車内広告を出稿していないにもかかわらず、多くの純粋想起回答を獲得しています。この銘柄の出稿実績を確認したところ、出稿期間中は4年半以上にわたり同一路線の同一媒体に毎週出稿していました(GWとお盆、コロナ禍の期間は除く。出稿統計対象期間外である2016年12月以前については未確認)。関西においても、同じ業種でほぼ同様の出稿をしていて現在は出稿していない銘柄は回答数1のグループの中にも存在するため、注意が必要です。

なお、首都圏の外れ値の銘柄と、関西の外れ値の銘柄は、異なる業種に属します。

まとめ

電車内広告の純粋想起回答数とその出稿状況との関係を把握するために、アンケート調査を行いました。

その結果、純粋想起回答数と出稿状況の間には以下の関係があることが確認できました。

  • 延べ出稿日数の多さは、純粋想起回答数の多さと関連している

  • 「最終出稿日からの経過日数」の少なさは、純粋想起回答数の多さと関連している

  • 数年間にわたり毎日/毎週出稿することで、「最終出稿日からの経過日数」の多さというマイナス要因があっても複数の純粋想起回答を獲得できているケースも、できていないケースも確認できた

純粋想起には複数の要因が影響を及ぼすと考えられますが、今回は延べ出稿日数と「最終出稿日からの経過日数」との関係を確認しました。

今回の調査結果を受けて

今回の調査から、電車内広告の純粋想起には「延べ出稿日数の多さ」と「出稿の新しさ」が関係していることが確認されました。一方で、長期間にわたり継続的に出稿していたブランドの中には、出稿終了後も高い想起を維持している事例も見られました。これは電車内広告が、一時的な接触による認知獲得だけでなく、生活者の記憶の中にブランドを蓄積していく役割を担っていることを示唆しています。 

特に転職、婚活、保険、不動産など、需要が発生するタイミングが人によって異なる商材では、「今すぐ顧客」だけでなく「将来顧客」との接点づくりが重要です。日常生活の中で継続的に接触できる電車内広告は、将来的な検討段階で想起・選択されるための土壌づくりに有効なメディアであると考えています。

取締役 OOHメディアプロデュース局 局長 岡本光郎

入社後、営業、OOHメディア、営業推進、事業統括など幅広いキャリアを歴任。長年にわたり交通広告のバイイングからメディアプランニング業務に従事。デジタルからオフラインまで幅広い視点で取り組む。
2025年より現職。2025年9月18日に設立した「一般社団法人 日本OOHメジャメント協会」の理事も兼務。

引用に際して

本内容を引用する際には以下を明記してください。

「出典:株式会社オリコム『「広告の純粋想起」に関する調査』2026年6月」

オリコムについて

株式会社オリコムは、東京都港区新橋に本社を置く、1922年創業の総合広告会社です。世の中に一つでも多くの「良い関係」を創造することを企業理念に、マスメディア、OOH、デジタルソリューション、クリエイティブ、プロモーションなど幅広い事業を展開しています。

詳しくはhttps://www.oricom.co.jp/をご覧ください。

広告出稿に関するお問い合わせについて

各種広告制作および出稿についてのご依頼は、以下のリンク先からお問い合わせください。

https://www.oricom.co.jp/contact/form_01/

本調査内容に関するお問い合わせについて

以下のリンク先の問い合わせフォームに必要事項をご記入ください。

https://bit.ly/4atLWd2

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会社概要

株式会社オリコム

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URL
https://www.oricom.co.jp
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区新橋1-11-7 新橋センタープレイス
電話番号
03-6733-2000
代表者名
中島明美
上場
未上場
資本金
1億6500万円
設立
1922年04月