<ヒト試験による血糖値上昇に関する新たな研究結果>①野菜・果実ミックスジュースを食前に飲むことが 食後血糖値上昇の抑制に効果的②野菜ジュースに含まれる糖は、砂糖よりも穏やかに吸収される

~第6回日本食育学会学術大会(5月12~13日、女子栄養大学)で発表~

カゴメ株式会社

カゴメ株式会社(社長:寺田直行、本社:愛知県名古屋市)は、野菜・果実ミックスジュースを食前に飲むことが食後血糖値上昇の抑制に効果的であることと、野菜ジュースの摂取は、同等の糖の量である砂糖水の摂取よりも血糖値上昇が穏やかであることをヒト試験で明らかにしました。
<野菜・果実ミックスジュースの研究について>
■目的と実施方法

 野菜には血糖値の上昇を抑える成分が含まれています。弊社ではこれまでに、野菜ジュースを食前に飲むことで、食後の血糖値上昇が抑えられ、特に食事の30分前に飲むことでその効果が高まることをヒト試験にて確認しています。(城西大学との共同研究)
<参考> http://www.kagome.co.jp/company/news/2015/002108.html

 今回の試験は、野菜・果実ミックスジュースでも同様の結果が得られるかを調査すべく、健康な成人を対象に、既に食後血糖値上昇抑制作用で報告のある野菜ジュースに加え、同等の糖を含む野菜・果実ミックスジュース、及び野菜・果実ミックスジュースと同じ含量・組成の糖を含む水溶液(糖液)を用いて、食後の血糖値の変化を調べました。また、各飲料のみを摂取し、血糖値及び血中インスリン濃度の変化についても調査を行いました。各飲料のみ摂取の試験では、野菜・果実ミックスジュースと同じ糖濃度ではあるが、糖の全てを砂糖とした水溶液(砂糖水)を追加しました。

食後血糖値試験
    白飯150 g摂取の30分前に、試験飲料(野菜ジュース200 mL、野菜・果実ミックスジュース200 mL、糖液200mL、水200 mL)のうち1つを摂取

飲料単独摂取試験
    試験飲料(野菜ジュース200 mL、野菜・果実ミックスジュース200 mL、糖液200 mL、砂糖水200 mL)の
    うち1つを摂取
    ※①の対象者28名と②の対象者20名は異なる。※②の血中インスリン濃度の測定は18名で実施。

■結果
 野菜・果実ミックスジュース、及び糖液の摂取により、食後血糖値の上昇が統計学的有意に抑えられることがわかりました。また、飲料のみを摂取した際に、野菜ジュースおよび野菜・果実ミックスジュースは、血中インスリン濃度の最大値が砂糖水に比べて有意に低く、その最大値を示す時間が、野菜ジュースは砂糖水より有意に遅いという結果が得られました。さらに、血糖値のピークを示す時間については、野菜ジュース及び野菜・果実ミックスジュースは、糖液及び砂糖水に比べて、有意に遅いこともわかりました。一方で、砂糖水は野菜ジュースに比べて急激に血糖値を増加させたことから、同等の糖の量でありながら、野菜ジュースとして糖を摂取した時の方が、血糖値上昇が穏やかであることが判明しました。

<まとめ>
◆野菜・果実ミックスジュースを食前に飲むことは食後血糖値上昇の抑制に効果的である。
◆野菜ジュースに含まれる糖は、砂糖よりも穏やかに吸収される。
◆野菜ジュースおよび野菜・果実ミックスジュースは、摂取後の血中インスリン濃度の上昇が
   砂糖水よりも穏やかである。


 野菜・果実ミックスジュース、及び糖液の摂取により、食後血糖値の上昇が統計学的有意に抑えられることがわかりました。また、飲料のみを摂取した際に、野菜ジュースおよび野菜・果実ミックスジュースは、血中インスリン濃度の最大値が砂糖水に比べて有意に低く、その最大値を示す時間が、野菜ジュースは砂糖水より有意に遅いという結果が得られました。さらに、血糖値のピークを示す時間については、野菜ジュース及び野菜・果実ミックスジュースは、糖液及び砂糖水に比べて、有意に遅いこともわかりました。一方で、砂糖水は野菜ジュースに比べて急激に血糖値を増加させたことから、同等の糖の量でありながら、野菜ジュースとして糖を摂取した時の方が、血糖値上昇が穏やかであることが判明しました。 

<①食後血糖値試験の詳細>
■試験方法

 健康な成人28名に、試験飲料(野菜ジュース、野菜ジュースと同等の糖を含む野菜・果実ミックスジュース、野菜・果実ミックスジュースと同じ含量・組成の糖を含む水溶液(糖液)、水)と白飯を次の4パターンで摂取して
いただき、食後の血糖値変化量を調べました。
・野菜ジュース200 mLを摂取し、30分後に白飯150 gを摂取
・野菜・果実ミックスジュース200 mLを摂取し、30分後に白飯150 gを摂取
・野菜・果実ミックスジュースと同じ含量・組成の糖を含む水溶液(糖液)200 mLを摂取し、
 30分後に白飯150gを摂取
・水200mLを摂取し、30分後に白飯150gを摂取

■結果
 野菜ジュース、野菜・果実ミックスジュース、糖液を摂取した際の食後血糖値変化量(飲料摂取前を基準とする)の最大値を、水を摂取した場合と比較すると、野菜・果実ミックスジュースおよび糖液は、水よりも有意に低い値を示しました。野菜ジュースは水よりも低い傾向を示しました(p=0.093)。

図1 食後血糖値変化量の最大値の比較 (n = 28、平均値、*P0.05で有意差あり)図1 食後血糖値変化量の最大値の比較 (n = 28、平均値、*P0.05で有意差あり)


<②飲料単独摂取試験の詳細>
■試験方法

 ①の食後血糖値試験の対象者とは異なる健康な成人20名に、野菜ジュース、野菜ジュースと同等の糖を含む野菜・果実ミックスジュース、野菜・果実ミックスジュースと同じ含量・組成の糖を含む水溶液(糖液)、野菜・果実ミックスジュースと同じ糖濃度であるが、糖の全てを砂糖とした水溶液(砂糖水)を摂取していただき、血糖値及び血中インスリン濃度の変化を調べました。
・野菜ジュース200 mLを摂取
・野菜・果実ミックスジュース200 mLを摂取
・野菜・果実ミックスジュースと同じ含量・組成の糖を含む水溶液(糖液)200 mLを摂取
・野菜・果実ミックスジュースと同じ糖濃度であるが、糖の全てを砂糖とした水溶液(砂糖水)200 mLを摂取

■結果
 血糖値は、野菜ジュースと野菜・果実ミックスジュースは15~45分後で、糖液と砂糖水は15、30分後で摂取時(0分)に対して有意に高値を示しました。また、血中インスリン濃度のピークを示す時間が野菜ジュースは摂取30分後であるのに比べ、野菜・果実ミックスジュース、糖液、砂糖水はそれより有意に早い時間でした。さらに、血糖値のピークを示す時間は、野菜ジュース及び野菜・果実ミックスジュースに比べて、糖液及び砂糖水が有意に早いこともわかりました。特に砂糖水は、野菜ジュース、野菜・果実ミックスジュースに比べて急激に血糖値を増加させたことから、野菜ジュース、野菜・果実ミックスジュースの摂取時の方が、血糖値の上昇が穏やかであることがわかりました。
 

図2.インスリン濃度変化量の比較 (n = 20、平均値)図2.インスリン濃度変化量の比較 (n = 20、平均値)

 

図3.血糖値変化量の比較 (n = 20、平均値)図3.血糖値変化量の比較 (n = 20、平均値)

 

 

 

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会社概要

カゴメ株式会社

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URL
https://www.kagome.co.jp/company/
業種
製造業
本社所在地
愛知県名古屋市中区錦3-14-15
電話番号
052-951-3571
代表者名
山口聡
上場
東証プライム
資本金
199億8500万円
設立
1949年08月