「叱らなくて済む環境」と「60点で楽しむ保育」を。国立あゆみ保育園で第2回「不適切保育防止・メンタルヘルス研修」を実施
不適切保育を“個人の問題”にしない。保育環境の見直しと、保育者の「脳の休息」から考える予防のかたち
社会福祉法人あゆみ会 国立あゆみ保育園では、保育の質の向上と、保育者が安心して働き続けられる職場づくりに向け、職員研修にも積極的に取り組んでいます。
不適切保育を未然に防ぐための環境づくりや、保育者自身の心身の健康を守るメンタルヘルスなど、日々の保育をさまざまな角度から振り返る機会を継続的に設けていることも、その取り組みの一つです。
社会福祉法人絆友会は、2026年8月19日(水)、社会福祉法人あゆみ会 国立あゆみ保育園にて、第2回「不適切保育防止・メンタルヘルス研修」を実施しました。
今回のテーマは、「質の高い保育環境と脳の休息戦略」。
不適切保育を保育者個人の性格や資質だけの問題として考えるのではなく、日々の保育環境や業務の中にある要因にも目を向け、「叱らなくても済む環境」をどのようにつくるかを考えました。
また、メンタルヘルス研修では、常に複数のことへ注意を向けながら働く保育者特有の「脳の疲れ」に着目。心身の力を抜く方法や完璧を求めすぎない考え方など、明日から実践できるセルフケアについて学びました。

前回に続き、今回も外部の保育園からご参加いただきました。前回参加された方からは「研修が面白かった」とのお声もいただいており、園内研修という枠を越え、地域の保育関係者同士が一緒に学び、交流できる機会へと少しずつ広がっています。
研修のスタートには、参加者同士がリラックスして交流できるよう、簡単なアイスブレークを取り入れました。はじめはやや緊張した様子も見られましたが、徐々に会話が弾み、所属する園に関係なく、笑顔でコミュニケーションを取る姿が見られました。


「環境は第3の保育者」―不適切保育を環境から予防する
今回の不適切保育防止研修では、「環境は『第3の保育者』」という視点から、日々の保育環境について考えました。
不適切保育を防ぐというと、保育者の声かけや子どもへの関わり方に目が向きがちですが、子どもたちが毎日過ごす保育室の環境や動線、家具の配置などを見直すことも、不適切な関わりを未然に防ぐ大切なポイントです。
例えば、子どもの様子が見えにくい「死角」や狭い通路、片付けにくい環境などは、子ども同士のトラブルだけでなく、保育者の焦りやイライラにつながることがあります。研修では、こうした物理的な環境も保育者の負担に影響することを学びました。
研修では、「自分たちの園では、どの場所・どのような場面で子どもを叱ることが多いだろう?」という問いをもとに、普段の保育を振り返りながらグループで意見交換を行いました。
「子どもを注意する前に、環境を変えることで解決できることはないだろうか」という視点で考えることで、普段何気なく行っている声かけや関わりを、違った角度から見つめ直す機会にもなりました。
話し合いが始まると、どのグループからも積極的に意見が飛び交い、それぞれが日頃感じていることや経験を共有する姿が見られました。
不適切保育を「保育者個人の問題」として捉えるのではなく、子どもにとって過ごしやすい環境になっているか、保育者が余裕を持って関われる環境になっているかを、園全体で考えていくこと。
一人ひとりの気づきを職員同士で共有し、「より良い保育のために何ができるか」を一緒に考えていく。こうした先生方の対話と小さな改善の積み重ねが、子どもにも保育者にも安心できる、より良い保育環境づくりにつながっていくと感じる研修となりました。
後半は「保育者の脳を休ませる」メンタルヘルス研修
後半のメンタルヘルス研修では、「休んでも取れない疲れ」について考えました。
保育現場では、子どもの安全を確認しながら、一人ひとりの様子を見て、職員同士で連携し、保護者対応やさまざまな業務を同時に行います。
常にマルチタスクをこなしている保育者は、身体だけでなく「脳」も疲労していることがあります。
家に帰ってからも、「あの時、ああすればよかったかな」「今日の対応は大丈夫だったかな」
と仕事について考え続けてしまえば、身体は休んでいても、脳は働き続けています。
研修では、こうした状態を「脳の『アイドリング状態』」として捉え、仕事を終えた後は意識的に仕事の思考を遮断し、脳を休ませることの大切さを学びました。

「ねばならない」を手放す。目指すのは“60点で楽しむ保育”
今回のメンタルヘルス研修では、保育者が日々の仕事の中で抱えやすいプレッシャーや、自分自身を追い込みすぎないための考え方について取り上げました。
より良い保育を目指す責任感が、知らず知らずのうちに心の負担につながることもあります。研修では、そうした自分自身の考え方や心の状態に目を向け、適度に力を抜くことの大切さについて考える時間を設けました。今回の研修資料でも、「脱・完璧主義」やセルフケアがテーマとして取り上げられています。
講師の話にうなずきながら熱心にメモを取る職員の方も多く、普段の自分自身の姿と重ね合わせながら話を聞いている様子が印象的でした。
また、グループでの意見交換の時間には、同じテーブルの職員同士でそれぞれの考えや経験を話し合う姿も見られました。時には笑顔も交えながら、「自分はどうだろう」と日頃の働き方や保育への向き合い方を振り返る機会となりました。
研修を通して知識を得るだけではなく、職員同士で思いを共有し、自分自身を見つめ直すことも今回の大切な目的の一つです。
子どもたちにより良い保育を届け続けるためにも、まずは保育者自身が心にゆとりを持ち、安心して働き続けられること。その大切さを、参加者の皆さまとともに改めて考える研修となりました。
講師コメント(新城先生)
前回から3週間を経て、今年度2回目の研修を行いました。今回も皆さんが意欲的にディスカッションへ参加してくださり、確かな習熟の積み重ねを感じる時間となりました。
不適切保育防止研修では、保育者自身が「人的環境」として子どもにどう関わるかを見つめ、
“自分事としてとらえる” ことの重要性を共有しました。
この視点が、日々の関わり方や環境づくりをより具体的にするきっかけになったように思います。
メンタルヘルス研修では、脳の疲労を理解しながら、フィジカルとメンタルの両面でリラックスする方法を整理しました。
子どもを安全に保護者へ引き渡せたら、それだけで保育は大きな成功。
今日の自分の取り組みを過度に評価しすぎず、適度に振り返る視点を持つことが大切だと感じました。
次回の研修は10月。また皆さんと学びを深められることを楽しみにしています。
一度きりではなく、継続して「保育を振り返る」機会に
不適切保育の防止も、保育者のメンタルヘルスも、一度の研修で完結するものではありません。
今回の研修では、前回からの学びを踏まえながら、参加者同士で意見を交わし、自分たちの保育環境や日々の関わりを具体的に振り返りました。
「子どもへの声かけを変える」だけではなく、環境を変える。
「もっと頑張る」だけではなく、自分自身を休ませる。
社会福祉法人絆友会では、こうしたさまざまな視点から保育を見つめ直す機会をつくり、子どもたちと保育者の双方が安心して過ごせる保育環境づくりにつながる研修を今後も実施してまいります。
国立あゆみ保育園について
東京都国立市にある国立あゆみ保育園は、1974年(昭和49年)に開園し、50年以上にわたり地域の子どもたちの成長を支えてきた保育園です。
園の周辺には湧水や川、田園など豊かな自然が広がり、身近な自然との触れ合いを日々の保育に取り入れています。
また、「本物に出会い、感性を磨く」ことを大切に、体育・音楽・英語・自然・剣道・絵画など、専門講師による多彩な活動を実施。さまざまな体験を通して、子どもたちの豊かな感性と健やかな成長を育んでいます。
さらに、季節の野菜の収穫や川遊び、お泊まり保育など、子どもたちが実際に「見て・触れて・感じる」体験を大切にしていることも同園の特徴です。
日々の遊びやさまざまな経験を重ねる中で、一人ひとりの興味や好奇心を広げながら、子どもたちがのびのびと成長できる環境づくりに取り組んでいます。
自然や人との関わりを大切にしながら、子どもたちの心と身体の豊かな育ちを支えている保育園です。

今後の開催予定
国立あゆみ保育園主催の本研修は、今後も継続して開催予定です。
第3回は2026年10月16日(金)、第4回は2026年11月12日(木)に実施予定で、時間はいずれも13時00分から14時40分までです。
近隣の園にお勤めの保育士の方も参加可能です。保育現場での学びを深めたい方、不適切保育の防止やメンタルヘルスについて関心のある方は、ぜひご参加ください。
社会福祉法人絆友会による研修実施支援
社会福祉法人絆友会は、東京都内にて保育施設等を運営するとともに、保育士等キャリアアップ研修、不適切保育防止研修、メンタルヘルス研修、防災研修など、保育現場に向けた実践型研修事業を行っています。
現場の課題や悩みに寄り添いながら、“聞いて終わり”ではない、対話と実践を重視した研修を実施しています。
多様なテーマでの研修を実施しております。ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
法人概要
法人名: 社会福祉法人絆友会
本部所在地: 埼玉県さいたま市桜区田島三丁目13番4号
代表者: 理事長 川名 美雄
主な事業: 保育園運営、児童発達支援事業、保育士等キャリアアップ研修事業、子育て支援関連研修
公式サイト: https://www.honbu.hanyuukai.biz/
本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先
社会福祉法人絆友会 事務局
office@kizuna-info.com
※営業・勧誘等は一切お断りいたします。
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