ロケット射場設備を製造・開発する三伸工業が北海道大樹町にサテライトオフィスを開設
加地重久社長がSPACE COTANの顧問に就任
民間にひらかれた商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」を運営する北海道大樹町(町長:黒川豊)とSPACE COTAN株式会社(本社:北海道広尾郡大樹町、代表取締役社長兼CEO:小田切義憲)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)のロケット射場関連設備の製造・開発を手掛ける三伸工業株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:加地重久)が、2024年7月より、大樹町経済センター内のコワーキングスペースにサテライトオフィスを開設したことをお知らせいたします。
併せて三伸工業株式会社の加地社長がSPACE COTANの顧問(射場技術開発担当)に就き、HOSPOで建設が進むロケット射場の施設整備に知見を提供いただきます。
大樹町とSPACE COTANは、引き続き多くの企業、団体との連携を通じて、宇宙港を中心に関連産業が集積する「宇宙版シリコンバレー」の実現と、宇宙産業による地域活性化を推進します。
インターステラテクノロジズの燃焼試験装置を開発・製造
三伸工業株式会社は、ものづくり支援事業(各種機械器具・工作機械・荷役機械・省力化設備開発)、カーボンニュートラル事業(バイオマス・原子力・風力・水素・洋上風力)、社会インフラ事業(橋梁・鉄構・建築・制振装置)、防衛宇宙事業などを展開しています。
宇宙事業では、JAXA種子島宇宙センターの射場設備や衛星組立棟設備・推進系設備、JAXA内之浦宇宙観測所の射場用地上設備のほか、民間ロケットの射場用地上設備も製造しています。
大樹町ではインターステラテクノロジズ株式会社のロケットエンジン燃焼試験設備を設計・開発・製造しました。
コメント
三伸工業株式会社 代表取締役社長 加地 重久
この度当社は、大樹町にサテライトオフィスを開設しました。射場計画には機体と射点設備の同時での開発がとても重要です。スピード感をもって関係の皆さまとコミュニケーションを良好にし、利便性の良いロケット射場の建設、また宇宙版シリコンバレーの創出に向けて尽力していきます。
大樹町長 黒川 豊
三伸工業株式会社に、大樹町内へサテライトオフィスを開設いただいたことにより、「宇宙のまちづくり」そして「宇宙版シリコンバレー」の実現に向け、より弾みがつくことと大変心強く感じております。
今後も同社同様、航空宇宙の取り組みを進められる企業様とともに、宇宙版シリコンバレーの形成に向け取り組みを進めてまいります。
SPACE COTAN株式会社 代表取締役社長兼CEO 小田切 義憲
ロケット関連のさまざまな地上設備の製造・開発・技術支援に豊富な知見を有する三伸工業株式会社が大樹町にサテライトオフィスを開設され、さらには加地重久社長に当社の顧問に就任いただき、大変心強く感じております。三伸工業株式会社と力を合わせて、HOSPOのロケット射場の整備拡充を推進してまいります。
今後もHOSPOを中核とした宇宙版シリコンバレーの創出を通じ、北海道の地域活性化へ貢献すべく、今後も多くの企業や団体の皆様との連携の輪を広げてまいります。
大樹町に集積する主な宇宙関連企業・団体
2008年 JAXA(宇宙航空研究開発機構)
大樹町と連携協力協定を締結し、多目的航空公園内(現HOSPO)のJAXA所有施設を「大樹航空宇実験場」とし大気球による宇宙科学実験等を実施
2013年 インターステラテクノロジズ株式会社
ロケット開発スタートアップ企業。同町に本社設立、工場・実験場を持ち、人工衛星打上げロケットZEROを開発
2020年 国立大学法人室蘭工業大学
超音速無人機の開発に向けた実験を大樹町にて行っている。ISTと共同研究を実施。旧小学校跡にサテライトオフィスを開設
2022年 株式会社インフォステラ
人工衛星用地上アンテナのネットワーク化、設置支援サービスを行う企業。初の地上局サイトを旧小学校跡地に設置
2022年 株式会社日本旅行
大樹町、SPACE COTANとパートナーシップ協定を結び、学校向けの教育旅行や企業視察等の観光コンテンツを開発
2022年 INCLUSIVE SPACE CONSULTING株式会社
大樹町と人工衛星データの利用促進に関する連携協定を締結。衛星データを使った牛の乳房炎の予測、樹種判別・CO2吸収量推定などのサービス開発を進める
2023年 エア・ウォーター北海道株式会社
大樹町と、宇宙産業とバイオエネルギーの開発に関する包括連携協定を締結。家畜糞尿由来のメタンガスをバイオ燃料として活用する実証実験を実施、今後ロケット燃料として活用を計画
2023年 株式会社釧路製作所
釧路市に本社を置く橋梁メーカー。北海道を中心に鋼製橋梁の製作及び架設、鋼構造物の設計・製作・施工を行っている。大型の鋼構造物製造の技術を生かし、インフラ整備の観点からHOSPO整備への参画を目指す
2024年 株式会社コスモテック
JAXA各宇宙センターにおける各種設備保全運用業務を展開。知見を活かしてHOSPO射場整備に貢献するため、2024年4月から社員2名をSPACE COTANに出向
団体・会社概要
三伸工業株式会社
代表 :代表取締役社長 加地 重久(かじ しげひさ)
所在地 :兵庫県神戸市長田区二番町2丁目2-1
事業概要 :各種産業機器販売及び大型鋼構造物製造と各種機械装置や試験装置の開発製造を行っています。事業拠点は、千葉、神戸、香川、種子島の4営業所のほか、兵庫県に2つの製造拠点を有しています。未だ見ぬ未来を明日に叶えるをキーワードに挑戦する企業であり続けます。
北海道大樹町
代表 :町長 黒川 豊(くろかわ ゆたか)
所在地 :北海道広尾郡大樹町東本通33番地
事業概要 :人口5,300人の一次産業が基幹産業の町。昭和59年の北海道大規模航空宇宙産業基地構想で航空宇宙基地の適地とされ、以降40年近くにわたり宇宙のまちづくりを推進し、HOSPOを本格稼働。北海道スペースポートを核とした宇宙版シリコンバレーの形成を目指しています。
WEB :https://www.town.taiki.hokkaido.jp/
SPACE COTAN株式会社
代表者 :代表取締役社長兼CEO 小田切 義憲(おだぎり よしのり)
所在地 :北海道広尾郡大樹町西本通98
事業概要 :大樹町からの委任に基づくHOSPOプロジェクトの推進業務全般(スペースポートの管理運営、整備資金調達支援、射場設計、国の認定取得、国内外顧客開拓、PR活動等)を実施しています。
WEB :https://hokkaidospaceport.com/
北海道スペースポート(HOSPO)とは
HOSPOは、2021年4月に大樹町で本格稼働した民間にひらかれた商業宇宙港です。大樹町はロケットを打上げる東と南方向に海が広がり、広大な土地によるロケット射場の拡張性の高さ等の地理的優位性があることから、世界トップクラスの宇宙港の適地と言われ、約40年前から航空宇宙産業の誘致を進めてきました。
「北海道に、宇宙版シリコンバレーをつくる」というビジョンに向けて、ロケットやスペースプレーンの射場・実験場を整え、世界の宇宙ビジネスを支えるインフラとして、航空宇宙産業の発展に貢献します。また、航空宇宙産業による地方創生やビジネス創出を推進します。
現在新たな人工衛星用のロケット射場Launch Complex-1(LC-1)の整備工事を進めており、整備資金の一部は企業版ふるさと納税制度を活用しています。地域特性を活かした地方創生の取り組みで人口減少に歯止めがかかっていることなどが評価され、大樹町は2022年度の企業版ふるさと納税制度の内閣府特命大臣表彰を受けました。
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