第64回空気調和・衛生工学会賞技術賞2件受賞

株式会社久米設計

株式会社久米設計(本社所在地:東京都江東区潮見2-1-22)は、当社が設計した「川崎市役所本庁舎」「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」が第64回空気調和・衛生工学会賞技術賞を受賞しましたことをお知らせします。

第64回空気調和・衛生工学会賞技術賞

https://www.shasej.org/base.html?award/award.html


川崎市役所本庁舎における設備計画と性能検証

撮影:エスエス企画

【設計者コメント】

このたびは、”川崎市役所本庁舎における設備計画と性能検証”に対し、第64回空気調和・衛生工学会賞技術賞の栄誉を賜り大変光栄に存じます。本計画では、まず川崎市の都市・建築としての課題を洗い出し、レジリエンス×省エネ×省資源を設計コンセプトに掲げ、あらゆる災害に対して業務機能を継続できる都市型防災庁舎のあるべき姿を追求致しました。

本計画の核となるのは防災要素と環境要素を併せ持った「エコマルチウォール」という新しい外装システムです。外装はコンクリートを主体とし、災害時のファイアーウォールとして機能するものとしました。凹凸形状とすることで、日射抑制や自然通風及び機械換気経路にも利用できる外装としました。建築計画と設備計画を巧みに融合し、大空間な無天井執務室を実現しました。このような大規模な外装の複合的な利用は、私の知る限り前例がなく、極めて難しい挑戦でした。

空調には、パーソナル&アンビエントの床吹空調システムを新たに開発導入し、コージェネレーションは排熱利用の拡大を狙いとし、中温冷水の利用も合わせることで、高効率な複合熱源システムを構築しました。また排水(汚水+雑用水)の再利用も行い、建物内の水資源の循環を実現するとともに、地域インフラ(上下水道)への負荷も削減しました。

本庁舎では新たな技術だけではなく、他用途においても適用できる汎用技術も多数組み合わせています。またレジリエンス向上のために採用した多くの技術は、平常時利用も考慮したもので、無駄のない実用的な技術と考えています。本業績が今後のカーボンニュートラル普及の参考となれば幸いです。

最後に、本計画は基本計画から本業績の現地審査まで11年と4か月、非常に長く、遠い道のりでした。このような機会を与えてくださった川崎市様、計画・施工・運用において御尽力、御協力賜りました多くの皆様に心から御礼申し上げます。

【建築概要】

名称:川崎市役所本庁舎

所在地:神奈川県川崎市川崎区宮本町1

建築主:川崎市

設計者:株式会社久米設計

施工者:

【高層棟】

 建築:大成建設株式会社 横浜支店

 電気設備:電気JV(関電工・協和・京急電機 共同企業体)

 空調設備:空調JV(新菱・川本・明和 共同企業体)

 衛生設備:衛生JV(大成温・須賀・京急 共同企業体)

 昇降機設備:東芝エレベータ株式会社

 議場映像音響設備:株式会社丸井電設

【復元棟】

 建築:株式会社小川組

 電気設備:協成電気株式会社

 空調設備:明和工業株式会社

 衛生設備:東都熱工業株式会社

 太陽光発電設備:住吉電機株式会社

延床面積:62,356㎡

階数:地上25階地下2階

構造:S/一部RC/SRC

竣工:2023年6月

受賞:空気調和・衛生工学会賞技術賞/コージェネ大賞/CFT構造賞/SDA賞/プレストレストコンクリート工学会賞/照明施設賞

【設計コンセプト】

「にぎわい×環境×防災」の都市型防災庁舎

計画地は市役所として昭和13年から市役所通りのアイコンとなり永く市民に親しまれてきた既存旧本庁舎の跡地であり、また、川崎駅から小売店舗や飲食店などの、まちのにぎわいが連続する市街地でもある。この旧本庁舎の歴史的な価値を継承しながら、旧本庁舎を再現した復元棟と高層棟の間に半外部空間の立体的で開放的な都市空間であるアトリウムを配置し、まちのにぎわいに寄与すると共に、多摩川の浸水災害を受けない中間階免震構造や地震時に天井材落下の恐れがない無天井執務空間など、あらゆる都市災害を想定した。また、コの字形状のプレキャストコンクリート板の外壁の内側を換気ボイドとして利用したエコマルチウォールの自然換気システムや窓周りの彫を深くすることによる、徹底的な日射抑制などによりZEBReady(BEI=0.47)を実現した。まちの「にぎわい」をつなぎ、市街地における「防災」と優れた「環境」性能を備えた、新しい都市型防災庁舎のあるべき姿を実現した。

【デザインストーリー】

防災と環境の融合した建築

https://www.kumesekkei.co.jp/designstory/kawasaki_city_hall.html

撮影:エスエス企画

虎ノ門ヒルズ ステーションタワーにおける環境設備計画とエネルギーマネジメント

撮影: Tomoyuki Kusunose

【設計者コメント】

このたび、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーが第64回空気調和・衛生工学会賞技術賞という名誉ある賞を賜りましたこと、大変光栄に思っております。

本業績は、多くの専門領域が交差する極めて複雑な大規模超高層複合施設を短期間で設計させていただきました。そのため、関係各所との綿密な連携と協議の密度と精度を上げ、加えて竣工後のコミッショニングを通した運用段階での検証の積み重ねによって成立しています。

特に大部分を占める事務所や商業などのテナントエリアに対して、以前は建物側設計者が関与しづらかった専有部の給排気制御や、飲食店舗テナントが運用しやすい操作パネルの開発に焦点をあて、徹底的な省エネルギー化と環境性能の向上に努めて参りました。

あらためて、このような複合的な都市プロジェクトが建築分野だけでなく環境技術分野でも高く評価されたことは、関係者一人ひとりのご尽力の賜物であり、建築主、施工者をはじめ、本プロジェクトに携わってくださったすべての皆様に、心より感謝申し上げます。

今後も、多様な人々の活動を支え、未来の都市のあり方を提案できるエンジニアとして邁進していきます。

【建築概要】

名称:虎ノ門ヒルズ ステーションタワー

所在地:東京都港区虎ノ門2-6-1

建築主:森ビル株式会社

設計:森ビル一級建築士事務所・OMA・久米設計

施工者:鹿島建設・三建設備工業・きんでん

延床面積:約236,640㎡

階数:地上49階地下4階

構造:S/SRC/RC/CFT

竣工:2023年7月

受賞:第66回BCS賞/日本建築家協会優秀建築賞/AACA特別賞/グッドデザイン賞/空気調和・衛生工学会賞技術賞/CFT構造賞/令和6年度優良消防用設備等消防庁長官表彰/照明施設賞

【設計コンセプト】

虎ノ門ヒルズエリアでの4棟目の開発として地下鉄新駅と一体開発された大規模超高層複合施設である。コンセプトは大別すると3つ。①環境性能と災害時事業継続の両立➁LEEDとWELLプラチナ認証取得③既存施設の技術継承と課題解決。特に、③については、大部分をテナントエリアが占めることから、内装設計や内装工事に左右されない標準設計の質を高めることや利用者に全てを委ねることのない新しい仕組み作りが必要であった。また、大小複数の棟を同時に進めることからも、街レベルのエネルギーや資源、環境への配慮が求められた。

オフィステナントでは特徴的な建築ファサードを生かすために新たに開発したローボーイ型のペリメーター空調機器に既存の知見を更に改善した省エネルギー化、高機能化を組み込んでいる。また、2000台を超える設備機器に対してAIを用いた更なる省エネルギー化と維持管理の省人化・高度化を行っている。建設中にコロナ禍を経たことからも、ウェルネス志向のシステムが導入されている。これは照明制御用の画像センサーを用いた人員数をもとに外気量を制御することでCO2濃度を元にした換気量制御よりも確実な換気量が確保できる仕組みである。

エネルギー消費密度の高い商業テナントに対して、テナントが自ら操作可能な厨房給排気量制御を導入し、非接触で手元操作が可能なスイッチの開発とテナント毎に設定が変えられるシステムの開発を行った。ホテル用途や高級レストランにもそれぞれ異なる給排気量制御システムを導入しており、テナントの種別や入れ替えを踏またシステム選定が可能であり、波及効果の高い取り組みである。

虎ノ門ヒルズエリアにおけるエネルギーの面的な利用の要とし、地下4階に地域冷暖房施設の第2プラントが設置されている。虎ノ門ヒルズエリア内の第1プラントと連携し、運用にAIを活用することで高度な運転管理を省人化、省エネルギー化する試みだ。ディマンドレスポンスにもプラント・需要家・テナントの三位一体で取り組みシステムが構築されており、都市における電力需要の逼迫時にも寄与できる仕組みとなっている。

国内でも珍しくはなくなった国際基準の環境認証だが、ステーションタワーでは最高位のプラチナランクをLEED-ND、LEED-BD+C、WELL-Coreと同時受賞しており国内初の事例である。防災対応としては、災害時に実運用で7日間の機能継続が可能。都市インフラへの貢献としては、様々な上水代替の仕組みを取り入れ、雑用水への上水使用率は0%である。また、ZWB達成率は54%と高い結果となった。ZEB達成率について、年間の一次エネルギー消費量はZEB-Oriented相当となっており、エネルギー消費の面でも高い環境性能の高い建物となっている。

複合用途のどの用途にも省エネルギー手法や環境性能を向上させる取り組みを行っているため、社会への貢献度や実用的な価値が高い技術が積層された施設である。

撮影:Jason O'Rear

【会社概要】

株式会社久米設計

「豊かさ」を拓く。私たちは「豊かさ」とは何かを真剣に考える多様な個性の集合体です。地域・人を大切に、未来を見据えた新たな価値を創造していきます。

1932年の創設以来、数多くの都市、建築の設計を手掛けてきました。技術とデザインの融合を追求し、人と社会への貢献を目指す企業です。本社を東京都江東区潮見に構え、社員数約650名(約450名の資格を有する専門家)を擁し、国内外の幅広いプロジェクトに取り組んでおります。持続可能な社会の実現へ、技術とデザインで貢献してまいります。

URL:https://www.kumesekkei.co.jp/

所在地:東京都江東区潮見2-1-22

取締役社長 井上宏

【久米設計Instagram】

https://www.instagram.com/kumesekkei/

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会社概要

株式会社久米設計

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URL
https://www.kumesekkei.co.jp/
業種
建設業
本社所在地
東京都江東区潮見 2-1-22
電話番号
03-5632-7811
代表者名
井上宏
上場
未上場
資本金
9000万円
設立
1932年10月