宮崎県警生活環境課と延岡署、クラックツール提供での逮捕容疑に著作権法違反を初適用

BSA | The Software Alliance(本部:米国ワシントンDC、以下BSA)は本日、宮崎県警生活環境課サイバー犯罪対策室と延岡警察署が2015年6月3日と24日に、自身が開設したインターネット・ウェブサイト上でクラックツールを販売していた大阪府和泉市内の男性を不正競争防止法違反及び著作権法違反の疑いで逮捕したと発表しました。
クラックツール販売への不正競争防止法適用例は、2014年9月11日の福井・栃木県警による逮捕を皮切りに4件目となります。しかし、著作権法の定める「技術的保護手段」回避プログラム提供の禁止違反を含めた逮捕例は今回が初めてです。
    
男性は、BSA加盟企業であるマイクロソフトコーポレーションの「Office  2013 Professional」体験版及びアドビ システムズ インコーポレイテッドの「Adobe Photoshop CC」を、メーカーのライセンス認証システムを回避することを可能にするクラックツールをグーグルドライブに蔵置し、2014年5月頃から自ら開設した会員制ウェブサイトから会員がダウンロードできる状態に置いた疑いによるものです。BSAは、宮崎県警からの依頼を受け、加盟企業のライセンス認証システムに関する情報を提供するとともに、クラックツール提供に関わる不正競争防止法・著作権法の解釈・適用に関して鑑定書等を作成するなどの捜査協力を行っていました。

著作権法は1999年の改正で、著作権等を侵害する行為の防止又は抑止する手段である「技術的保護手段」を回避するための装置やプログラムの譲渡等を禁止し、違反に対して罰則を科しています(第120条の2第1号)。不正競争防止法は「技術的制限手段」を無効化する装置・プログラムの提供を不正競争に当たるとして禁止していますが、その要件は著作権法上の「技術的保護手段」回避プログラム提供禁止とほぼ同様です。

メーカーのライセンス認証システムは、特定の信号をユーザーパソコン内に記録させることでプログラムの実行を可能化するシステムですが、クラックツールはこの信号を偽造・偽装することでライセンス認証システムを回避する悪質なプログラムです。こういったクラックツールの販売については、2014年10月15日の福井簡裁による罰金50万円の略式命令、2014年12月5日の宇都宮地方裁判所による懲役1年6月(執行猶予)及び罰金50万円の有罪判決があります。今回の著作権法違反による逮捕は、クラックツール提供が不正競争防止法違反に止まらないとの初の判断を示すもので、これに対する司法判断が待たれるところです。

今回の逮捕を受けBSA日本担当共同事務局長の松尾早苗は、「クラックツール販売を含め、各県警による広域的かつ迅速なサイバー犯罪捜査には目を見張るものがありますが、今回の逮捕の根拠法として著作権法違反を挙げられた宮崎県警の判断には深く敬意を表します。捜査機関によるクラックツールの不正販売に対する厳正な捜査・処分を期待しています。」とコメントしています。

リリース本文は以下URLからご覧ください。
http://bsa.or.jp/news-and-events/news/bsa20150707/

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