【2025年下半期以降の業種別倒産発生予測ランキングを発表】1位の電子部品・デバイス・電子回路製造業は33社に1社が倒産可能性あり

~14,800社・289,283件のネット情報等から、倒産危険度の高い業種を分析~

アラームボックス

・製造業で倒産危険度が上昇、構造的な採算悪化や資金繰りの悪化が表面化

・漁業・農業の一次産業で倒産リスク高水準、飼料・燃料費高騰と需要変動が影響

・代金未払い訴訟や支払い遅延の口コミなど、倒産の兆候が複数業種で確認

AI与信管理サービスを提供するアラームボックス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:武田浩和、以下「当社」)は、この度、2024年6月1日~2025年5月31日の期間に収集された14,800社・289,283件のネット情報等から1年以内に倒産する危険性がある“要警戒企業”を分析・抽出し、「倒産危険度の高い上位10業種」を予測しましたので発表します。

 

◆倒産可能性の高い業種ランキング

◆調査背景

昨今は円安による輸入コストの高騰や原油高の影響、さらには人手不足による人件費の高騰から、企業の生産コストが上昇しています。これにより収益の確保が難しい多くの企業が値上げに踏み切り、消費者の生活が圧迫される現状となっています。

また日本銀行の発表によれば、2024年度11月の国内企業物価指数は前年比3.7%増で、2020年平均を100としたときの同月指数は124.3となっており、企業間取引の価格動向が高く上昇しています。※6

このような先行き不透明な状況のなか、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金といった支援策の新規受付が終了し、反対にゼロゼロ融資の返済が本格的に始まったことで多くの企業は財務基盤が以前よりぜい弱となっています。このため、取引先倒産によって引き起こされる代金未回収が資金繰りに与える影響は大きくなっています。これらの経営リスクを回避するべく、企業には取引先の業種動向や倒産リスクを常に把握することが求められます。

当社はこれまで企業の連鎖倒産を防ぐ取り組みとして、AI与信管理クラウドサービス「アラームボックス」の提供を通じて倒産の事由や前兆と見られる情報を「アラームボックス」上で収集・解析してきました。

以上を踏まえ、“1年以内に倒産する危険性がある要警戒企業”を業界ごとに集計し、内容の分析を行うことで、取引先の与信管理におけるタイムリーな情報収集の重要性と活用法を啓発すべく、本調査の実施と発表に至りました。

※6日本銀行 企業物価指数(2024年11月速報)

https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/cgpi2411.pdf

◆主な調査結果

今回の調査では、倒産リスクの高い業種として、電子部品・デバイス・電子回路製造業、宿泊業、農業が上位に挙げられます。電子部品製造業では、複数年にわたる赤字や債務超過の事例が確認されており、輸送機器向け需要の減少や得意先業界の不振、さらには半導体調達の不安定さなどの影響が見られます。

宿泊業では、観光需要の回復が進む一方で、コストの上昇や人手不足により財務再建が進まず、営業停止や清算に至った企業も確認されています。また、漁業・農業では、飼料や燃料費の高騰、気候変動による収量の変動、設備投資の未回収などを背景に、倒産や信用不安に関する情報が複数発生しています。

また、燃料費の高騰は農業にとどまらず、道路貨物運送業や識別工事業にも影響を及ぼしています。道路貨物運送業では、下請け構造に起因する採算性の低さや赤字の継続が見られたほか、親会社の経営悪化を受けて連鎖倒産に至るケースも見受けられます。その他の業種においても、ファクタリングの多用や債務超過、訴訟トラブル、行政処分など、資金繰りの悪化や信用不安に関する情報が複数発生しています。これらの情報は、インターネット上で投稿された口コミなどの公開情報から把握できるケースも見られました。

◆調査結果詳細

1位 電子部品・デバイス・電子回路製造業:33社に1社が倒産する危険性あり

主な事業:スマートフォンや自動車、家電製品などに搭載される電子部品や回路を製造するメーカー

プリント基板やLEDなどを含む電子部品製造業では、長期にわたる赤字や債務超過に関する情報が複数発生しており、工場閉鎖や破産に至る深刻な事例が確認されています。

特に、取引先であるアミューズメントや自動車関連産業の需要低迷が響き、業績回復の見通しが立たない企業も見受けられます。中小企業やスタートアップ企業は、新技術への設備投資が先行する一方で、十分な資金調達や開発の進展が伴わず、収益化の目処が立たないケースもあります。また、経営体制の変化によりガバナンスが機能せず、技術情報の漏洩など情報管理上の問題が指摘される事例も確認されており、こうした体制上の不備が外部からの信用低下に繋がるケースも見受けられます。加えて、一部製品における半導体の調達不安やコスト上昇も収益を圧迫しており、経営再建が難航する傾向が見られます。

2位 宿泊業:34社に1社が倒産する危険性あり

主な事業:旅館、ホテルなど

ホテルや旅館を中心とする宿泊業では、長期赤字・債務超過が続く企業が多数確認されるなど、経営体力の低下が深刻化しています。事業譲渡により営業を新会社へ引き継ぐ例も見られますが、旧会社側には倒産リスクが残る場合があります。また、公的な倒産情報が未公表であっても、地図サービス上で「閉業」と表示される施設もあり、表面化していない事業停止が水面下で進行している可能性があります。
都市部や観光地では訪日外国人客が急増し、表面的には宿泊需要が回復しているように見える一方、地方や中小事業者には恩恵が及びづらく、コスト高や人手不足の影響から財務再建が進まないケースも目立ちます。さらに、歴史ある施設や大手企業のグループ会社でも経営悪化が見受けられ、業種全体として不安定な状況が続いています。

3位 漁業・水産養殖業:36社に1社が倒産する危険性あり

主な事業:水産動植物の採取や養殖など

魚介類の採捕や養殖を手がける漁業・水産養殖業では、魚価の不安定さや飼料価格の高騰により業績が悪化し、債務超過や破産に至る事例が確認されています。特に養殖事業者では、コロナ禍における飲食店向け需要の急減で収益を悪化し、その後も飼料費や加工のための人材コストの上昇が続いたことで採算が大きく崩れている状況です。他にも、小魚の不漁や円安による輸入飼料のコスト増加、過去の設備投資に伴う借入金の返済負担などで資金繰りが圧迫した結果、損失を抱える企業や倒産に至る事例も見受けられます。業界全体として、価格やコストの変動リスクが高く、財務基盤の脆弱さという構造的な課題が浮き彫りとなっています。

4位 農業:41社に1社が倒産する危険性あり

主な事業: 耕種農業、畜産農業、園芸サービス業など

耕種農業や畜産農業では、飼料や燃料の価格高騰による生産コストの増加や、気候変動による生産の不安定化などを背景に、業績の悪化や債務超過が多く発生しています。また、観光地で高価格帯の果物を販売していた農業法人では、コロナ禍による観光客減少を機に売上が急減した結果、話題性に支えられていた高価格帯商品の継続的な需要を確保できず、経営難に陥ったとみられる事例が確認されています。

また、高齢化や後継者不足といった構造的な課題に直面する中、施設園芸や新技術を取り入れた耕作を試みる動きも見られますが、初期投資が大きく、収益の確保がうまくいかなかった場合には借入金の返済が滞り、信用不安に陥る例も見受けられます。

5位 総合工事業:41社に1社が倒産する危険性あり

主な事業: 土木工事業、建築工事業、建築リフォーム工事業など

主に建設・土木工事を担う総合工事業では、人件費や関連資材の高騰に伴う建築コストの上昇を背景に、資金繰りの悪化や信用力の低下が目立っています。ファクタリングで売掛金の現金化を繰り返す企業も見られ、手元資金に余裕がない状況がうかがえます。また、下請企業から業務委託代金の支払いを巡って繰り返し訴訟を起こされている企業も複数存在し、中にはそのまま倒産に至った例も確認されています。こうした裁判情報からは、資金繰りの悪化や経営不安の兆候が読み取れるケースもあります。さらに、公共工事への依存度が高い業界構造の中で、談合や予定価格の不正取得によって指名停止となった企業も複数見受けられ、入札機会の喪失が資金繰りのさらなる悪化につながるリスクも懸念されています。

6位 輸送用機械器具製造業:45社に1社が倒産する可能性あり

主な事業: 自動車・鉄道・航空機・船舶および付属品の製造など

前回1位だった輸送用機械器具製造業は、今回順位を下げたものの、依然として高い倒産リスクを抱えています。自動車、造船、ドローン、電動モビリティなど幅広い分野を含むこの業種では、製品開発コストの増加や市場競争の激化により業績が安定せず、資金繰りの悪化や債務超過に陥る企業が確認されています。なかには複数回のファクタリング利用が確認される企業や、業務委託代金や貸金返還を巡る訴訟を起こされた企業もあり、経営の不安定さが表面化しています。さらに、主な取引先となる自動車や造船などの産業においても、需要の鈍化や海外企業との競争激化が続いており、その影響を受けて業績が悪化している企業も見受けられます。

7位 職別工事業(設備工事を除く):46社に1社が倒産する危険性あり

主な事業:とび工事、内装工事、塗装工事、鉄骨工事など

主に下請けとして内装工事や塗装工事を行う事業者に、資金繰りの悪化がうかがえる情報が多く発生しています。識別工事業は経営基盤のぜい弱な中小企業が多く、人件費や燃料費の高止まり、建築資材の高騰等の影響を受けやすいことに加え、同業他社との価格競争が激化していることで、事業採算性が低下しているものと考えられます。具体的には、支払い遅延や資金調達の否決などの情報が確認されており、これらの情報は調査会社の独自網だけでなく、インターネット上の口コミサイトや掲示板の書き込みといったオープンな情報源からも見受けられます。

8位 道路貨物運送業:47社に1社が倒産する危険性あり

主な事業:宅配便、トラック運送など

主にトラック運送会社を含む道路貨物運送業では、燃料費や人件費の高騰を背景に、業績の悪化や赤字幅の拡大が見られます。とくに下請けとして契約している中小の運送業者では、運賃交渉力が弱いため、採算が取れないまま倒産に至るケースも確認されています。また、製造業者の物流部門を担っていた企業が、親会社の経営難を受けて連鎖倒産する事例も発生しています。資金繰りが逼迫している企業も散見されており、業界内でも将来に対する不安の声が広がっていることから、引き続き注視が必要な業種といえます。

9位 各種商品卸売業:47社に1社が倒産する危険性あり

主な事業:分野をまたいで複数の品目を取り扱う商社や卸売業者(食品・衣服・建築材料など)

さまざまな分野の商品を取り扱う各種商品卸売業では、経済環境の変化を背景に、資金繰りの悪化や信用不安が目立っています。破産手続きの開始が公表された企業や、取引停止となった企業の情報も確認されており、経営状況の悪化が表面化しています。また、社会保険料に関連する記録も複数確認されており、財務面だけでなく、企業の内部管理体制に対する懸念も広がっています。多業種との取引を前提とする業態であることから、こうしたリスクが他業種へ波及する可能性もあり、引き続き慎重な与信管理が求められます。

10位 パルプ・紙・紙加工品製造業:47社に1社が倒産する危険性あり

主な事業:パルプの製造、製紙業、紙製品の製造など

紙や紙加工品の製造を行う企業では、債務超過や資金繰りの悪化、子会社の清算といった情報が確認されています。なかには、新聞用紙を製造していた企業が新聞の需要低迷のあおりを受け、主力事業からの撤退を余儀なくされ、最終的に法的手続きに至った事例も見られます。ペーパーレス化の加速により市場全体が縮小傾向にある中、特に地域の中小企業では収益確保が難しく、事業の継続に対する不安が広がっています。

◆考察

今回の調査では、製造業に分類される業種が多数ランクインしました。電子部品や輸送用機械器具、パルプ・紙製品などの分野では、いずれも原材料やエネルギーコストの高騰、人件費の上昇といった外部環境の変化に直面しており、特に設備投資や製造コストの回収に時間を要する業態では、赤字や債務超過が長期化する傾向が見られました。さらに、海外との競争激化や主要取引先の需要減といった要因が重なり、売上の回復が難しいといった構造的な課題も確認されています。とりわけ中堅・中小企業の製造業では、こうした環境変化に柔軟に対応しきれず、資金繰りに行き詰まるケースが相次いでいます。今後は米国の関税引き上げによって、輸出等の落ち込みが発生する恐れがあり、より再建が厳しくなる状況も考えられます。

さらに今回は、倒産に先立ち、債権譲渡や訴訟、支払い遅延など資金繰りの逼迫を示す情報が確認された企業が多く見受けられました。従来の財務指標だけでは把握しきれない経営リスクが顕在化しており、業種を問わず、財務の健全性やガバナンスが倒産リスクに直結する傾向が強まっています。また、口コミサイトへの書き込み、訴訟履歴、行政処分情報など、外部から取得可能な定性情報を通じて、倒産リスクの兆候を早期に捉えることができるケースも確認されました。今後、資金繰りに余裕のない企業の淘汰が進む可能性がある中で、財務諸表だけでなく、こうした外部情報も活用した継続的なモニタリングが、安心・安全な取引環境を維持するうえで一層重要になると考えられます。

本調査で上位にランキングされた業種の企業の中にも、財務状況や企業体質が健全な企業は存在します。そのため、あくまで適切な個社ごとの判断をすることが重要であり、動向や倒産リスクをタイムリーに把握できる与信管理体制や仕組みを整えた上で取引することが推奨されます。

◆調査概要

調査期間:2024年6月1日〜2025年5月31日
対象企業:アラームボックスでモニタリングしていた企業のうち、14,800社
対象データ:アラームボックスで配信されたアラーム情報289,283件

◆アラームボックスについて

AI与信管理クラウドサービス「アラームボックス」( https://alarmbox.jp )は、スマートフォンやPCから取引先を登録しておくだけで、取引先のリスクや状況変化を自動で知らせてくれるクラウドサービスです。収集・判断の難しいネット上の情報を、与信への影響度を診断したうえでお届けするため、インターネット上の情報を活用した「高精度」な与信管理を、「カンタン」に、「低価格」で導入できます。それにより、取引先の情報収集に関わる業務負荷を大幅に削減し、信用状況の変化をいち早くキャッチして、リスクに迅速に対応できます。

◆会社概要

会社名:アラームボックス株式会社
代表者:代表取締役社長 武田 浩和
所在地:東京都新宿区市谷本村町3-22
設立 :2016年6月
資本金:3.36億円
企業サイト: https://alarmbox.co.jp
サービスサイト: https://alarmbox.jp

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業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区市谷本村町3-22 ナカバビル8F
電話番号
03-6261-0351
代表者名
武田 浩和
上場
未上場
資本金
3億3600万円
設立
2016年06月