ゴスペラーズがオリオンJAPAN応援アンバサダーに就任、ゴールボール日本代表と“音”で共鳴

~“音”でつながる、パラスポーツと音楽の出会い。ゴスペラーズが一般社団法人日本ゴールボール協会(東京都足立区、会長 梶本美智子)30周年記念式典へのサプライズ登場に続き、2025年6月30日にオリオンJAPAN(ゴールボール日本代表の愛称)応援アンバサダーへ就任。昨年、メジャーデビュー30周年、設立30周年の節目を迎えた両者。これからさらにお互いを応援し合うことで、新しい歴史を刻んでゆきます。~

強化指定選手とゴスペラーズ

■背景と目的

視覚に障害のある選手が音や気配を頼りに戦うゴールボールは、「聴く力」や「感じる力」そして「コミュニケーション力」が試される、パラリンピックならではの競技です。選手同士が声を掛け合い、呼吸を合わせ、わずかな音に集中する中で繰り広げられるプレーは、戦術・連携・精神力のすべてが問われる、極めて高度なチームスポーツです。

2024年、日本ゴールボール協会とゴスペラーズは、共に30周年を迎えました。両者のつながりは、東京2020パラリンピック競技大会にさかのぼります。
世界が新型コロナウイルスの影響を受け、大会の開催は1年延期され、無観客での開催を余儀なくされたなか、ゴスペラーズは「おうちからハーモニーを」と題したYouTube配信を通じて、音楽で人々を励ます活動を続けていました。

その頃、メンバーの酒井雄二さんがX(旧Twitter)で「ゴールボール女子すごいね」と投稿。この一言がSNS上で広まり、多くの人に競技の存在を知られるきっかけのひとつとなりました。

この一言に連鎖され、パリ2024パラリンピック競技大会の出場に向けて交流はより深まっていきました。パリ2024パラリンピック競技大会ゴールボール競技男子日本代表の萩原直輝選手(愛称:マギー)が、ゴスペラーズのライブDVD特典である靴紐をパリに持参すると投稿。それを見たファン(通称「ゴスマニア」)の方たちがSNSで拡散し、ゴールボールへの応援が急速に広がりました。

大会期間中には、ゴスペラーズのメンバーがリアルタイムで応援投稿を発信。惜敗した初戦には「惜しかった」と寄り添い、決勝での金メダル獲得の瞬間には「やった!やった!やったぜ!」と、熱い祝福の言葉を届けてくださいました。

(引用:村上てつや様のX投稿より)

パリ2024パラリンピック競技大会後の、2024年11月15日の協会設立30周年記念式典ではゴスペラーズがビデオレターの後にサプライズで登場。選手たちとのクロストークや、代表曲『星屑の街』のアカペラ披露によって、音でつながる感動の時間が生まれました。

そしてこのたび、2025年6月30日付で、ゴスペラーズがゴールボール日本代表「オリオンJAPAN」の応援アンバサダーに就任いたしましたことを、ここにお知らせ申し上げます。味の素ナショナルトレーニングセンターで執り行われた記念式典では、強化指定選手が見守る中、協会会長梶本美智子より任命状と記念盾が送られました。

そして、ゴスペラーズを代表して村上てつやさんからご挨拶をいただき、「ゴールボールの”観る”楽しさから、”やってみる”楽しさのところまで、これから興味を持つ方のきっかけを作れるように、我々で精一杯応援させてもらえればと思います」と、今後の応援への意気込みを伝えていただきました。

記念式典で村上てつやさんがご挨拶する様子

■今後の展望

今回のアンバサダー就任をきっかけに、日本ゴールボール協会はゴスペラーズの皆さまとともに、ゴールボールの魅力をより多くの方に届けていく活動を進めてまいります。

音と仲間を信じて戦うゴールボールは、ただの「体験型スポーツ」ではとどまりません。そこには、互いの違いを尊重し合い、見えないつながりを信じて力を合わせる“共生”の姿があります。

今後も継続的な情報発信やイベント協力に加え、学校や企業、地域社会との連携を通じて、「観る」「知る」だけでなく、「やってみる」体験の機会を広げて参ります。

音楽とスポーツ、異なるフィールドで30年の道のりを歩んできた両者が、「音」を軸に重なり合った今回の取り組みは、決して一過性のものではありません。

ゴスペラーズのハーモニーと、オリオンJAPANのチームワークが共鳴することで、誰もが「見えない」力を感じ、自分なりの一歩を踏み出せる社会づくりに繋がることを目指しています。

<ゴスペラーズ・ゴールボール体験>

応援アンバサダー就任に先立ち、「実際に競技を体験してみたい」というメンバーの声から、ゴールボールの体験イベントを実施いたしました。音楽とスポーツという異なるフィールドが、共通する“聴く力・呼吸・信頼”を通して、深く共鳴する瞬間となりましたので、その様子を紹介させて頂きます。

ゴスペラーズが登場し自己紹介をする様子

当日は、期待と緊張が入り混じった表情で並ぶ強化指定選手たちの元に、背番号がついたユニフォームを着用したゴスペラーズのメンバーが登場。それぞれの自己紹介から競技の体験が始まりました。

輪にになって基礎トレーニングをするゴスペラーズと女子の強化指定選手たち


まずは、全員で輪になって準備体操や基礎トレーニング。

投球をするゴスペラーズ北山さん

次に、ゴスペラーズのメンバーと選手が一対一になり、基本的なボールの投げ方やディフェンス(守り)の姿勢について、楽しく交流しながら確認をしました。最後は、練習したことを活かしてミニゲームにも挑戦。全員、アイシェード(目隠し)をした状態で取り組みました。

初めての競技の体験から、ゴールボールを「観る」だけではなく、実際に「やってみる」ことの面白さや魅力を実感していただきました。

金メダルを見せながら話すパリパラリンピック日本代表とゴスペラーズ

また、体験後には選手たちと交流の時間もあり、パリ2024パラリンピック競技大会での金メダル獲得の裏側の話などで盛り上がりました。

■メンバーの体験後の感想(一部抜粋)

酒井 雄二さん

酒井 雄二さん

初めてゴールボールを目にした時は、座った状態からプレーが始まるということで「体力的には少し楽かもしれない」と感じましたが、実際にはとても激しくて、もう汗だくです。視覚を完全に遮断した状態で音を頼りに動くため、当てずっぽうやなんとなくで動くこともあると思いましたが、これはやっぱりチームスポーツなんですよね。競技中はチームメンバー同士の位置や動きを常に感じ取っていないと、衝突してしまいプレーが成立しなくなってしまいます。個人技だけでなくチームとしての信頼関係や呼吸が非常に重要であることも体験を通じてわかりました。こうした点を踏まえて改めて代表選手のプレーを見ると、その完成度の高さや判断の速さに圧倒されます。さらに、ルールの説明を丁寧にしていただいて「なるほど」と思ってから、すごく「上手くなりたい」という気持ちが生まれました。「うわ、できなかった...」「(ボールに)抜かれたぁ」という点が強烈に悔しくて。「どこかで練習できないのか」というのが正直な気持ちです。ラウンドワンやスポッチャであったら面白そうなんですけれどね。

黒沢 薫さん

黒沢 薫さん

競技を見ているのと実際にやるのとでは大違いでした。今までも選手のことはすごいと思っていましたが、視覚を遮断した状態でのプレーは想像以上に難しく、改めて「超人だ、なぜそんなことができるんだ...」「アイシェードの仕様が違うのではないか...」と思ってしまうくらいでした。体験を通して、選手の方々への尊敬の気持ちがとても増しました。
また、競技の楽しさと共に、すぐには思うようなプレーができない難しさと悔しさも感じました。ゴールボールには挑戦のしがいのある面白さがあることもわかったので、この魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいと思います。

村上 てつやさん

村上 てつやさん

Q.今後のみなさんの活動やステージに活きそうな部分はありますか?

競技中には、うまくできたと思うプレーもあれば、事前に想定していたものと違う動きになってしまう場面もありました。わかっているようで実際はわかっていないことは、あらゆる場面にあると思います。どのプレーにおいても、その場その場での瞬間的な判断やコミュニケーションが不可欠であり、毎回新しく組み立てていく大切さに気づかされました。改めて「聴く力」と「信じる力」の重要性を実感しました。

Q.オリオンJAPANのみなさんにエールをお願いします!
オリオンJAPANの皆さんには、やっぱりいい結果を出していただいて、ぜひこれからも活躍を続けていただきたいと思います。結果を残すことで、多くの人が競技に関心を持つきっかけになると信じています。僕らも選手のみなさんのモチベーションとなれるように歌いたいですし、機会があるごとに「ゴールボールというスポーツすごいよ、楽しいよ、神秘だよ」と伝えたいと思います。ゴールボールの魅力を伝える一助となれるよう、音楽を通じて応援を続けていきたいです。

安岡 優さん

安岡 優さん

ゴールボールを初めて体験し、純粋に楽しいスポーツだなと実感しました。もっともっと長い時間やってみたいと思ったくらいです。最初は何も見えない状況で動くことに戸惑いがありましたが、次第に耳で音の方向や距離をとらえたり、手で床やボールの感触を確かめたりしながら、周囲の状況を少しずつ把握できるようになっていきました。自分の中で「音を頼りに見えるようになる」感覚が芽生えた瞬間は、とても嬉しかったです。どこからどのようにボールが飛んでくるかを予測し、それに反応するという動きは、「次はどんなボールがくるんだろう...!」というワクワク感がありました。

北山 陽一さん

北山 陽一さん

Q.ゴールボールの選手の魅力はどんなところでしょうか?

私たちも30年にわたって同じメンバーで活動をしてきて、音楽以外の場面でも、この人はこういう動き方するなというクセをみんな把握しています。ゴールボールの選手の皆さんを見ていると、それと似たような、言葉ではなく感覚で通じ合う高度なチームワークがあることがわかりました。実際に視界を遮った状態でプレーしてみることで、その連携のすごさや信頼の深さを体感することができました。自分たちもなんとなく分かったつもりでいたコミュニケーションについて、もう一歩深いレベルがあることを知ることができました。

体験する様子

ボールの気配を感じて身体を向ける酒井さん
ボールを持って笑う黒沢さん
投球をする村上さん
守備の体制を教える鳥居選手と、実践をする安岡さん
アイシェードをして投球をする北山さん
女子強化指定選手との試合前に円陣を組むゴスペラーズと男子強化指定選手たち

【お問い合わせ先】

一般社団法人 日本ゴールボール協会 広報部

E-mail:press(アット)jgba.or.jp

※アットを@に変換してください。

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

URL
https://jgba.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都足立区綾瀬4-22-10 103
電話番号
03-5849-3982
代表者名
梶本美智子
上場
-
資本金
-
設立
1994年05月