現行制度ラスト・初のCBT実施となる「応用情報・高度試験」、企業の約8割が「例年通り」の受験計画を堅持【調査レポート】

CBT移行は9割超の企業が歓迎。記述・論文のPC入力環境に伴う社内指導への模索も

株式会社SEプラス

IT教育会社である株式会社SEプラス(所在地:東京都千代田区、代表取締役:村田 斉、以下当社)は、情報処理技術者試験(応用情報技術者試験、高度試験)の活用や推進に携わる企業の人事・教育担当者(有効回答数:161社)を対象に、2026年10月~2027年3月に実施予定の「現行制度最後の1回(初のCBT方式)」に向けて、「企業の受験方針およびCBT移行に関する意識調査」を行いました。

調査の背景

IPA(情報処理推進機構)の試験制度再編に伴い、長年ITエンジニアのスキル指標として親しまれてきた現行の「応用情報技術者試験」および「高度試験(各専門区分)」は、2026年10月~2027年3月の試験(※CBT方式での1回限りの実施)をもって終了となります。2027年度からは「プロフェッショナルデジタルスキル試験(3領域)」等へと統合・再編されることが決定しています。 この歴史的な転換期において、企業の育成現場が現行最後の応用情報・高度試験にどう向き合っているのか、その対応方針とリアルな課題を浮き彫りにすべく、本調査を実施いたしました。

調査結果サマリー

1.企業の8割以上が受験推奨方針を「例年通り」と回答。制度終了期も計画を堅持 

応用情報で83.2%(134社)、高度試験で80.1%(129社)の企業が「例年通り」受験を推進。転換期においても、決定済みの社内育成計画を堅実に進める企業が多数派となりました。

2.CBT移行(ペーパー試験廃止)は全体の91.3%が歓迎傾向。試験実施の柔軟性を評価 

移行自体を「歓迎(どちらかといえば含む)」とする企業は91.3%(147社)と圧倒的多数。日程や場所の選択肢が増えることによる、社員の受験利便性向上に期待が寄せられています。

3.初の「記述・論文のPC入力」に対し、11.8%の企業で社内試験対策に慎重な姿勢も 

受験環境が大きく変化する中、社内試験対策について「これまで通りの対策のまま臨む(変更予定なし)」が77.6%(125社)を占める一方、「対策方法を模索中・検討中」とする企業も11.8%(19社)見られ、CBT特有の入力環境への対応が注視されています。

調査結果の詳細

1. 「現行制度最後の1回」に向けた、各資格に対する受験方針

応用情報で83.2%、高度試験で80.1%の企業が、受験方針を「例年通り」と回答し、多くの企業が冷静かつ計画的な対応をとっていることが分かりました。

【各資格の受験推奨方針の内訳】

応用情報技術者試験(n=161)

例年通り:83.2%(134社) 

今回は見合わせる・動向を注視する:13.7%(22社) 

受験推奨を強化する:3.1%(5社) 

高度試験(n=161)

例年通り:80.1%(129社) 

今回は見合わせる・動向を注視する:16.1%(26社) 

受験推奨を強化する:3.7%(6社)

2. 受験方針の意思決定理由(各方針選択企業ごとの内訳)

現行最後というタイミングに対して、企業がどのような意図を持って方針を決定しているのか、理由の内訳を公開します。 

※各受験方針を選択した企業数を分母(n数)として算出 / 複数選択可

(1) 受験方針を「例年通り」とした企業の理由

全体の8割以上を占める「例年通り」の企業では、7割以上(応用73.1%、高度73.6%)が「年間の育成スケジュールに基づいた堅実な運用」を理由に挙げています(応用21.6%、高度20.9%が「その他」)。移行期であっても、従来の育成計画をぶれずに完遂する姿勢が表れています。

(2)受験方針を「今回は見合わせる・動向を注視する」とした企業の理由

現行最後となる試験を見送る判断をした一部の企業では、新試験への早期シフトやCBT記述対応への懸念が理由として挙げられました。

【受験を見合わせる・動向を注視する理由の内訳(複数選択可)】

応用情報技術者試験(n=22)

1回きりの実施となる「CBT方式(科目BのPC記述入力)」への対応が、社員にとって負担が大きいから:36.4%(8社) 

2027年度からの新試験に照準を合わせ、育成計画をそちらにシフトしたいから:31.8%(7社) 

その他:31.8%(7社) 

高度試験(n=26)

2027年度からの新試験に照準を合わせ、育成計画をそちらにシフトしたいから:34.6%(9社) 

1回きりの実施となる「CBT方式(PC記述入力)」への対応が、社員にとって負担が大きいから:26.9%(7社) 

その他:38.5%(10社)

(3)受験方針を「強化する」とした企業の理由

受験方針を強化すると回答した極めて少数の企業(応用5社、高度6社)においては、現行制度の確実性を評価する声が見られました。

【受験推奨を強化する理由の内訳(複数選択可)】

応用情報技術者試験(n=5)

新試験における「応用情報」レベルの扱いや評価がまだ不透明なため、現行資格のうちに取得させたいから:100.0%(5社) 

新試験に変わる前の、これまでの対策ノウハウ(過去問など)が使えるうちに合格者を増やしたいから:80.0%(4社) 

高度試験(n=6)

新試験に変わる前の、これまでの対策ノウハウ(過去問など)が使えるうちに合格者を増やしたいから:83.3%(5社) 

2027年の新試験では3領域に統合・集約されるため、より専門分野が明確な現行区分のうちに取得させたいから:50.0%(3社)

3.CBT方式移行(ペーパー試験廃止)に対する評価

CBT移行について、全体の91.3%(147社)の企業が肯定的に捉えています。日程や試験会場の選択肢が広がることで、受験のしやすさが向上する点が支持されています。

【CBT方式移行(ペーパー試験廃止)に対する評価の内訳(n=161)】

歓迎派(計91.3% / 147社)

歓迎: 24.8%(40社)

どちらかといえば歓迎: 66.5%(107社)

どちらかといえば不満: 6.8%(11社)

不満: 1.9%(3社)

●CBT方式移行に対する評価理由

「歓迎派」の理由としては、日程や場所の自由度向上など、社員の受験ハードルが下がる点を評価する意見が圧倒的多数を占めています。

一方で「不満・懸念」を抱く理由としては、受験者本人の負担だけでなく、研修や管理方法の見直しといった「育成を預かる会社側の運用負担」をリアルな課題として認識される傾向が見られます。

【CBT移行に対する評価理由の内訳(複数選択可)】

CBT移行を「歓迎」する理由(n=147)

試験日を期間内で自由に選べるようになり、社員が受験しやすくなるから:125社 

最寄りのテストセンターで受験しやすくなるから:77社 

科目A群と科目B群が別日程での受験になり、個別の対策がしやすくなるから:54社 

CBT移行に「不満・懸念」を抱く理由(n=14)

記述・論述式問題をPCで入力・解答することへの不安があるから:9社 

試験制度の変更に伴い、社内での対策や研修の見直しが必要になるから:5社 

試験期間が分散するため、会社側で受験日や合否の管理(進捗把握)がしにくくなるから:4社

4.CBT本番に向けた「社内試験対策」の検討状況

初のCBT記述試験に向けて、77.6%(125社)の企業が「特に学習支援の変更は予定せず、これまでの対策のまま臨む」と回答しました。一方で、11.8%(19社)の企業は新しい試験形式に対するアプローチについて検討を進めている状況です。

【CBTに向けた「社内学習支援」の課題の内訳(n=161)】

特に変更する予定はない(これまでの対策のまま臨む):77.6%(125社) 

まだ分からない(検討中):10.6%(17社) 

必要性は感じているが、具体的にどうCBT対策をすればいいか分からない:9.3%(15社) 

具体的対策を検討・実施中:2.5%(4社)

まとめ:歴史的転換期における企業の戦略と「現場の本音」

本調査からは、企業の約8割がこれまでの計画通り受験を推進する冷静な対応をとる一方で、「初のCBT方式での記述・論文入力」という試験環境の劇的な変化に対し、ポジティブに捉えつつも具体的な指導・支援ノウハウが社内に蓄積されていない実態が明らかになりました。

また自由記述では、IT人材の育成現場を預かる担当者たちのリアルなジレンマや懸念が多数寄せられています。

【企業の声(自由記述より抜粋)】

・タイピング・解答環境への懸念: 

実務でキーボードに慣れている社員であっても、制限時間内に数千字の論文をPC上で組み立てて入力するとなると、手書きとは全く異なるタイピングスキルや精神的負担が発生するため、対応が難しい

・対策教材・指導ノウハウの不足: 

PC画面上で長文を読み解きながら解答する特有のプレッシャーに対し、社内でどのような学習ツールを提供し、どう周知すれば合格率を維持できるのか分からず悩んでいる

・問題非開示による次年度対策への影響: 

CBT化に伴い試験問題が手元に残らなくなると、これまで行っていた過去問ベースの社内講習などのノウハウが通用しなくなるのではないかと不満や不安がある

SEプラスコメント

e&TS Division マネージャ(IT教育事業責任者) 山田 裕輔

本調査にご協力いただきました企業の人事・人材育成ご担当の皆様に、心より御礼申し上げます。

2027年度の制度再編を控えた「現行最後の試験」であると同時に、「最初で最後のCBT試験」を迎える歴史的な転換期において、回答企業の約8割が「例年通り」の育成計画を維持・推進していることが明らかになりました。判明している情報に基づき準備を進める姿勢から、企業の人材育成における成熟度の高さがうかがえます。

CBT化に対しては9割超の企業が利便性を歓迎する一方、初の「PCでの記述・論文入力」に対する困惑も散見されます。しかし、今後2028年度以降に検討予定の論述試験が仮にCBT試験で実施された場合は、今回のPC入力の経験はアドバンテージになると考えられます。

2027年以降の新試験への円滑なシフトを見据える上でも、まずはこのラストチャンスに向け、CBT化に伴うPC画面上での解法や論述入力など「現在判明している変更点・ポイント」を的確に理解し、対策を進めていただくことが重要です。

当社としても、最新動向の情報提供およびCBT対応の対策講座や定額制応用情報・高度試験対策サービスKOUDOなどの学習支援を通じ、企業のIT人材育成と受験者の合格をサポートしていきます。

調査概要

調査対象: 国内企業の人事・教育研修担当者、マネジメント層

有効回答数: 161社(重複回答・不備回答を除く)

調査期間: 2026年6月24日~2026年7月9日

調査機関: 株式会社SEプラス(自社調査)

調査手法: インターネット調査(選択式・一部自由記述)

     ※本調査の結果をご利用いただく際は、「株式会社SEプラス調べ」とご明記ください。

株式会社SEプラスについて

社名:株式会社 SEプラス / SE plus Co., Ltd.

所在地:〒102-0084 東京都千代田区二番町11-19興和二番町ビル2階

電話番号:03-6685-5420

資本金:1,750万円(東証スタンダード上場SEH&I 100%出資)

URL:https://www.seplus.jp/

公式YouTube:https://www.youtube.com/c/SEplusITeducation

IT書籍に特化した出版社「翔泳社」の一部門としてIT教育サービスを開始。

2001年にグループ会社として独立し、IT人材教育サービス事業、医療/コメディカル系人材紹介事業の2つの事業を実施。

IT人材教育サービス事業では、情報処理試験対策eラーニング「独習ゼミ」やIT特化型定額制研修サービス「SEカレッジ」などBtoB向けのIT教育を中心に展開。

”本当に価値あるIT教育とは何か?”を常に考え、既存サービスにとらわれず、いまの課題を解決できるようなIT教育サービスを開発し続ける。

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会社概要

株式会社SEプラス

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URL
https://www.seplus.jp/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都千代田区二番町11-19 興和二番町ビル2階
電話番号
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代表者名
村田斉
上場
未上場
資本金
1750万円
設立
2001年11月