【大阪高島屋】高島屋創業190周年 高島屋の美の原点 刺繍絵画≪獅子図≫ 特別展示 ~下絵と製品、100年の時を超えた再会~
9月2日(木)~9月14日(火)、高島屋大阪店1階正面入口フロントステージで、刺繍絵画《獅子図》と、本作の下絵《獅子図》を展示。100年以上の時を超えた“下絵と製品の再会”をお楽しみください。
■期間:2021年9月2日(木)~9月14日(火)
■場所:高島屋大阪店 1階 正面入口フロントステージ
日本画家・神坂松濤 明治中期~大正期 紙本着彩
高島屋製 明治中期~大正期 絹糸
■「刺繍絵画」 とは
いわゆる「超絶技巧」を駆使した、日本が世界に誇る美術工芸品のひとつに「刺繍絵画」があります。
一見絵画のように見えますが、針と絹糸で刺繍されているものです。画家が描いた下絵をもとに、職人が一針一針、緻密に丹念に縫い上げており、本作(作品外寸W90.5cm×H80cm)を完成させるのには数カ月から約1年かかったであろうと言われています。こうした「刺繍絵画」は、明治期に盛んに製作され、海外の邸宅を彩る室内装飾品として輸出されました。当時、近代化を急ぐ日本では、文化国家であることを海外へアピールする目的や、外貨獲得によって日本を豊かにしようという政策のもと、多くの美術工芸品が海外へ輸出されました。
そのひとつが「刺繍絵画」ですが、当時は主に万国博などへの出品や、欧米の富裕層向けの輸出品として制作されたため、日本にはほとんど残されておらず、今では大変貴重な美術工芸品のひとつとなっています。高島屋が明治期にはじめた輸出貿易の主力製品のひとつも、この「刺繍絵画」でした。
■「超絶技巧」による、刺繍絵画 ≪獅子図≫ について
染め分けた絹糸の色の濃淡のみで立体感を表し、糸ならではの質感で獅子の毛並みを繊細に表現しています。
想像を絶する忍耐力と根気をともなう作業ですが、職人の並外れた技術、まさに「超絶技巧」によって、雌雄の獅子が見事に縫い表されています。
当時、ヨーロッパを席捲していたジャポニズムも追い風となり、「刺繍絵画」は大変好まれました。
現在も、各国の美術館などには日本の刺繍製品が多数収蔵されています。
■下絵と製品、100年の時を超えての再会
高島屋で染織品の下絵制作をてがけていた、画家・図案家として名高い神坂雪佳の弟で日本画家の神坂松濤が描いた≪獅子図≫です。
本図には、さらにもとになった原画が存在します。原画は、1900年代初めに、ハンガリー人画家Vastagh Geza(ヴァスリフ・ゲーザ)が描いた獅子雌雄図Lion and Lionessという油彩画です(現在、イギリスのラッセルコート・アートギャラリー所蔵)。
当時、この原画(油彩画)のカラー印刷図版を入手した高島屋で、松濤は原画を反転させた獅子図を描きました。原画を反転させた意図は不明ですが、構図の変化やバリエーションを増やすためとみられます。高島屋の輸出品の記録写真集(写真上、高島屋史料館蔵)には複数の獅子図の製品が確認でき、当時、この獅子は、大変好まれたモチーフであったことがうかがえます。
今回はこうした当社の美の原点ともいえる刺繍絵画≪獅子図≫と、本作の下絵≪獅子図≫を一緒に並べて展示することで100年以上の時を超えた “下絵と製品の再会” をお楽しみいただけます。
~高島屋史料館について~
高島屋創業以来の資料を収集・保存し、広く公開・活用していくことを目的に、1970(昭和45)年、重要文化財・髙島屋東別館3階に開館しました。収蔵する資料は約5万点。美術品、百貨店資料、創業家文書など、多種多彩なジャンルにわたります。開館50周年にあたる2020(令和2)年にリニューアルオープン。髙島屋の歴史と百貨店文化を知るアーカイヴス展示室、企画展を開催する企画展示室ともに新しくなり、皆様と髙島屋のコミュニケーションスペースとして生まれ変わりました。
~高島屋のアーカイヴス活動について~
高島屋は1831(天保2)年に創業し、本年、創業190周年を迎えました。未来の百貨店の魅力づくりのヒントは、企業の歴史をひもとき全従業員で共有し、その精神や文化を受け継ぐことにある、そんな思いを込めて、2011
(平成23)年、創業180周年を機にタカシマヤアーカイヴスを立ち上げました。大阪・東京2館の「高島屋史料館」は、当社の持つ基本的価値観や文化を共有・共感していただくためのアーカイヴス活動の拠点として、今後も
さまざまな形で情報発信を続けて参ります。
~展覧会のお知らせ~
今回、特別展示をする刺繍絵画≪獅子図≫をはじめ、明治・大正期の貴重な製品(作品)の数々をご覧いただける展覧会、「知られざる明治・大正期の刺繍絵画展」(仮題)を、2022年秋に開催する予定です。
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※本リリースに掲載している「高島屋史料館所蔵」の画像は、本リリースに関する記事掲載目的での利用に限らせて頂いており、画像改変(トリミング、部分使用、文字のせ含む)や、営利目的での使用等、(株)高島屋に許諾されていない態様での画像使用は、厳に禁じます。
■場所:高島屋大阪店 1階 正面入口フロントステージ
下絵 ≪獅子図≫
日本画家・神坂松濤 明治中期~大正期 紙本着彩
製品 刺繍絵画≪獅子図≫
高島屋製 明治中期~大正期 絹糸
■「刺繍絵画」 とは
いわゆる「超絶技巧」を駆使した、日本が世界に誇る美術工芸品のひとつに「刺繍絵画」があります。
一見絵画のように見えますが、針と絹糸で刺繍されているものです。画家が描いた下絵をもとに、職人が一針一針、緻密に丹念に縫い上げており、本作(作品外寸W90.5cm×H80cm)を完成させるのには数カ月から約1年かかったであろうと言われています。こうした「刺繍絵画」は、明治期に盛んに製作され、海外の邸宅を彩る室内装飾品として輸出されました。当時、近代化を急ぐ日本では、文化国家であることを海外へアピールする目的や、外貨獲得によって日本を豊かにしようという政策のもと、多くの美術工芸品が海外へ輸出されました。
そのひとつが「刺繍絵画」ですが、当時は主に万国博などへの出品や、欧米の富裕層向けの輸出品として制作されたため、日本にはほとんど残されておらず、今では大変貴重な美術工芸品のひとつとなっています。高島屋が明治期にはじめた輸出貿易の主力製品のひとつも、この「刺繍絵画」でした。
■「超絶技巧」による、刺繍絵画 ≪獅子図≫ について
わずか1cmほどの直線を縫い上げることを繰り返しながら、自在に曲線を描いていく高度な技術。
染め分けた絹糸の色の濃淡のみで立体感を表し、糸ならではの質感で獅子の毛並みを繊細に表現しています。
想像を絶する忍耐力と根気をともなう作業ですが、職人の並外れた技術、まさに「超絶技巧」によって、雌雄の獅子が見事に縫い表されています。
当時、ヨーロッパを席捲していたジャポニズムも追い風となり、「刺繍絵画」は大変好まれました。
現在も、各国の美術館などには日本の刺繍製品が多数収蔵されています。
■下絵と製品、100年の時を超えての再会
刺繍絵画≪獅子図≫には、「下絵」があります(高島屋史料館蔵)。
高島屋で染織品の下絵制作をてがけていた、画家・図案家として名高い神坂雪佳の弟で日本画家の神坂松濤が描いた≪獅子図≫です。
本図には、さらにもとになった原画が存在します。原画は、1900年代初めに、ハンガリー人画家Vastagh Geza(ヴァスリフ・ゲーザ)が描いた獅子雌雄図Lion and Lionessという油彩画です(現在、イギリスのラッセルコート・アートギャラリー所蔵)。
当時、この原画(油彩画)のカラー印刷図版を入手した高島屋で、松濤は原画を反転させた獅子図を描きました。原画を反転させた意図は不明ですが、構図の変化やバリエーションを増やすためとみられます。高島屋の輸出品の記録写真集(写真上、高島屋史料館蔵)には複数の獅子図の製品が確認でき、当時、この獅子は、大変好まれたモチーフであったことがうかがえます。
高島屋は1831(天保2)年正月、京都で創業し、本年で創業190 周年を迎えました。この記念すべき年に、明治から大正にかけて高島屋が欧米に向けて輸出した刺繍絵画≪獅子図≫が、縁あって里帰りし、ご覧いただける運びとなりました。
今回はこうした当社の美の原点ともいえる刺繍絵画≪獅子図≫と、本作の下絵≪獅子図≫を一緒に並べて展示することで100年以上の時を超えた “下絵と製品の再会” をお楽しみいただけます。
~高島屋史料館について~
高島屋創業以来の資料を収集・保存し、広く公開・活用していくことを目的に、1970(昭和45)年、重要文化財・髙島屋東別館3階に開館しました。収蔵する資料は約5万点。美術品、百貨店資料、創業家文書など、多種多彩なジャンルにわたります。開館50周年にあたる2020(令和2)年にリニューアルオープン。髙島屋の歴史と百貨店文化を知るアーカイヴス展示室、企画展を開催する企画展示室ともに新しくなり、皆様と髙島屋のコミュニケーションスペースとして生まれ変わりました。
~高島屋のアーカイヴス活動について~
高島屋は1831(天保2)年に創業し、本年、創業190周年を迎えました。未来の百貨店の魅力づくりのヒントは、企業の歴史をひもとき全従業員で共有し、その精神や文化を受け継ぐことにある、そんな思いを込めて、2011
(平成23)年、創業180周年を機にタカシマヤアーカイヴスを立ち上げました。大阪・東京2館の「高島屋史料館」は、当社の持つ基本的価値観や文化を共有・共感していただくためのアーカイヴス活動の拠点として、今後も
さまざまな形で情報発信を続けて参ります。
~展覧会のお知らせ~
今回、特別展示をする刺繍絵画≪獅子図≫をはじめ、明治・大正期の貴重な製品(作品)の数々をご覧いただける展覧会、「知られざる明治・大正期の刺繍絵画展」(仮題)を、2022年秋に開催する予定です。
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※本リリースに掲載している「高島屋史料館所蔵」の画像は、本リリースに関する記事掲載目的での利用に限らせて頂いており、画像改変(トリミング、部分使用、文字のせ含む)や、営利目的での使用等、(株)高島屋に許諾されていない態様での画像使用は、厳に禁じます。
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