アスベスト被害遺族の請求を東京地裁が全面認容。20年の消滅時効は「死亡時」から。ベリーベスト法律事務所が同争点で2件目の原告勝訴判決

ベリーベスト弁護士法人

ベリーベスト法律事務所の佐藤舞弁護士(東京オフィス所属)、菅原繁男弁護士(東京オフィス所属)が原告代理人を務めた、アスベスト(石綿)健康被害に関する国家賠償請求訴訟において、2026年7月14日、東京地方裁判所は、中皮腫で亡くなった男性のご遺族の請求を全面的に認め、国に1430万円(および遅延損害金)全額の支払いを命じる認容判決を言い渡しました。国側は損害賠償請求権の消滅時効の成立を主張していましたが、判決はこれを退け、時効の起算点は「死亡時」であると判断しました。同種の争点をめぐっては全国の裁判所で判断が分かれる中、当事務所は2026年2月の東京地裁判決に続き、国からの勝訴判決を獲得しました。

【東京地裁が国への請求を認容。争点は損害賠償請求権の「時効の起算点」】

本件は、新潟県の造船工場で1959年4月から1989年7月ごろまで、外板曲げ加工や板金、配管などの作業に従事してアスベストにばく露した男性が、2002年8月に中皮腫と診断され、翌2003年10月に亡くなられた事案です。ご遺族(奥さまとお子さま)は、死亡から20年が経過する直前の2023年10月、当事務所の弁護士を代理人として、局所排気装置の設置を義務付けるという必要な規制権限を国が行使しなかった責任を問う訴えを提起しました。

アスベスト健康被害をめぐっては、2014年の最高裁判決で国の賠償責任が認められて以降、一定の要件を満たす被害者やご遺族は、国との裁判上の和解により救済を受けられるようになりました。ところが、損害賠償請求権が20年で消滅する時効の起算点について、国は現在、中皮腫については「発症した日」とする運用をとっています。本件でも国側は、中皮腫の発症による損害と死亡による損害は質的に異なるものではないとして、診断から20年が経過した後に提起された本件訴訟の時点で時効は完成していると主張し、ご遺族は、大切なご家族を亡くされたうえに、「時効」を理由に救済の道を閉ざされかねない状況に置かれていました。

これに対し当事務所は、ご遺族とともに、中皮腫の発症に伴う苦痛と死亡に伴う苦痛には明確な質的差異があること、発症時を起算点とすれば死亡による損害の賠償を求める機会が事実上失われかねないことなどを挙げ、時効の起算点は「死亡時」とすべきであると一貫して主張してきました。

2026年7月14日の判決で東京地裁は、中皮腫を発症しても死亡に至ることが確実とまではいえず、死亡による損害の賠償請求はご本人が亡くなった後に初めて相続人が行使できるものであることを指摘したうえで、発症による損害と、「生命という個人の根源的な法益を侵害され、人生そのものを奪われる」という死亡による損害とは質的に異なることは明らかであると判断。消滅時効は死亡時から進行するとして、国側の時効の主張を退けました。そのうえで、国が局所排気装置の設置を石綿工場に義務付けていれば男性は中皮腫を発症して亡くなることはなかったとして、規制権限の不行使を違法と認定し、死亡慰謝料および弁護士費用相当損害金の合計1430万円全額の支払いを命じる、原告らの請求を全面的に認める判決を言い渡しました。

時効の起算点をめぐっては、同種の訴訟が全国で起こされており、2025年7月には高松高等裁判所が「発症した日」を起算点としてご遺族の請求を退けるなど、司法の判断は分かれています。そうした中で、2026年2月の東京地裁判決に続き、本判決が「死亡時」を起算点とする判断を示したことは、同じ立場に置かれた全国のご遺族にとっても大きな意味を持つものと当事務所は考えています。

なお、2026年7月27日、国は本判決を不服として控訴しました。今後、上級審(最終的には最高裁判所)において、引き続き時効の起算点などが争われることとなります。当事務所は、ご遺族の正当な権利が認められるよう、引き続きご遺族とともに、主張・立証を尽くしてまいります。

【ベリーベスト法律事務所が同争点で得た原告勝訴判決は2件目】

当事務所は、時効の起算点が争われるアスベスト訴訟において、今回で2件目となる、国からの勝訴判決を獲得しています。1件目は、当事務所の河野翔平弁護士(名古屋オフィス所属)が原告代理人を務め、2026年2月13日に東京地方裁判所で言い渡された判決です。

この訴訟のご依頼者さまは、1964年から約16年間アスベストを扱う工場に勤務し、2002年(平成14年)に悪性胸膜中皮腫を発症して2004年(平成16年)に亡くなられた男性の奥さまでした。国に慰謝料の支払いを求めて2022年に提訴したところ、国は、中皮腫の時効の起算点を「発症した日」とする運用を踏まえ、損害賠償請求権は時効で消滅していると主張しました。

これに対し東京地裁は、中皮腫を発症した後も相当な期間にわたり生存する可能性があることを指摘したうえで、「中皮腫の発症による損害と死亡による損害は質的に異なる」と判断。時効の起算点は「死亡した日」とすべきで、損害賠償の請求権は消滅していないとして、国に1430万円の支払いを命じました。発症後の歳月を懸命に生き抜かれたご本人と、その歩みを支えたご家族の時間に、正面から向き合った判断でした。

この分野は、当事務所のほかにも各地の弁護団が長年取り組んできた領域であり、司法の判断も分かれる中、当事務所としても、こうした取り組みの蓄積の上に、今回2件目の勝訴という結果を得ることができました。

【本件を担当した佐藤舞弁護士のコメント】

本判決は、時効の起算点を「死亡時」と明確に判断し、亡くなられた方とご遺族の救済の道を正面から認めたものと受け止めています。アスベスト被害者やそのご遺族の中には、そもそも救済制度をご存じなかったり、国を相手に訴訟を起こすことに抵抗を感じたりして、相談や提訴に踏み切るまでに長い時間を要する方が少なくありません。本件も、提訴が時効期限の直前になった事案でした。ご自身やご家族の被害について、時効を理由にあきらめてしまう前に、まずはご相談いただきたいと考えております。

【報道関係者の方へ】

本件判決やアスベスト訴訟について、弁護士への取材を随時受け付けています。詳しい解説やコメントをご希望の報道関係者の方は、下記までお問い合わせください。

事務所名:ベリーベスト法律事務所
担当:PR・ブランディング戦略室
取材受付フォーム:https://inquiry.vbest.jp/media/

【ベリーベスト法律事務所について】

ベリーベスト法律事務所は、全国76拠点(2026年7月時点)を展開する総合法律事務所です。個人の方には、離婚、労働、交通事故、刑事、遺産相続、学校問題など、日常生活に関わる幅広い法的サービスを提供。法人には、顧問業務、紛争解決、労務、M&A、国際法務などのリーガルサポートを行っています。

 「お客さまの最高のパートナーでありたい。」

 この理念のもと、すべての所員が問題解決に真摯に向き合っています。

公式HP:https://www.vbest.jp/

アスベスト健康被害HP:https://keiji.vbest.jp/

ベリーベスト弁護士法人(所属:第一東京弁護士会)

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会社概要

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URL
https://www.vbest.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区六本木1-8-7 MFPR六本木麻布台ビル11階
電話番号
03-6234-1585
代表者名
酒井 将 浅野 健太郎 萩原達也
上場
未上場
資本金
-
設立
2010年12月