2023年上半期のトレンド料理ワード大賞はイタリア発の「暗殺者のパスタ」~「アルモンデ」「爆速」など賢く工夫をしながら料理を楽しむ兆し~
選定方法について
本発表は、フーディストサービスが運営するメディア及びコミュニティ「レシピブログ(ブログ)」、「フーディーテーブル(Instagram)」、「スグレピ(Twitter)」の各編集部が、2023年上半期の検索数や投稿数などを基に上半期に注目された料理関連ワードを選出。各サービスに参加するユーザーを対象に2023年上半期の料理トレンドを振り返るアンケートを実施し、その結果を基に編集部にて決定したものです。
2023年上半期トレンド料理ワード大賞 総括 フーディストサービス統括リーダー 久永千恵
マスク着用の任意化など、3年越えのコロナ禍から正常な暮らしが戻ってきた2023年上半期。海外からの旅行客も増えインバウンド消費も活気づく中、国内の料理や食への関心はどのような動きがあったのでしょうか。今回の結果から注目したのは「賢く楽しむ節約術」と「定番アイテムの再評価」です。
2023年上半期、大賞に輝いたのは「暗殺者のパスタ(スパゲッティ)」。昨年12月、日本在住の二つ星イタリアン元料理人・MARCOさん(※)が海外のSNSで流行中という「Spaghetti all’assassina(暗殺者のスパゲッティ)」をYouTubeで紹介したところ、ユニークな作り方とインパクトのあるネーミングで国内でもあっという間に話題に。人気インフルエンサーをはじめInstagramやTwitterでも真似する人が続出し、テレビでも頻繁に取り上げられました。フーディストからも「著名な人が次々と投稿していて話題性を感じた」「衝撃的な名前とおいしそうな見た目のギャップにやられた」という声が届いていました。
※「きょう何たべよ / Marco Macri」
https://www.youtube.com/watch?v=zay6KtPCEp8&t=25s
物価高騰の影響による節約志向が色濃く反映されたのが2位の「アルモンデ」。冷蔵庫にあるものやストック食材を活用した料理のことですが、レシピブログでは昨年から検索数が伸び昨対比で80倍に上昇しました。食品の値上げラッシュが続く中、節約することを悲観的にとらえるのではなく工夫して楽しもうとする姿勢が支持されており、フーディストからは「冷蔵庫にある食材でアルモンデ弁当を作っている」「食べ物を無駄にしないことで食品ロスにもつながる」など前向きなコメントが寄せられています。
3位は生春巻きの皮としておなじみの「ライスペーパー」。スイーツやおつまみ、スナックなど新たなアレンジがSNS上で話題となり、リバイバルヒットに。若い世代には「ショートムービー」から波及する動きも活発で、「ライスペーパー」を活用した料理をひたすらシェアするTikTokクリエイターも人気となっています。フーディストからは「余らせがちだったライスペーパーだが使い勝手の良さを再認識した」といった声が届いていました。
昔からある定番アイテムが再評価される動きは6位の「せいろ(蒸籠)」にも表れており、享受する世代によって生まれる新たな価値を互いにシェアしながら楽しむ潮流がファッションや音楽と同様、料理にも生まれているようです。
大賞:暗殺者のパスタ(スパゲッティ)
南イタリア・プーリア州発祥の料理で、スパゲッティをフライパンで焼き付けてからトマトソースを煮含める独特の調理法と「トマトソースが飛び散って殺人現場のようだから」「唐辛子が殺人的に辛いから」などが由来とされるユニークな名前で話題に。
(参考)https://foodistnote.recipe-blog.jp/article/125285/
<ユーザーコメント>
・美味しくて何度も作りました(30代・女性)
・名前のインパクトもあって、更に前に流行った「ワンパン」の元祖、真打的でトレンドとしてふさわしいのではと思いました(50代・女性)
・これは簡単で男性でもキャンプで作ったりと本当にいいと思いました(40代・女性)
・とにかくインパクトがあり、一時期SNSでこのキーワードを見ない日はないような時期があった(40代・女性)
2位:アルモンデ
新たに食材を買うのではなく「あるもので=アルモンデ」工夫して作る料理のこと。物価高への対応を節約や我慢と捉えるのではなく、肉を豆腐に置き換えて炒め物を作ったりと賢くおいしくアレンジする前向きな考え方が話題を集めた。
(参考)https://foodistnote.recipe-blog.jp/article/125218/
<ユーザーコメント>
・苦肉の策作とも思えないものがたくさんあって、皆さんの知恵の絞り具合が素晴らしいと思います(60代・女性)
・キャプション内やハッシュタグでこの言葉を使用されているのを目にしている(50代・女性)
・フードロスにも繋がるし限られた食材で自分らしく新しい料理、新しい組み合わせを発見するいい機会になるから(40代・女性)
・いろんなものの値上げが相次ぐなか、より「アルモンデ」を意識するようになりました(50代・女性)
3位:ライスペーパー
さまざまな具材を巻いてトッポギ風にしたり、クリームや果物を巻いてスイーツにしたりなど、ライスペーパーを使ったさまざまなレシピが話題に。中の具材が透き通って見えるので見た目もよく、もちもち食感も楽しいとの声が上がった。
(参考)https://tinyurl.com/2724aunu
<ユーザーコメント>
・YouTubeなどの動画サイトでライスペーパーを使ったアレンジを載せているものが多く見かけられたから(30代・女性)
・生野菜を使ったいつもとちがう食べ方がすごく新鮮で、真似したいと思いました
・巻いてしまえば何でも可愛らしく見える。ストック出来ることも魅力的です(50代・女性)
・意外性のある目新しいレシピが増えてきたと感じた(50代・女性)
4位:ちくわレシピ
物価高騰が続き今期もさまざまな節約レシピが人気であったが、中でもちくわは人気の食材で、多くのフーディストたちがちくわレシピを投稿。穴に具材を詰めたり揚げたりと楽しみ方が幅広く、お弁当のおかずとしても◎。
(参考)https://tinyurl.com/3ecdnejc
<ユーザーコメント>
・手軽に使える食材の上に、節約料理にもなるので(40代・女性)
・身近な食材であと一品、あるものでおかずの一品、日常使えるレシピ、仕事帰りにもさっと作れる美味しさは常に注目されるのではないでしょうか(50代・女性)
・物価高の中、100円未満で買えて味が出る、お肉にカサ増しするなど利用価値大(50代・女性)
5位:アイリスオーヤマ
生活家電や調理家電など多彩な製品を開発・販売する日本のメーカー。手頃な価格で高品質なアイテムを揃えており、一人暮らしから子育て世代まで幅広く支持を得ている。SNSには同社のフライパンや電気圧力鍋などを活用したレシピがシェアされている。
(参考)https://tinyurl.com/2urymapx
<ユーザーコメント>
・こんな家電があったら良いなと思う機能を備えていて、今だけでなく長期のトレンド家電になりそうです(60代・女性)
・「#オーヤマくん」などタグを付けた投稿も目立っていた(40代・女性)
・調理器具がシンプルでお手頃で使いやすいです(30代・女性)
6位:せいろ(蒸籠)
蒸気でじっくり加熱することで、水分を保ち、素材のおいしさを引き出せることから、ご飯やおかずの調理だけでなくパンの温めやお弁当作りにまで幅広く活用し「#せいろ生活」「#蒸籠のある暮らし」といったハッシュタグで発信する人が増加。食卓にそのまま出せる点も人気。
(参考)https://tinyurl.com/3au8nbzd
<ユーザーコメント>
・「#蒸籠のある暮らし」の投稿をかなりよく見かけたため(30代・女性)
・せいろ蒸しは栄養価が高そうで、そのまま食卓に出せるのもいいなと思った(50代・女性)
・せいろが話題になり電気せいろを購入。余ったおにぎりもせいろで蒸せば倍美味しくなります(30代・女性)
・他の料理をしている間ほっといてよいので重宝している(30代・女性)
7位:ショートムービーレシピ
Twitterではこれまで画像とテキストでレシピを投稿する傾向が強かったが、30秒以内の短い動画とテキストでレシピを投稿するフーディストが急増した。工程が視覚的に分かりやすく、今後の主流になる可能性も。
(参考)https://foodistnote.recipe-blog.jp/article/113495/
<ユーザーコメント>
・ちょっとした疑問もショートムービーレシピなら解決。テレビやYou Tubeを見る感覚で、つい見てしまう(40代・女性)
・すぐにムービーを見終えることができるので、暇な時間にムービーを見ることが増え、ムービーでおいしそうと思ったものを作るようになった(20代・女性)
・自身も含め、年齢や環境を問わず周りの友人も活用している人が多いと感じている(40代・女性)
8位:野菜のステーキ
大根、白菜、キャベツ、新玉ねぎなどを大きめに切ってフライパンでじっくり焼き「ステーキ」として食べる料理。野菜のおいしさを再認識し、魅力を最大限楽しむ方法として上手な焼き方や味付けを紹介するフーディストが多かった。
(参考)https://tinyurl.com/5467xtx3
<ユーザーコメント>
・SNSやテレビでもよく見かける。 簡単で豪快な感じがインパクト大(60代・女性)
・作れる手軽さと季節ごとに旬を楽しめて その上ヘルシーでいうことなし(50代・女性)
・大きめに切ったキャベツを焼いたステーキを作ってみました。とても美味しく他の野菜でも やってみようと思いました(50代・女性)
9位:リュウジの本気カレー
人気料理研究家リュウジさんが発売した冷凍カレー。オイスターソースや豆板醤、花椒などさまざまな調味料が使用されており、唯一無二の味わい。販売開始後はわずか数時間で完売してしまうほど話題になった。
(参考)https://tinyurl.com/y97c85v9
<ユーザーコメント>
・豆板醤、花椒など様々な調味料を駆使したカレーのコクがよくきいていて止まらない旨さがとてもよかったです。具もたくさん入っていてたっぷり食べられるところが好感です(30代・男性)
・Twitterのトレンドに何度か上がっているのを見た(30代・女性)
・冷凍というのが良かったです(20代・女性)
10位:爆速
今までの常識を覆すような調理法であっという間に作れるレシピを表現する際に用いられる。中でも爆速レシピクリエイター・およねさんのレシピは10分前後で作れるものが多くInstagramやTikTokで話題となっている。
(参考)https://tinyurl.com/dwyfcxpu
<ユーザーコメント>
・10分以内で作れる爆速レシピは主婦の味方です(50代・女性)
・初心者でもとっかかりやすい印象があり、ハードルが下がっていいなと思います(30代・女性)
・忙しい毎日での新たな救世主としてとても役立っている(30代・女性)
・疲れているときや時間がないときなどに助かる(40代・女性)
【提供画像について】
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フーディストサービスが注目する2023年下半期の料理関連トピックス
新型コロナウィルス感染症が5類に移行し、旅行やリアルイベントが心から楽しめるようになりました。長く続いたトンネルから抜け出せるよろこびを感じながらも、テレワークや家飲みなどコロナ禍で生まれた新潮流は私たちの生活に根付きつつあります。2023年下半期に躍進しそうなのが、価格変動や社会課題に対応した代替食やAIツールの可能性に関心が高まりそうです。
1)おいしく進化!高まる米粉の需要
高騰する輸入小麦の代替食材として注目されている米粉。専用米の開発で以前よりおいしさがアップし、パンやスイーツ、麺など幅広い商品が販売されています。グルテンフリーで健康志向の方からも支持が高く、フーディストからは「アレルギーに悩む人にも優しい食材」「小麦粉の代わりに米粉を使った料理がもっと出てくる」という声も。2023年は米粉用米の需要が過去最高の見込み(※)となっており、更なる市場拡大が期待されます。
※米粉用米の需要が過去最高 輸入麦代替や外食回復
https://news.yahoo.co.jp/articles/6e3722da843416da3bf6bc3b3ffa9f17b8bf2e23
2)価格高騰の救世主!卵の代替食品
鳥インフルエンザの影響で鶏卵価格の高騰が新たな社会問題に浮上しています。卵の供給自体が減少し、スーパーや飲食店では購入制限を行ったり一部のメニューを休止したりする事態に見舞われました。そこで注目されているのが植物由来の卵代替食品。キユーピーやカゴメは製品開発に着手しており(※)、今後の普及が予想されます。フーディストからは「卵が高騰しているので卵の代わりになる食材や卵風のアレンジ料理が増えそう」などの声が上がっていました。
※キユーピーやカゴメが「代替卵」を開発、気になる原料と味は
https://news.yahoo.co.jp/articles/f03dba602f4dcaa48a7368503404ef3d466cc0c6
3)世界が注目!海藻の可能性
日本では和食や汁物、サラダに使うことが多い昆布やわかめなどの海藻。海外では食物繊維やミネラル、ビタミン類が豊富で、ダイエットや美容効果が高い食材として注目を集めています。海藻を使ったスイーツやドリンク、スナックなども販売され、若い世代からも人気となっているようです。海藻は海底に生息し日光と海水だけで成長します。光合成の効率もよく、二酸化炭素も吸収するため、環境に優しいサステナブルな食材としても期待が高まっています。
4)新たな相棒に?料理×AIツールの活用
月間アクティブユーザーが1億人を突破し話題のChatGPT。ユーザーの質問や相談に回答するだけでなく、文章の執筆や資料作成にも対応でき、料理では献立やメニュー提案が可能です。ネット上ではChatGPTを使って料理を作り検証する様子が頻繁に紹介されていますが、米国では冷蔵庫の中身を画像解析し、レシピを考案する技術開発も行われています。セキュリティや正確性など課題も多くありますが、急速に進化するAIツールが暮らしにどこまで浸透するのか、注視したいところです。
※アクティブユーザー数は1億人突破、ビジネスシーンでどう役立つ?
https://news.yahoo.co.jp/articles/97c9b266d137aa038b3c927f31259d52f35b12b5
2023年上半期の料理トレンドを振り返るアンケート概要
調査方法 :フーディストサービスにてユーザーアンケートを実施
回答者詳細:・性別 男性10% 女性89% 回答しない1%
・年代 20代5% 30代21% 40代30% 50代34% 60代以上10%
有効回答 :459名
アンケート実施期間:2023年5月19日~5月26日正午
(※)「フーディスト」及び「フーディストサービス」について
フーディストとは、料理インフルエンサーであり、料理クリエイターである人たちの総称です。日々料理や食を楽しみながら、ブログやInstagram、TwitterなどのSNSで積極的に発信をして活躍している方々です。
フーディストサービスは、日本最大級の料理インフルエンサーネットワークです。約3万人の料理インフルエンサー(フーディスト)とともに、料理メディア及びコミュニティ(フーディストノート、レシピブログ、フーディーテーブル、スグレピ)を運営しています。 また、企業向けに料理インフルエンサーとのマッチングを行う「フーディストナビ」「フーディストパーク」では、フーディストとクライアントとのコラボレーションを企画・提案しています。※フーディスト(R)はアイランド株式会社の商標登録です。
<フーディストサービス運営メディア&コミュニティ>
・フーディストサービス
・フーディストノート
https://foodistnote.recipe-blog.jp/
・レシピブログ
・FoodieTable(フーディーテーブル)
・スグレピ
・フーディストパーク
https://foodist-service.jp/park
・フーディストナビ
アイランド株式会社について
「フーディストサービス(フーディストノート/レシピブログ/フーディーテーブル/スグレピ)」「おとりよせネット」「朝時間.jp」などのサービスをはじめ、イベントスペース「外苑前アイランドスタジオ」を運営しています。これまでありそうでなかった「こんなサービスがあったら、自分たちもみんなも嬉しい」サービスを考え、日々の生活が豊かになるサービスの提供を目指しています。
<会社概要>
商号 : アイランド株式会社
代表者 : 代表取締役 粟飯原 理咲
所在地 : 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-1-25 神宮前IKビル2F
資本金 : 1,600万円
事業内容: ・ライフスタイルメディアの運営事業
・料理インフルエンサープロモーション/料理インフルエンサーマーケティング事業
・食品ECサイト(オンラインショップ)の集集客、販促支援、食を軸にした地域創生支援事業
URL : https://www.ai-land.co.jp/
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