「N-NOSE Innovation Update」を開催 第三者による実社会データの解説とがん種の拡大をふまえ
年度内の「N-NOSE」の大型アップデートを予告
株式会社HIROTSUバイオサイエンス(本社:東京都千代田区、代表者:広津崇亮、以下「当社」)は、2024年9月20日(金)に報道関係者向けの技術説明会「N-NOSE Innovation Update~線虫がん検査『N-NOSE』の最新状況について~」を開催しました。
会では、PET-CT推進派の医師で構成される日本核医学会PET核医学分科会が行ったN-NOSEの実社会データや、国立のがんセンターと当社の共同での大規模臨床試験の研究結果による「N-NOSE」が反応するがん種の拡大について解説し、年度内の「N-NOSE」の大型アップデートを予告しました。
「N-NOSE Innovation Update~線虫がん検査N-NOSEの最新状況について~」サマリー
TOPIC 1:「N-NOSE」実社会データの発表
日本核医学会PET核医学分科会による調査結果に基づく試算から、「N-NOSE」高リスク者の「真の」陽性的中率は11.7%であり、一次スクリーニングとしての「N-NOSE」が有用であることを報告。
TOPIC 2:新製品の発表に向けて
国立のがんセンターとの大規模臨床試験をはじめとした、当社の多くの臨床研究の成果を踏まえ、これまでの15種から24種へ大幅拡大する新製品の年度内発表を予告。
TOPIC 3:次世代技術の発表
AIを用いた線虫の画像解析による精度の向上とがん種特定に向けた最新のアップデートを報告。 検査精度の指標となるAUC値(0.5≦AUC≦1)が最大値)は、従来の0.845→0.91へと向上。
■TOPIC 1:「N-NOSE」実社会データの発表
2024年9月1日にPET核医学会主催「PETサマーセミナー」で結果が発表された「N-NOSE」の実社会データに関して博士(理学)である当社代表 広津と近畿大学大貫宏一郎博士が解説しました。このデータはPET-CT推進派の医師で構成される日本核医学会PET核医学分科会が2023年10月から行ってきたもので、多施設のPET-CT推進病院にアンケートを取り「N-NOSE」の精度を調べました。この第三者による客観的な調査結果の分析から、「N-NOSE」の実社会における感度は非常に高いことがわかりました。
この実社会データに関し大貫博士は、「線虫検査自体は非常に高い精度を持っており、研究者としても大変期待しています。しかし、聴講したサマーセミナーでは、矛盾した説明があり、違和感を覚える発表がいくつか見られました。特に、線虫検査に関しては、精度が高いと非常に期待される方法であるにもかかわらず、理解不足からくる計算誤りや偏向報道が見受けられる点が懸念されます。正確な情報が伝わらないことで誤解が生じると、問題を生む可能性があります。会場にお越しの皆様が正しい情報をしっかりと理解し、偏向報道に惑わされることなく、日本の技術を積極的に応援してくださることを心から期待しております。」とその意義を強調しました。
■TOPIC 2:新製品の発表に向けて
2024年7月に論文公表した「N-NOSE」の有効性を検証する大規模臨床試験(国立のがんセンターとの共同研究)の結果で明らかになった「N-NOSE」で反応するがん種の大幅拡大を踏まえ、「N-NOSE evolution」(仮)とする新製品の年度内を発表。これまで公表していた15種類のがんに加え、当社の多くの臨床研究の成果(学会発表・論文掲載)に基づき、新たに小児がん、舌がん、歯肉がん、声門がん、甲状腺がん、皮膚がん、消化管間質腫瘍(GIST)、精巣がん、血液がん(悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、白血病を含む)の全24種に適応拡大します。これにより厚生労働省が集計対象としているがん全体の99.4%をカバーします(注)。
参考:2024/7/24発信当社リリース「線虫がんスクリーニング法「N-NOSE」の大規模臨床研究の結果を論文発表」
(注)厚生労働省が集計対象としたがん種に限定した場合の数値「全国がん登録 罹患数・率 報告2019」に基づく。がん罹患者全体に対するN-NOSEのカバー率は、86.8%(従来の15種)→99.4%(今回の24種)となる。
■TOPIC 3:次世代技術の発表
AIを用いた線虫の画像解析による次世代技術について解説しました。嗅覚による線虫の動きに関する大量の画像データをAIにより処理することで、精度向上とがん種特定が可能となりました。精度向上については現状のAUC* 0.845より0.91に、がん腫特定については、肺がんおよび前立腺がんに関して「N-NOSE plus すい臓」を上回るAUCが確認されたことが発表されました。
*AUC(Area Under the Curve)とは、ROC(Receiver Operating Characteristic)曲線より下の面積のことで、1.0に近いほど検査の分離能が優れている(高感度、高特異度)ことを示します。感度と特異度は相反する関係にあります。がんのスクリーニングでは、がん有病率が相当に低いことから高感度の検査による「がん疑い」の抽出が求められます。
■HIROTSUバイオサイエンスについて
生物の能力を活かした独自の検査技術の研究開発と実用化を通じて「人々の健康と未来の安心を守ること」を目指しています。2016年に設立し、研究者の豊かな発想とたゆまぬ努力で、N-NOSEが実用化されました。人生100年時代、健康寿命の延伸が重要視される一方で、2人に1人ががんに罹患すると言われています。こうした社会的課題の解決に、人工機器を凌駕する線虫の優れた嗅覚の力を活用した世界初の画期的な技術をもって貢献いたします。
会社名 株式会社HIROTSUバイオサイエンス
所在地 東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート
代表者名 代表取締役 広津崇亮
設立年月 2016年8月
主な事業内容 線虫および線虫嗅覚センサーを利用したがん検査の研究・開発・販売
コーポレートサイト https://hbio.jp/
■「N-NOSE」について
嗅覚の優れた線虫C. elegansが、人の尿中に含まれるがん特有の匂いを高精度に検知することを利用した、がん検査。尿を提出するだけで、簡便・安価・高精度・全身網羅的に早期がんリスクを調べることが可能です。
サービスサイト:https://lp.n-nose.com/
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