広範な測定ニーズに迅速に応える標準物質生産者を国内で初めて包括的に認定
~個々の標準物質に対する認定に比べ供給時間を6ヶ月以上短縮~
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE(ナイト))は、2023 年 3月4日、富士フイルム和光純薬株式会社東京工場を、化学分析・測定に用いる標準物質の生産者*1として国内で初めて“包括的認定”*2します。これにより、金属元素の測定ニーズに対し、信頼性の高い標準物質を速やか、かつ安定的に供給できるようになり、国際競争力の強化が期待されます。
法規制の変更、水質等の緊急調査や食品の汚染事故等により、化学分析や測定が突発的に必要になることがあります。これらニーズへの対応には、標準物質生産者が化学分析・測定に必要な信頼性の高い標準物質を速やかに生産・供給することが重要です。しかし、従来は、個々の標準物質に対して生産者が認定を受けるまでに6ヶ月以上の時間を要する等の課題がありました。今回NITEが広範に認定する包括的認定を受けた標準物質生産者は、新たな標準物質に対しての都度の認定審査が不要となり、標準物質の供給時間が大幅に短縮されることで、分析・測定機関からのニーズに迅速な対応ができるようになります。
法規制の変更、水質等の緊急調査や食品の汚染事故等により、化学分析や測定が突発的に必要になることがあります。これらニーズへの対応には、標準物質生産者が化学分析・測定に必要な信頼性の高い標準物質を速やかに生産・供給することが重要です。しかし、従来は、個々の標準物質に対して生産者が認定を受けるまでに6ヶ月以上の時間を要する等の課題がありました。今回NITEが広範に認定する包括的認定を受けた標準物質生産者は、新たな標準物質に対しての都度の認定審査が不要となり、標準物質の供給時間が大幅に短縮されることで、分析・測定機関からのニーズに迅速な対応ができるようになります。
- 標準物質の用途
- 標準物質の利用に関する課題と解決に向けた取り組み
他方、国際的には、個々の標準物質ではなく、特定の要素(測定方法等)を基準として広範に標準物質生産者を認定(包括的認定)することが認められるようになり、導入が進んでいます*3。包括的認定された標準物質生産者には、新規標準物質の生産を自主的に計画管理し、自身の責任の下での生産供給が認められます。
- 認定により期待される効果
- 用語説明
https://www.nite.go.jp/iajapan/asnite/outline/index.html
また、NITEは包括的認定を運営するために、以下2文書を整備、公表している。
“フレキシブルな認定範囲”を適用するASNITE標準物質生産者に対する認定の特定要求事項(https://www.nite.go.jp/data/000110719.pdf)
ASNITE標準物質生産者の”フレキシブルな認定”適用にかかる審査指針(https://www.nite.go.jp/data/000110720.pdf)
*2 包括的認定:特定の要素(測定方法等)を基準として、広範に標準物質生産者を認定すること。
包括的認定における新規標準物質の生産パターンとして、以下の例(及びこれらの組み合わせ)が挙げられる。
①単一成分の標準液としては既に生産能力がある複数の標準物質成分を希望する濃度比率で混合し、多成分混合標準液を生産する。
②実施能力が確認され認定された測定技術を用いて、新規の成分を含む標準液を生産する。
このような“包括的認定”は、2017年11月に改正された認定機関に関する国際規格(ISO/IEC 17011)の中でも、新たに定義(“フレキシブルな認定範囲”と称されている)され、国際的ルールとなっている。
*3 標準物質生産者に対する“包括的認定”の認定審査: 従来は、特定の標準物質の生産に関する個別手順及び個別記録(特定の標準物質の測定方法、濃度値の決定に関する記録類等)の適切さを主に評価している。一方“包括的認定”の認定審査においては、新規標準物質を生産するための共通的手順及び管理システム(新規標準物質のための測定方法の開発能力、測定方法や濃度値決定方法の適切さを評価する能力、新規標準物質の生産を管理するマネジメントシステム)の適切さに着目して審査を実施する。
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